ハコの厚みはここ次第!
■ Calendar ■
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 14 | 15 | 16 | |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
□ search □
兵士達の重い足取りが、グランゼドーラ王国の疲弊を物語っていた。
鎧は埃と泥に塗れ、赤黒い血の跡が拭われず、陥没がそのままの兜を被っている者も見受けられる。流石に割れたままの鎧兜を装着している者はいなかったが、兵士達の顔にべっとりと絶望の色が張り付いて幽鬼の葬列か何かと思うだろう。
兵士の隊列の重要部からやや外れた位置に、俺を含む義勇軍が疎に配置されている。とはいえ、レンダーシア全土に戦域を広げる魔王軍相手に義勇軍を出せる地域などなく、その多くがレンダーシアの外の5大陸からやってきた他種族の傭兵達だ。俺の隣では魚の鰭のような耳を生やした長身痩身のウェディ族の若者が、短い角を生やし赤岩のような肌質の強靭な体格のオーガ族の戦士と楽しげに語らっている。王国存亡の危機に直面している人族に比べれば他人事で楽観的ではあるが、この陰鬱とした戦場において彼らの明るさは松明の灯火のように尊い。
「話の途中ですまんが、風下に注意を払ってほしい」
ウェディ族は人族にはない青や緑掛かった肌色だが、顔の造形は良く整っている。ホメロスに似た目元を細め、親指と人差し指をくっつけて丸を作り『オッケー』と美しい声色が応える。
聴覚が優れたウェディ族が、吹き荒ぶ潮風の合間の敵の音を拾おうと耳を澄ます。
「グレイグ殿。そろそろだと思うか?」
人の良さそうな顔を引き締めたオーガ族に、俺は頷いてみせる。
グランゼドーラ王国は、不死の魔王が率いる魔王軍と熾烈を極める戦いを繰り広げている。王国の南東海上に突如現れた魔王軍は宣戦を布告し戦争を仕掛け、勇者であるグランゼドーラ王国のアルヴァン王子を大将に徹底抗戦していた。勇者が大魔王を撃退した事は幾度かあり、人々は今回も勇者アルヴァンが不死の魔王を倒してくれるだろうと消えぬ希望を胸に抱いている。
だが、目の前で魔王の軍勢と戦う者達にとっては、蝋燭の火よりも頼りないだろう。
不死の魔王が率いる十二の将は、それぞれに魔王から不死の力を与えられているという。
先の戦場で討伐した将が、次の戦場で復活して猛威を振るう。同じ種族の似たような個体かと思えば、先の戦場での記憶がしっかりと残っているらしい。念入りに死体を燃やし、海に灰を撒き、封印を施す等、考えられる手立てを講じたが不死身の軍団を崩す一手にはなり得なかった。
倒れぬ敵に挑み続ければ、疲弊するのは人間側だ。
これに追い討ちを掛けるのは、魔王軍の士気の高さだ。不死の魔王の威光が十二の将を従わせ、戦慣れした一騎当千の将の下で魔物達は力を存分に発揮する。
将を退けられる勇者アルヴァンや盟友カミルといった戦士達が駆けつけらるまで、防戦どころか押し切られかねない人間は崖っぷちに立たされていると言って良い。死地に向かわされる兵士達の表情は、死の恐怖と生き残っても次の戦場に向かわされる絶望で真っ暗だった。
俺が指揮する軍では、こうならないようにしよう。
胸の中に渦巻く疎外感と無力感を、唾と共に胃に流し込んだ。
過去のグランゼドーラ編開始です!
今回の視点はどこぞの王国で指揮するような、お偉い立場だったグレイグさんですよー!
まぁ、グレイグさんはさておいて、こう情勢を全く知らない人が把握する戦況だと新鮮味があって良いですね。今まででも先代勇者の話の折に触れられて、もう煮出し尽くされただろうって内容ですが、だからこそ変わった切り口でぶっこんでいくんですよぉ!!!!!!
一応、ゲームでは外の大陸の傭兵って話はなかったんですが、勇者アルヴァンの時代にオルセコと交流もあった事だし物好きだったり正義感のあるやつが乗り込んでそうです。戦線がレンダーシア全土に及んでいるので、人員が枯渇してるのでこの手段はアリだと思ってます。
Comment