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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
DQ11小説アンソロジー主催を勢いでしている傍ら、switch購入してバケツを愛でるイカであり、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコがあれば生きて行ける!
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 チャグムはカンバルの王が恩人であるバルサの運命を狂わせた男でなかったことに、少し複雑な思いを感じていた。
 存命であれば王として玉座に座していてもおかしくない年齢だ。息子のラダール王は厳しいカンバルの大地では珍しくない、遅く授かった命であると聞く。老齢に達しなくとも、壮年の王としてチャグムと相見えることはあり得る話であった。
 目の前に現れたからといって、恩人の仇と憤り手を上げる幼さはチャグムにはない。そう出来たならすっきりしたかもしれないという若さはあったが、それはを空想に止めることができただろう。
 だが、もしログサム王がいたならば、恐ろしい脅威であっただろうと思う。
 ログサム王はタルシュと手を組み、ロタと新ヨゴ皇国を我が物としようと画策しただろう。
 恩人の用心棒の話を聞き、皇国の闇を覗き込んだチャグムには、ログサムの冷酷さと天性の才と呼ぶべき先見の明があったと感じていた。しかし、それを善意で選ぶ人間でないのは、バルサの言葉で明らかだ。美しく輝く青い石ルイシャを売って民の糧を得るよりも、南方の国々を支配する方が楽だと思ったこともあったはずだ。
 そうしなかったのは、兵を徴収し軍を創立するのは容易いが、山を超える大規模な準備を他国に気取られず行うことは不可能だったからだろう。当時の周辺国の王や各国の狩人達から警戒されたことが、牽制になっていた可能性もある。決して豊かではないカンバルだ。貿易の段階で何らかの取引が行われていた可能性もある。
 だが、タルシュが南方から攻めてくるとなると話は別だ。
 結託すれば、ロタも新ヨゴも挟み撃ちにされ成す術もなく瓦解する。そんな好機を見逃す男ではないだろうし、タルシュに味方をしたふりをして出し抜いてロタや新ヨゴに大きな貸しを作ったかもしれぬ。どちらにしろ、ログサムの存在は巨大な暗雲としてチャグムの前にあったことだろう。
 恐ろしいことだ。チャグムは改めて身震いした。
 ラダールはチャグムから見れば臆病な王である。サンガルで即決しなかった時、カンバル王城でロタとの同盟を承諾するまでの逡巡、それらは体が燃え上がるほどの怒りを感じたものだった。だが、サンガルではチャグムが自室に戻る頃には決断を伝えたし、チャグムの捨て荷と呼ばれる機転で彼自身の決断を翻しロタとの同盟を果たした。
 気が弱いが、愚かではない。王という重い立場を担わされるには、辛い気質であるとチャグムは思う。優しいが故に茨の道を進んできたチャグムも、似たように思われているかもしれない。
 ラダールが王であったことは、幸運だったのかもしれぬ。それとも、運命だったのかもしれぬ。
 もう少し、頼り甲斐があると良いのだが。そう、言葉を付け足して。


天と地の守り人が終わった後。
ラダールさんが好きすぎて、これを含めて3本くらい書きたい。
ぶっちゃけ、ラダールさんが王様じゃなくて、ログサムさんがご存命だったら守り人シリーズとんでもない難易度になりそうで怖いですね。でももし、カンバルがちっぽけな国と評価されてタルシュになめられてるから、新ヨゴに協力してやるとかチャグムに都合がいい展開を一つでも出すとログサムさんの揺るぎない悪って存在が薄れると思うんですよね。タルシュへの噛ませ犬に転落すると、完璧な悪で憎悪の対象となり得ない。
ジグロの死と同意義なほどに、ログサムの死も重要だと個人的に思っています。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
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