ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 違う! 父上の否定が悲鳴のように空間を引き裂き、俺の言葉を振り払うように腕を振り回す。歯を食いしばった必死の形相で、黄金に眩く輝く神具に訴える。
「時見の箱よ! 神殿の祭司たる余に、繁栄と栄光の未来を見せよ!」
 巨大な神具の周りに浮遊する小さな立方体が、父を取り囲む。父の周りを様々な速度で回る立方体で光り輝く体に、神具から一条の光が額辺りに降り注ぐ。
 狂ったように笑っていた父が、驚きの声をあげ身を強張らせた。
「滅びの未来を回避すべき未来予知が上手く行かぬのは、『時の指針書』に従わぬ異邦人が存在するからか! 余が手ずから排除する事で、栄光の未来が開かれるのだな?」
 立方体は父の王冠の周りに輪のように広がり、背に翼のように一対に並んだ。その耀き姿は九つ目の神話に語られる守護天使より遣われし使徒を彷彿とさせる。しかし神聖な見た目とは裏腹に、瞳は欲望に塗れ殺意が溢れ、口元はいやらしい愉悦に歪んでいた。
「おぉ…! なんという全能感…! これが時渡りの力なのか!」
 哀れなり、ドミネウス!
 鼻先にちらつかされた栄光に目が眩み、自ら思考と決断を放棄するとは! 貴様もまた『時の指針書』に躍らされた悲しき暗愚の王よ! まだ国民達が愚かさに気がつく前に退位し、凡庸な王として歴史を刻むのが子としての最後の手向けになるだろう!
「この瞬間より、貴様を父と呼ぶ事はあるまい!」
 俺はレナートとルアム達の前に立ち、ドミネウスに剣を向けた。
 不思議な事に実の父に剣を向けているというのに、怯む気持ちは一欠片も浮かばなかった。それどころか実の子に剣を向けられ否定されているというのに、悲しみの表情ひとつ滲ませぬドミネウスの姿に剣を持つ手に力がこもっていく。
「歴代の王が守りし崇高なる王座を汚す者に、聖王を名乗る資格はない!」
 この愚か者め! そう叫んだドミネウスの声は、魔物の咆哮そのものだった。

戦いの火蓋ざっくり!!!!
これからエテーネ王国編、最終戦が始まるのです!

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