ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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まるで大木が聳え立つ森林。もしくは向日葵の畑。石畳の上に転がるルアム達の傍から、一点を見ている人々を見上げていた。ルアム達の体のあちこちに足が触れる程に人々は密集していて、潮風の湿度に妙な熱気を含んで息苦しいくらいだったキュ。人々は地面に寝転がる不審者達を一瞬見遣っただけで、それ以上の関心を寄せずに空を見上げていた。不安がさざめく声は強風に煽られる木々のようで、互いの不安を存分に掻き立てるキュ。
人々の黒々とした影が切り取った空は、分厚くどんよりとした黒い雲が広がっているキュ。紫電が爆ぜる嵐の予感がする雲は、今にも大粒の雨がふってきそうだったキュ。
「なんだろう?」
王宮の落下から立ち直った毛玉が立ち上がって、ルアムに手を貸したキュ。上半身を起こして、そのまま重たい頭を支えるように額に手をやる。自由落下中に時間跳躍を行ったので、ルアムにはちょっと無理をさせてしまったキュ。でも、あのまま落下すれば死ぬのだから、怠いくらいは許容するべきキュ。
どうにか立ち上がったルアムに、周囲の人々が迷惑そうに視線を向ける。仕方なく一歩と動いて生まれた隙間にルアム達が立つと、人々の視線の先に目を向けたキュ。
え。ルアムの口から驚きの声が漏れる。
白と黒が支配した世界に、暖色に彩られたグランゼドーラ城が浮かび上がっていた。篝火を炊いて白亜の壁面が炎に炙られている城が目につき、そして黒い空へ滑った視線が否応なしにそれを視認する。
黒い雲からいくつも輝く糸が伸びて、山よりも巨大な白い塊を吊り下げている。紫電を散らして白く発光するそれは、まるで積乱雲のように層になっていて、次第に虫が作る繭に認識が収束していく。あ。あ。ルアムが真っ青な顔で、悪夢を見るように繭を凝視していたキュ。
「あれは。あの繭は…」
そう、あの繭こそ、ルアムが終焉の光景で見た繭。
『未来は変わったキュ』
当然、滅びの未来の可能性が消え去る事はないキュ。実際に今までの行動を思い返せば、滅びの未来の消滅に関わるような行いは何一つ行っていなかったと断言できるキュ。
ルアム達は出来る事をしたし、ボクから見ても行いは最善で善良だったと言えるキュ。でも、良い行いをしたから、最も良い選択を選んだから未来が都合のいい内容になるなんて簡単なものではないキュ。どんな選択も影響も全てを飲み込んでしまうのが、滅びの未来という大きな可能性だキュル。
『滅びの訪れが、早まったキュル』
これがメレアーデの滅びの未来を回避する為の導きであるとしたら…。ボクは気品溢れる冒険者を思い返す。エテーネ王国の王族は強い時渡りの力を有しているキュル。あの未来のメレアーデが存在する未来へ導く為に画策する事は、決して不可能ではないキュ。
一体、どんな未来キュ。
少なくとも、黙って滅びの未来を受け入れた方が穏やかで楽だとは思うような、茨の道を歩かされるのは確実キュル。目の前に突きつけられた滅びの未来を回避しなければ、ボク達はすぐに滅んでしまうのだから…。
ボクは空を見上げて、きゅう、と息を吐いた。
常軌を逸しているキュルね。
エテーネ王国編完結っっっっ!!!!
拍手に感謝!いっぱいぱちぱちいただいて嬉しいです!ありがとうございます!
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