ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 黒服の剣士が険しい顔で足元に崩れ落ちた亡骸を見ていたが、こちらに視線を向ける。誰に視線を向けているかは分からないが、剣士は眉間に寄った皺が消えてうっすらと笑みを浮かべたように見えたキュル。
 すっと剣を持っていない手を掲げると『箱』が光を放つ。光は太陽のように時見の神殿の中を白に染め上げ、時渡りの力が急激に高まっていくのを感じるキュ! とてつもない時渡りの力が溢れ出して、空間に流れる時間が乱れていく。停滞して澱んでいると思えば、一瞬にして赤子が老人になる時間が駆け抜け、後ずさるように時間が巻き戻っていくキュル。それらの影響から三人を守るので精一杯キュ!
 外に向かって溢れた光が、突然ピタリと動きを止めた。まるで星々の海に投げ出されたような神秘的な光景に見えるキュけど、光は振動し爆ぜるように瞬き出す。
 キュキュッ! 大規模な時空転移の予兆キュル!
「一刻も早くここを離れるキュ!」
 ボクの声と同時に凄まじい轟音が響き渡って、床が抜けたキュル! 三人は神殿の床と共にエテーネ王国上空に放り投げられる!『床、空気読みすぎだろぉお!』と赤毛玉の悲鳴が強風に拐われいくキュル。
 広大な海の彼方は、緑がかった空とは交わらず陸地が輪のように取り囲んでいる。光が空を貫かんと噴き出る山があれば、水のように火が流れ煙が塊のように空に投げ出される山もある。黄金の平原のような砂漠。豊かな水の流れる大地。視線を落とせば広大なエテーネ王国が、飲み込まんばかりの勢いで迫ってくるキュ! その間をばらばらと黒い神殿の建材が切り取っていく。
 崩壊する時見の神殿の瓦礫の合間を縫って、赤毛玉がルアムの所へ舞い込んだキュ。兄さん! そう言って赤毛玉を抱き寄せたルアムは、レナートの名前を叫んだキュ。
 周囲に散らばる瓦礫は、大人の男性の姿すら隠すほどに大きいキュ。レナートの応じる声も、瓦礫の向こうから聞こえてきたキュル。
「ルアム君! 君が未来を変えるというなら、また会えるだろう!」
 レナートさん! ルアムが喉も避けよと声を張り上げると、空の色が真っ白に塗り替えられた。空の色はまるで朝焼けに白むように白く染まり、雲が時の流れにかき消されていく。光の素である『箱』の光はエテーネ王宮を溶かすように広がり、ぎゅっと圧縮されて跡形もなく消し去ったキュ。
「たった今未来が変わったキュル!」
 もうこの時代にとどまる理由はないキュ。このまま落下する事はルアムの生命に重篤な損傷をもたらし機能停止する可能性が非常に高いため、元いた時代に帰還するキュ。緊急性が高い場合は、テンレスの『頼む』が優先されるキュ!
 ボクはルアムの鞄から『エテーネルキューブ』を呼び寄せると、その銀色の面を細い指で突いていくキュ。まるで五月雨のように触れた面が黄緑色に発光し、銀色の面が突き出たり凹んだり回ったりするキュ。
 大きく腕を振り上げ指を押し付けると、『エテーネルキューブ』は眩く光り輝きボク達を包み込んでいったキュ。黄緑色の光が溢れるトンネルを滑空するような感覚は一瞬で終わり、次の瞬間には放り出されたキュ。

今回のベストワード、床、空気読みすぎだろ

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