ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 暗雲が垂れ込め、炭を流し込んだような大地。焼け焦げた大木が立ち枯れ、薙ぎ倒されたり折れた幹が横たわる。大地は数日間降り注いだ雨にぐずぐずと抜かるんで、足の踏み場もないほどの人間と魔物の遺骸が沈み込んでいた。死と絶望を混ぜ捏ねた闇を、稲妻の閃光が塗り替える。
 眼球を貫いた痛みに手遅れと後悔したが、もはや剣は指先を離れている。
 剣が回転し空気を引き裂く音がひゅんひゅんと耳に囁いていたが、それも次の瞬間に落雷の轟音に踏み潰される。頭の上から足元へ貫く、圧倒的な音量と圧力に反射的に身が竦む。
 それでも、俺は敵から片時も目を離さなかった。
 剣が真っ白い光の中で輪を描くように浮いている。その鋒が光を絡め取り、黒鉄の軌跡が光を切り裂いていく。俺の剣はまるで水中をもがくようにゆっくりと回り、離れていくのか小さくなっていく。随分と距離が離れたものだと、ぼんやりと思った時、剣が何かに当たったように弾かれた。
 ぎゃおおおおぉぉおおっ!
 獣の絶叫に光は霧散し、光に眩んだ目にも闇の中で悶える白い巨体が見える。さらにその白い巨体の脇腹を炎の球が直撃し、ハヌマーンは溜まらず地上に墜落する。
「皆さん! よくぞご無事で!」
 ちょっとした一軒家くらいの大きさのアルゴングレードの成体に跨ったのは、少年が誰もが憧れた竜騎士ではなく、麗しい華奢な女性だ。短くカットした翡翠色の髪に、円な瞳と滑らかな陶器のような白い肌。服装も桜よりも淡い色合いで純白にすら見えるローブに、首から掛けた赤い布が一際鮮烈に映える。
 賢者セレディーネ様。兵士達がまるで幻を見るように呟き、目を擦った。戦場に似つかわしくはない儚げな女性が消えずにいれば、喝采と共に大声で賢者セレディーネを讃える声が膨れ上がる。
 人間達の声を掻き分け、真紅の鱗の巨竜が身を低くして唸る。空いた口からぞろりと覗いた鋭い牙とは裏腹に、紡がれた言葉はあどけなかった。賢者セレディーネが素早く竜の背から飛び降りると、竜は凄まじい雄叫びと共にハヌマーンに突撃した!
 アルゴングレードは希望に酔いしれる人間を飛び越え、ハヌマーンの腹に尾を叩き込む! ハヌマーンの毛皮から骨折した骨が飛び出るのを見れば、その衝撃の凄まじさがわかると言うものだ。竜はハヌマーンの翼を折り、尻尾を噛み千切り、四肢をもぎ取る。断末魔の悲鳴が徐々に弱まり、ハヌマーンはいつの間にか絶命していた。最後の仕上げとばかりに竜がハヌマーンに火を放った頃には、伏兵として潜んでいた魔物も散り散りに消え去り姿はない。
 拳を振り上げた兵士達が、勝利の雄叫びを上げた!

千年前の賢者の一人、セレディーネさん参戦!!!
アルゴングレードと戦場を駆け巡らせちゃうぞ!!!

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