ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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生き物の丸みを帯びた腹に、錫杖が吸い込まれる瞬間。
甲高い音と小さい衝撃が、錫杖の先に走った。ほんの小さな衝撃が手に伝わり、ちりっと静電気が走るような痛みが走る。
瞬きを一つして見上げた未来は違うものになっていた。
一本の矢が錫杖の先端を突いていた。あんな細い錫杖を突いた矢は弾かれ、まるで川魚が跳ねたかのように跳ね返って光を振り撒いた。錫杖は光の軌跡が大きな弧を描いた。錫杖の先につられてゆっくりと捻られていく手首が、他人のもののように思えた。
さまざまな光が散る世界を、赤が引き裂く。
熱が顔を斜めに走り、そこからドロリとしたものが滴る頃には痛烈な痛みが走る。視界が真っ赤に染まって、思わず手が痛みに触れた。生暖かいぬるりとした気持ち悪い感触が、手から肘に向かって流れていく。口の中に血の味が流れ込んでくる。
なにが起きた?
『時見の箱』が見せた未来が、変わった?
なぜ。
「なぜだ!」
余はエテーネ王国の神器を、『時見の箱』を見上げた。多くのエテーネの民の『時の指針書』に正しき未来を書き込んできた神器が、未来を違えるなどあり得ぬ事だ。だが、たった今、余が箱を通じて見た未来は変わった。
まさか。汗と混じり合った血が、ぽたりと顎から滴り落ちた。
「ドミネウス陛下」
余の名前を呼ぶ声に、意識が外界を意識する。赤くぼやけて良く見えない世界に、人影が浮かんでいた。
「独りで出来る事って、本当に何もないんですよ?」
声は嘲るでも、同情するでもない、ただ淡々と真実を述べるように紡がれる。ただその声の主は、独りで何もできなかった過去を振り返るような、底の見えぬ谷のような感慨深さを言葉に乗せていた。
この声を余は覚えている。
父だ。父はルミラーハと出会う前の余に、こんな声で語りかけていた。
「貴方の服も、貴方が暮らす王宮も、貴方の頭上にある王国の神器も、誰かの途方もない努力を紡いで作られているんです」
人影が一歩前へ踏み出す。
やめろ。来るな。余の拒絶を感じ取り、小箱が防御体制となって人影と余の間に壁を作る。しかし、人影はまるで壁などないかのように、するりと抜けて近づいてくる。余が大きく後退り、錫杖を振ってどんなに強固な防壁を築こうと、人影はカーテンを開けるかのように突破していく未来に置き換えられる。
人影がはっきりと姿を結んだ。この世界で最も憎悪すべき、愚弟の姿。
「貴方は積み重ねた全ての上に立つ者として、敬意が足りなかった」
凛とした真っ直ぐな瞳には、邪な感情など何一つなかった。余に向けた言葉に何一つ嘲りの感情などなく、清く朗らかな言葉が汚い言葉よりも余を打ち据えた。貴様の妻と子を殺そうとした余に会って言う事が、憎しみの言葉ではなく殊勝にも諌める言葉であるとは…!
そ ん な 貴 様 が 大 嫌 い な の だ !
今まで感じた事のない鮮烈な怒りとなって、余の体を引き裂き迸った!
「エテーネ国王である余に、説教を垂れるなっ!」
やべぇ。3話で終わるかと思ったら終わらないわ。
人影はレナート君でもいけそうですが、ルアム君かなぁって思って書いてます。
わぁー!皆さん、稲野が拍手沁み入るーとか言ったからぱちぱち下さった感じなんですかね。優しくってありがてぇ!拍手に感謝!!ぱちぱちっとありがとうございます!!!
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