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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
DQ11小説アンソロジー主催を勢いでしている傍ら、switch購入してバケツを愛でるイカであり、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコがあれば生きて行ける!
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 グランゼドーラからやってきた恰幅の良い中年の男性が立ち上がった。帽子を外しつるりとしたハゲ頭を撫でると、慇懃に頭を下げた。
「ムーニス陛下。本来ならば貴方様の帰還は、王族に連なる者や賢者が参るほどに喜ばしいことです。しかし、我が国はトーマ王子が戦死し、アンルシア姫が依然行方不明のまま。アリオス王は毅然とした態度で執務に臨まれておられますが、ユリア妃は心労に倒れておいでです。僭越ながら大臣を務めるこのコルシュが、代理として王の書状を読み上げさせていただきます」
 コルシュ大臣はそう言って書状を読み上げる。まずは帰還を喜ぶ言葉が連ねられた。ワカメ王様が行方不明になり、勇者の国であるグランゼドーラが手を差し伸べることすらできなかった悔しさと謝罪。そして、各国の更なる協力と、この混乱を共に乗り越えていこうという声掛けで締めくくられた。
 書状をコルシュ大臣から受け取ったムーニス王は、深々と頷いた。
「我が子が親よりも早く死ぬ苦しみは、筆舌に尽くし難い。アリオス殿の言葉、このムーニスしかと受け止めた。コルシュ殿、アラハギーロは全面的にこの混乱を乗り越える為の協力を惜しまぬ。後に認めた書状と共に、このムーニスの決意と感謝…そして哀悼の意をしっかりと伝えて欲しい」
「勿論です、陛下」
 そう固い握手を交わし、離れたのを見計らって声が掛けられた。ダーマ神殿からやってきた、次期大神官候補という二人の神官のうち、ジェアロという饒舌な方が口を開いのだ。
「ムーニス陛下。貴方様は今までどこにおられたのですか? なぜ、無事に戻ることができたのですか?」
 今、レンダーシアの誰もが抱いている疑問。この場に集まった全員の視線を受け止め、ワカメ王様は口を開いた。
「ワシはこのアラハギーロと似て非なる場所にて囚われ、殺されようとしていたのじゃ。それを、彼らに救われたのじゃ」
 ワカメ王様が示したのは、当然、僕達。ガノさんに突かれ、僕は立ち上がって彼らの視線に込められた疑問に答えた。
「僕達はレンダーシアの外、五大陸の精鋭で結成された調査団の一員です」
「五大陸…? 君らは、レンダーシアの外から来たというのかね?」
 僕とガノさんは深々と頷き、ここにくる経緯を語った。
 ある時を境に、レンダーシアは『迷いの霧』という濃い瘴気の霧に覆われてしまったこと。不思議な力でかき消され、ルーラストーンやバシルーラでの通行は不可能。『迷いの霧』の中は五大陸と交易のあった大型船はおろか、グランドタイタス程の超大型船でさえ突破できぬ大時化となり、五大陸とレンダーシアを行き交うことが不可能になったこと。
「レンダーシアの外も、そんなことになっていたのか…」
 ダーマ神官のうち、ゾデラという寡黙な方が渋い声で呟いた。
 僕らがアラハギーロに滞在してすぐに、レンダーシアと外の行き来については調べ尽くした。やはり、レンダーシアから五大陸に向かうためのルーラストーンが起動しない。船舶で外を目指したが、外海の時化は酷く引き返すばかり。世界最大にして唯一の豪華客船であるグランドタイタス号もなく、船で外界に出ることは不可能となっていた。
 内も外も符合した内容に腑に落ちた表情を見せたのを確認し、僕らは言葉を続けた。
 しかし、『迷いの霧』が薄まり、賢者ホーローの製作した『魔法の羅針盤』の力でレンダーシアに来ることができるようになる。五大陸の六王は『迷いの霧』に閉ざされたレンダーシアの内部を明らかにするため、各種族の精鋭を乗せた調査団を送り込んだこと。
 訪れたレンダーシアを捜索する過程で、多くの不思議な出来事に遭遇したこと。同じ村なのに、住んでいる人が全く異なる地。死した子供達が暮らす地と、生きている大人達が暮らす地が重なった刹那の時間。人と魔物が入れ替わり、似て非なる王国へ連れてこられた者達。調査団はそれらを検証し一つの仮説を立てた。レンダーシアは二つ存在するのではないかと…。
「我輩達はムーニス陛下とカレヴァン殿の記憶を頼りに、戦争で敗北してから連れてこられた道のりを遡った。そしてたどり着いたのが、このアラハギーロであったのじゃ」

ゲームではもう一つのレンダーシアの存在が明らかになるのが、グランゼドーラの騒動が終わってからですし、このようなシーンが必要ないくらい全てが電光石火に終わって行くのでゲームにはない展開です。
しかし、こういう足場固めって割と必要だと思う人です。
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