ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 アンルシアがレイピアを体に突き刺しギガデインを直接流し込めば、レンダーシアに存在するほぼ全ての魔物が絶命する威力を誇った。崩れ落ちて石橋に走った鈍い衝撃が、嘘だとは思えない。意識を失っているなら、アンルシアは決して構えを解かなかったろう。
 死んでいた筈だと思っていたが、実際には死んでいない。
 最初に浮かんだのは、目の前にいる異形獣が幻である可能性だ。幻であれば物理攻撃も魔力も全く通用しない。死んだふりをする意味は分からないし、油断させて隙をつくには動きは緩慢だ。それでも、死んでいないなら検証せねばならない。
「ブロッゲン」
 素早くブロッゲンに目をやれば、雨水を吸って重く垂れ下がる眉毛が上がる。ドワーフが好む幾何学模様が惜しげもなく刺繍されたローブを重ね着た賢者は、こつこつと杖を突きながら進み出た。
「確かに…そこに存在する」
 私と同じく幻を疑ったのだろう。既にブロッゲンは眉毛の影に爛々と輝く双眸で、異形獣を見据えている。
 賢者ブロッゲンは現と重なるあらゆる世界を俯瞰する。彼は魔力の流れを空気に光を混ぜたように鮮明に認識し、魂の形をも捉えてあらゆる幻を看破する。ブロッゲンが幻ではないというのなら、これは実態を伴う生命体なのだろう。
 ただ。嗄れた声が編み込んだ口髭の下から漏れる。
「勇者が仕留めた事で…、魂は…確かに肉体より離れた。だが…奴は天使の守りとは…違う方法で、死を…免れておる」
 死とは魂が肉体から引き剥がされ、戻れぬ状態になった故に起きる肉体の機能が完全に停止する状態だ。魂が肉体に引き摺られて傷つかぬ為の防御反応で、致命傷を負ったり生命活動が停止した肉体に魂が留まり続ける事は不可能とされている。『天使の守り』は魂と肉体を強制的に結びつける事で、肉体が致命傷を負っても魂が剥がされず死を免れる。
 私は首を傾げた。死を免れる『天使の守り』とて、魂が肉体から離れれば機能しない。
「命が失われているのに、死を免れているとはどういう事じゃ?」
 生命活動が停止したならば、息を吹き返す方法はザオ系統の蘇生呪文しかない。ザオ系統は生命活動に必要なエネルギーを外部から流し込む事で、死亡した肉体を蘇生させる。
 そんな魔力の流れは感じなかった。私が異形獣に眼差しを向けると、背後からブロッゲンの睡魔と戦う声が、雨粒を縫って響いた。
「別の魂を…糧に…」
「魂を対価に己の死を免れているというのか?」

ブロッゲン様は寝ていても歩けちゃうのって、なんだかんだ見えてるんだろうなってところから。むしろ体力がめっちゃなくなった事で体得した技能だと思う。
この目で嘘とかも完全に見破ってくるので、ドルワーム王国の子供達と仲良くしている事を指摘するとガノさんがキレる。素直でないのと、腐れ縁のブロッゲンに言われたくないがセットです。

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