ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 ボクは時の妖精。普段は『エテーネルキューブ』の中で待機状態で宿っているキュル。
 製作者であるテンレスは、ことある毎に弟や幼馴染や故郷の話をするキュ。全く不毛な記憶容量圧迫問題キュ。そして弟の話題の最後には、『弟のルアムをよろしく』と依頼されているキュ。『よろしく』とは明瞭を欠いた内容キュルが、『エテーネルキューブ』の所有者を援助する。それがボクの役割キュ。人間の価値観で、好ましい選択して欲しいと認識しているキュ。
 テンレスの要請に常に最善を尽しているキュけれど、ボクにも不得意はあるキュ。
 ボクは時の妖精の見た目宜しく、愛らしいふっくらとした丸みのある造形や、キュッと伸びやかな手足、ふわりと体を覆うフード付きの外套に、キュルっとした目や口元から戦闘向きではないキュ。
 第一、『時渡りの力を制御し指定の時間に時間跳躍する行為を援助する』。それだけで、どんな強大な攻撃魔法よりも制御が難しいキュ。遥か遠くの針の穴に糸を通すような、普通なら不可能な領域キュル。それを可能とするボクは、非常に優秀な存在キュル。
 だからといって、万能とは言えないキュ。
「キュルル。そこにいるのでしょう?」
 メレアーデの声が、過去から今に囁くキュ。
 その言葉を聞いたのは、パドレア邸の主人であるマローネと赤子を守り抜いた後。ルアム達が連行されるのを遠巻きに見る王宮の人々の向こうに、王宮には相応しくない格好のメレアーデが立っていたキュ。誰も窓際に立つ高貴な女性に気がつく事ない。それどころか、その周囲だけ少しだけ時間の流れが澱んでいたキュ。
『お前は何者キュ?』
 ボクの問いにメレアーデが動きやすい革のワンピースの裾を摘んで、流れる動きでカーテシーを披露したキュ。伏せたまつ毛が上がると顎も上がって、ボク達がメレアーデと認識する顔と寸分違わぬ面差しが向けられる。
「私はエテーネ王国国王ドミネウスの娘、メレアーデ」
 ふんわりと笑みを浮かべた口元だけれど、目は強い意志が朝日のように輝いていた。ルアム達が連行されているのを驚愕の表情で見ている、ドレス姿のメレアーデとは雰囲気が全く違うキュル。ボクの時間測定能力は、二人のメレアーデは同一時間軸に存在する同一人物であると告げているキュ。冒険者姿のメレアーデの方が、経過時間が長い。つまり今のメレアーデより未来の存在と言えるキュ。
 エテーネの民が持つ時渡りの力で、未来より時間跳躍してきたメレアーデ。
 それが目の前にいたとしても、全く不思議ではないキュ。
『お前も過去を変えたいキュル?』

エテーネ王国編は、ついにキュルル視点です!
いや、今キュルル出さないとマジで出番がないので出ていただきますよ。

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