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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
DQ11小説アンソロジー主催を勢いでしている傍ら、switch購入してバケツを愛でるイカであり、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコがあれば生きて行ける!
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 オイラ、氷結魔法が使えるんだけど、砂漠地帯でヒャドの呪文って全然使えないんだー。その空間の水分を凍らせて放つ魔法だから、カラッカラでアチアチの砂漠にゃ凍らすものがない。それに砂漠は炎や大地の精霊の力が強いから、水の精霊の助力も得られないんだって。うーん。まぁ、バカなオイラも魔法が使えないって分かりゃあ、使わないさ!
 とにかく、砂漠の旅では水は大事! 洞窟の中なら地上に比べれば水もありそうな気がするし!
 オイラは耳を澄まし、匂いに集中して先を歩く。オイラの水探しに、仲間のセラフィの姉ちゃんとカレヴァンの兄貴も一緒に来てくれた。
 オイラが無遠慮に狭い通路に飛び込んで、ジェイドフレアとばったりして甲高い悲鳴を互いにあげて逃げたりするもんだからカレヴァンの兄貴がぴったりオイラの後ろに付いてくるんだ。カレヴァンの兄貴は白い毛皮に黒斑のキラーパンサー。がおがおされたら、オイラちびっちゃうかも。
 それなりに奥に進んで来たけど、枯れた地下水脈が洞窟になった空間は、水の代わりに砂ばっかり。滝のように砂が流れ、水面のように砂が一面に広がって、水のみの字も見つからねーや。
「ねぇ、ルアム君は止めようと思わなかったの?」
 くるりと振り返ると、セラフィの姉ちゃんが不安げな顔でオイラを見ていた。
「ガノさんの計画。怖いと思わないの?」
 あぁ。オイラは何のことだか、ようやく分かった。
 オイラと相棒がメルサンディの事件を解決し、グランゼドーラの玄関口とも言える三門という場所に戻って来た。そこで調査団長であるライヴァスの兄ちゃんに声が掛かったんだ。アラハギーロの調査をしているガノのじっちゃんから、応援要請の依頼が来ているんだって。
 暇だから来てみたら、ビックリするような計画を聞かしてくれたんだ。
 今、オイラ達が立っているレンダーシアとは別に、もう一つレンダーシアがあるんじゃないかって話。でもそれは、オイラも薄々は感じてた。二つのメルサンディを渡り歩いたんだからな。ラスカ達のいる世界には、アイリの姉ちゃんはいなかった。逆にアイリの姉ちゃんの世界に、ラスカ達はいない。いや、『小さな英雄ザンクローネ』の世界には、ラスカやミシュアがいた。でもそれって物語じゃん。変だよね。相棒ともどうしてなんだろうって、夜が更けるまで話したことがあった。
 そんな謎を解明するために、ガノのじっちゃんが一つの計画を立てたんだ。
 アラハギーロの元人間である魔物達は、元々いたアラハギーロから魔物に姿を変えられて、今居るアラハギーロに連れてこられたんだって。そんな元人間達の記憶を頼りに、来た道を遡り元々いたアラハギーロを目指すんだって。なぁるほどー! 流石、じっちゃん、あったま良いなぁー!
 でも、なぁんも問題が無い訳じゃない。
 二つのアラハギーロは地続きじゃない。旅の扉だったり、転移魔法だったり、何らかの方法が必ずあるんじゃないか。その方法が必ず使える保証もないし、その方法が必ず安全でもないってこと。使えないならそれまで。でも、使えて、使ったとして失敗したら、運が悪ければ死ぬし、運が良くても次元の狭間を永遠に彷徨うことになるんだって。
 オイラはその方法が成功したか失敗したかを見届けるために、同行する。
 成功すればいいけど、失敗したら、その失敗するまでの経緯を事細かに報告して今後に生かさなきゃいけないんだって。
「ま、怖いっちゃー怖いかなー?」
 セラフィの姉ちゃんが怖いのはわかる。オイラも怖くないなんて、絶対に言えない。
 だって、使えたら、失敗するか成功するか、確率は半分なんだもん。半分のうち片方は死んじゃうかもしれないんだ。笑えねーよ。
「でもさ、観客がいるステージを前に、滑るかもしれねーって足竦んで立てねー芸人なんて、辞めちまえーって怒られたって文句言えねーよ。まずは行けるか行けねーか、分かってから怖がったって遅くねーんじゃねー?」
 ガノのじっちゃんは、今回の作戦が急ぎすぎてるって分かってる。そう、本人も認めている。
 本当なら、こんな大所帯でいけるか分からない旅の扉みたいなのに飛び込むことはしない。経験豊富で慎重なガノのじっちゃんだ。じっちゃんと道案内の元人間の魔物を数人が飛び込み、イサークの兄ちゃんを見届け役にしただろう。それで成功なら残りの元人間達を連れて行く。そう考えたはずだって、相棒は言う。
 でも、この元人間の魔物達は、アラハギーロから脱走したことになっていてグランゼドーラの兵士に追われている。兵士達は追跡は執拗で、元人間達が捕まって殺されちゃう可能性が高くなっているんだって。
 時間がない。だから、ガノのじっちゃんは急いでいるんだ。
 セラフィの姉ちゃんが、ぎゅっと手を握りしめた。優しい性格なんだ。誰も死んでほしくない、そんな願いが震える手から感じられる。
「さっきの話の続きだけどさー、滑るかもしれないってステージに立たなかったら、一生後悔するかもしれねーんだよ。後悔するんだったらさ、いっそ滑るつもりでステージに立っちゃえばいーんだよ。それでさ、会場の誰もが白けたって、誰か1人でもふき出させれば芸人として大成功なのさ。誰も笑わせられなくたって、次のステージも誰も笑わないかどうかなんてわかんねーんだもん」
 にっとオイラは歯を見せて笑った。
「後悔しないよう生きていかねーと、人生、笑えねーぞ」

ルアムの人生哲学は、私の人生哲学でもあります。
後悔しないよう、生きて行きたいものです。
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