ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
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ルアム君は火打ち石を打ちつけてぱっと散った火花を、鏃の代わりに巻きつけた布に燃え移らせる。蝋燭の火程度の火が灯った矢を、ゆっくりと敵に向ける。
「レナートさん、少しの間だけ足止めしてください」
なるほど、服を焼き払うつもりなのか。あの機械仕掛けの魔物を彷彿とさせる手応えを思えば、人間にあるべき部位を精密に再現する必要はない。さらに生物ではない構造なら、あれほどの力を引き出す為に膨大な動力が必要になるはずだ。
まぁ。僕はうっすらと笑う。
どうせ極刑にさせられるのなら、王様の服を剥ぎ取るのは罪のうちにも入らないだろう。さらに服の下が人間じゃなかったら、僕達は王殺しにならずに済む。
僕は七色の光が這う白金の刀身を、ゆっくりと正眼に構える。翼を広げた鳳の鍔が、滑らかな黄金の光を反射して輝いた。手にしっくりと馴染んだ柄を両手に握り込み、僕はドミネウス王に切り掛かった。
剣を交えれば交える程、ドミネウス王の動きが人間離れしているのに気が付く。
反射神経は歴戦の猛者並みと言えるが、最も顕著なのが関節の可動範囲だ。人間なら決して曲がらない方向に関節が時折曲がり、関節が外れるのか腕の長さが伸びる。最も厄介だったのは、人間の常識では考えられない行動だ。
「ふつーはあちあちってなったら、消さねーか?」
本来なら人間は服に火が付けば、全てを投げ出して消火する。火が己の命を奪う脅威であると刻まれた本能が、地面を転げさせて水を求めて奔走させる。しかし、王はローブの裾に火がついているのに全く対応する様子がなかった。
「ぐっ!」
僕の手首を掴んだドミネウス王の手が外れると、手が放たれたメラのように明後日の方向に飛んでいく。手首を掴まれ引き剥がせず、僕の姿勢は完全に崩されて王の前で大きな隙を晒す。王が僕の頭の上に錫杖を振り上げたが、引っ張られた手を引き戻せずにいる。
やべっ! ロケットパンチかっこいい!って喜んでる場合じゃないだろ!
「レナートの兄ちゃん!」
猫耳君がドミネウス王の背後から仕掛ける。
反応速度も膂力も人間離れしているドミネウス王だが、全ての情報を視覚に頼っている。気配で反応できるような視覚の外からの不意打ちは、ほぼ命中していた。ただし僕の腰に届くかどうかの小さい体では一撃が軽いが、頭を打ち据えた事で狙いがずれて錫杖が真横を掠める。
僕が持ち替えた剣で切り離された王の手を叩き壊すと、ばらばらと小さい部品が零れて動かなくなった手が地面に落下した。凄まじい力で握られて、手が痺れる。
「兄さん!」
王に尻尾を掴まれて投げ飛ばされたプクリポが、悲鳴を上げながら風の呪文を高らかに唱えた。次の瞬間、旋風が王を捉え小さい火が大きく燃え上がった!
火炎旋風の中に閉じ込められた人影は、大きく腕を振り風を振り払う。陛下! 口々に周囲で観戦していた人々や近衛兵の歓声の声が、戸惑いに口を噤んでいく。
「小癪ナ真似を…!」
憎々しげに僕らを見るドミネウス王に、この場の全ての人々の視線が注がれた。
個人的に、ロケットパンチはこういう使い方が一番効率がいいと思っています。
もちろんホーミングミサイルみたいに追尾するロケットパンチも良いんですが、それなら飛ばさないで本体の自重をプラスした攻撃の重みの方が強い気がするんですよねー。
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