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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
DQ11小説アンソロジー主催を勢いでしている傍ら、switch購入してバケツを愛でるイカであり、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコがあれば生きて行ける!
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 満天の星空に明るい月が掛かる。オアシスの水面はそれらを写し込む巨大な鏡で、アラハギーロの民の憩いの場であるはずだった。冷え切った砂漠の上を駆ける風はひんやりと肌を撫でていくが、日中の猛暑を考えれば誰もが喜ぶべき冷たさだった。
 だが、夜空の下には誰もいない。
 誰も出てこれないのだ。王宮とその下に作られた城下町の扉はどれも硬く閉じられ、その奥で人々が息を殺している。
 虫達の声が途絶えると、耳に飛び込んでくるのは遠い砂漠の上を唸るように吹く風の音ばかり。いや、遠くから何かが聞こえてくる。最初は風の音かと思ったものは、徐々に低い声なき声で言葉を紡ぐ。
 べ…ム…
 それは死者の声だ。生きとし生ける者が空気で喉を震わし響かせる音とは、明確に異なる音域。それは脳髄に直接響き、心臓にその冷たい言葉を直に突き立てるが如く生物の内側に無遠慮に入り込む。
 ど…に…いる…
 待ち構えていた者達が各々に武器を構え、周囲を警戒する。僧侶達がスティックを振り回し、様々な呪詛を遮る守りを周囲に施し始めた。誰かが虚空を睨みつけ、私もつられて視線を向けた。
 明るい月に雲がかかった。いや、雲じゃない。黒い霞みがかった何かが、月の前に立っている。
 ベルムドォ…!
 黒い霞の中から真紅の光が不吉な星のように瞬いた。アラハギーロの民を恐怖のどん底に落とした恐ろしい声が、家々の窓を震わせ扉を叩く。両手を地面に叩きつけ両足は地面を砕き、獣のようにそれは駆け出した。足音はしない。ただ狂ったように『ベルムド』『どこだ』を繰り返し、城下町に駆け込む。
 『ベルムド』『どこだ』を繰り返し駆ける体は、丈夫な煉瓦造りの壁をすり抜けてしまう。アラハギーロの至る所で、断末魔の叫びのような被害者の声と、無事だった者の泣き叫ぶ声が響き渡っている。
 だが、この獣が訪れることは、アラハギーロの民の苦しみの始まりでしかない。
 そう。これで、終わらないのだ。


かーいた文章はーリーサイクルーしーてでーもー、捨てない!!!!
いや、普通に書き直すときは、まるっと捨てますけど。
アラハギーロ二巡目後半。前半に持ってこようとした、黒いバッファロン編です。
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