ハコの厚みはここ次第!
■ Calendar ■
10 2024/11 12
S M T W T F S
1
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
□ search □

 十二分に準備ができたとは言えないが、待ち構える有利さがあったはずだった。
 その繭がアストルティアの滅亡に関わるとホーローから報告を受けたのは、グランゼドーラの頭上に繭が現れる前からだ。未来を予言する力を持つ伴侶と孫を持つホーローが、確信をもって断言すればグランゼドーラ付きの賢者ルシェンダの名で賢者達を召集した。何の手がかりもなく空振りであっても、大魔王の危機を脱し弛緩した意識を正すには十分だった。
 そしてホーロー経由で、繭が滅亡に関わると告げたルアムという少年が齎す新しい情報を得る。時渡りの力を持つエテーネ王国という高度な文明が、傾ぐ様相だった。
 正直、アストルティアの滅亡に関わると思えぬ情報ではあるが、ルアム達の帰還と繭の出現が同時であると思えば無関係と言い切れぬ。アンルシアが記憶を失っていた時の恩人というのもあり、礼を兼ねて王城に上がって情報を提供してもらった。
 最も念入りに聞き込んだのは『異形獣』。製作者がヘルゲゴールと名付けた生物兵器だ。
 硬い装甲を持ち、俊敏な身体機能と、鋭い爪と強靭な膂力による破壊行為。実際に存在したとなれば、民に多大な被害をもたらす事になる。実際にエテーネ王国では多くの被害者が出たそうだ。
 実際に遭遇し戦闘したルアム達の証言を基に、戦い方を検討し、必要な装備を行き渡らせる。強襲され心構えがないままに蹂躙される事に比べれば、考えられる限りの準備をした筈だった。
「そんな…!」
 アストルティアの勇者が信じられぬと声を上げる。
 土砂降りの雨の中、勇者の橋の上では一匹の黒い影が体を起こそうとしていた。
 薄紫色の外皮が鎧の装甲のように体の重要部分を覆い、青紫の肌にから盛り上がった筋肉質が見て取れる。額と目の部分に赤い宝玉が嵌り、口らしき部分に牙にしては大きすぎるものが生えている。ルアム達が報告した魔力を採取する宝石付きの角はなく、オーガの角を彷彿とさせる円錐形の角が額の上に一本生えている。手は体の割に大きく、片手剣よりは短く大ぶりの短剣より長い爪が指の代わりに生えている。前傾になった体を支える尾が、橋を叩いて石畳が砕ける。覚悟していたキラーパンサーの俊敏さで襲い掛かってはこないものの、人に近い形が放つ一撃はギガンテスもかくやの重さを誇る。熟練のパラディンであるラチックでなければ、受け流すこともできないだろう。
 戦いは有利に進んでいた。事前情報と差異はあったが、魔法を中心に異形獣を追い込む。アンルシアのギガデインを叩き込まれ沈黙した異形獣に、歓声が上がったのは数呼吸前の話だ。
「確かに死んでいたわ!」

開幕異形獣戦です。
まぁ、これがグランゼドーラ編第一話でも良いんですが、やっぱ勇者の為にって話の為に一話はあってよかったかなって思ってます。
実はルアムくん達は初グランゼドーラ城だったんじゃないかな? 意外と、アストルティアの星のメンバーは入城してない。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!

Comment
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
pass

Copyright © ハコの裏側 All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog