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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
DQ11小説アンソロジー主催を勢いでしている傍ら、switch購入してバケツを愛でるイカであり、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコがあれば生きて行ける!
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 グランゼドーラからの追っ手達は、人間の兵士でありながらそれはそれは恐ろしい連中なのだそうだ。アラハギーロのベルムドって男から逃げて来れた元人間達の何人かが、その兵士達に殺されてしまったそうだがその殺し方がすごく残酷なんだって。元人間の魔物が『どちらが魔物か分からない』って、震え上がって口を閉ざしたくらいだ。
 皆が荷物をまとめ、相棒が示した目的地まであと少しって所まで来た時だった。
 オイラは背筋がゾクゾクするのを感じた。ぶるりと震え上がって、毛皮という毛皮がぼわって膨らんだ。急いであたりを見回すと、薄暗い洞窟の暗さが増している。いや、ランプに照らされて黄金に光っている砂も、鈍く粘土のような重苦しい色だ。
「ルアっち、気が付いたんだね。やっぱり、魂の状態のルアム君と一緒だから敏感なんだね」
 イサークの兄ちゃんが周囲を警戒するように見回す。その口調はいつもの軽さも明るさもない。
「急いで、ルアム君を中に入れるんだ」
 言われるまでもない。相棒は慌ててオイラの中に入ってくる。
 ガノのじっちゃんが白い髭と眉毛に埋もれた顔を上げた。何があったと聞きたげに動いた口ひげだったけれども、次の瞬間には場の異変は誰もが分かるほどに変わった。驚き見渡す者達は、その場の空気がどす黒く変わったのを見た。まるで瘴気の濃い場所に踏み込んだようだが、瘴気に触れるような息苦しさはない。それよりも、体の芯の熱をも奪うような冷え切った空気と、いやーな予感がするばかりだ。
 …ル……ド…
 体の奥が冷えるような、地獄の底から響いてくるような恐ろしい声だ。声には生き物が発するとはとても思えない強力な呪詛がこもっていて、耳にするだけで吐き気がする程に体に影響を及ぼしてくる。
 どこ……る…
 イサークの兄ちゃんは急いで荷を解き、聖水を取り出した。聖水を振りまき、氷の呪文を唱えると美しく輝く氷が線を描いてオイラ達の前を横切る。湧き出した瘴気は光り輝く線の上を超えることはできず、壁に当たったかのように止まっている。わずかに息苦しさが和らいだ気がしたが、イサーク兄ちゃんの強張った顔は全然和らがない。
「イサーク、何が起きておるんじゃ?」
「…誰がこんな恐ろしいことを考え付くんだ? とりあえず結界を張ったけど、どれほど効果があるかは僕にも分からない」
 ずしん。ずしん。とても重量のある魔物が歩くような衝撃が地面を揺らし、ざざざと砂が動いて行く。誰もがこれから現れるだろう何かに恐れおののいて、ジリジリと洞窟の奥へ下がって行く。
 ずしんずしん。ざざざ。足音と砂が動く音は、イサーク兄ちゃんが引いた氷の線の前で止まった。
 ベルムドォ…!
 黒い霞の中から真紅の光が二つ灯る。それは、黒いバッファロン。オーガを凌駕するほどの筋肉質の巨体に、黒い毛皮を背に背負う、牛の角のような角を頭から生やした魔物だ。口はオイラみたいなプクリポは一飲みってほどに大きく裂け、だらだらとヨダレが地面に向かって糸を引いている。瞳は赤く輝き、吐息は瘴気、向けられているのは清々しいほどの殺意だ。
 それは巨体を震わせ、二本の角と両腕を月を突き刺すように高々と上げて咆吼した。がぁんがぁんと、イサークの兄ちゃんが張った結界を超えられず見えない壁を叩いている。
「ゴリウス兵士長…!?」
 リリパットの姿の元人間の兄ちゃんが叫んだ。その言葉にわかめ王様も、他の元人間達も驚き黒いバッファロンを見上げる。
「誰?」
 相棒が弓が使いやすいようにって、近くに陣取っていたリリパットの兄ちゃんに尋ねる。リリパットの兄ちゃんは、魔物の顔色だったとしても青ざめて驚いているって分かる表情のまま言った。
「我々、アラハギーロの兵士達を束ねるお方です。あの方は、ベルムドに一番最初に殺されてしまったはず…!」
 ひっ! ってことは、あの黒いバッファロンお化けなの? お化けってレベルじゃないくらいヤバそうだけど…! 今にも噛り付いて来そうな黒いバッファロンだったけど、イサークの兄ちゃんの結界を破れないと思ったのか大人しくなったようだ。そんな黒い瘴気の塊から、ヒョッヒョと笑い声みたいなものが聞こえて来た。

ヒョッヒョマン来るぜ。ヒョッヒョマン。
ゲームではグランゼドーラで初登場なのですが、アラハギーロ配信でも関わってくるのでここで登場させます。登場期間が長い方が、ぽっと出より読者の印象出ますからね。
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