ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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実はbooklogを閉めまして、こちらに思い入れのある本の語りを移築する予定でございます。元々、booklogはレビューの書き方を勉強する意味合いも多かったのですが、最近では登録はすれど内容を書かずしまいな所がある上に、当たり障りのないつまらない内容で読み応えがない。ブログでこれが良かったあれが燃えるだ好き勝手に書いてる方が、自分も楽しいだろうと思っております。

さて、移築第一弾はエニックスの最後の鍵文庫公式の『小説ドラゴンクエスト』のロトシリーズです。公式の小説ドラゴンクエストは、シリーズごとに執筆者が交代しておりまして、ロトシリーズは高屋敷英夫先生が執筆しております。挿絵は新書版以外はいのまたむつみ先生が描いております。

まずはいのまた先生の挿絵から語らせていただきます。
公式ゲームでは鳥山明先生がキャラクターデザインをしております。その為、攻略本は鳥山先生に作風が似ている方が絵を描き、知られざる伝説も攻略本に倣っております。エニックスは早い段階で4コマ劇場を展開し、ダイの大冒険やロトの紋章といったコミカライズが連載されたり、DQは鳥山風でなくてもキャラクターデザインの特徴を押さえていれば良いという風潮がファンの中にありました。(この風潮は今のファンアートの土台を作と言っていいでしょう。同時におそ松さんのようにキャラクターデザインを踏襲しないとダメみたいなジャンルが登場し、その凄さを改めて感じています)
しかし、いのまた氏の画風はゲームで言えばFFの天野氏に寄った緻密な表現を得意としており、DQとは真逆の画風なのです。小説はゲームと対極を成すジャンル。そのための起用だとしたら、大当たりか大外れかの大博打だったのではと思います。
しかし、私はいのまた氏を起用したことは、とても大きなプラスであったと思います。ゲームから遠い緻密な絵は、文章のリアリティにうまく結びつきました。
ちなみに、稲野のいのまた先生は小説ドラゴンクエストです。はい。

小説を執筆された高屋敷先生は、本業は脚本家。ゲーム嫌いだったと噂があります。
流石、脚本家。小説家とは異なる文章を我々に見せつけてくれます。街の描写にはまず人口が示され、箇条書きに近い淡々とした描写を連ねます。正直、小説として読むと物足りない心理描写ですが、書いている方が脚本家であるなら納得の描写であります。
この高屋敷氏は何がすごいかというと、展開設定が凄いのです。高屋敷先生は、一人旅のDQ1において同行者というオリジナルキャラクターを起用し、2・3においては因縁のライバルキャラや独自設定を設けております。それを軸に物語を描く。
ゲームとしてのドラゴンクエストは全部横に置いて、ドラゴンクエストという世界観を書き起こして文章化した話です。しかし、これは本当にすごいことで、独り言が多くなる一人旅を三人称で書くにあたっては単調になってつまらなくなる可能性が大いにあります。同行者がいることで三人称は華やかになり、旅が変化するのです。旅初心者をガルチラに笑われた、生きている勇者の姿は私の中ではとても印象に残っています。2の三角関係は生々しすぎて、もはやトラウマです。3は全職業が登場し、群像劇の色が強くなっています。
さらに因縁のライバルや敵キャラが存在することで、魔王を倒す一本道がライバルキャラや個性的なライバルの存在で太くなるのです。1のザドルータンが息子の死に叫んだ描写、竜王が死の間際に見せた悲しそうな眼差しは私にDQの悪は悪と断じ得ないと思わされました。しかし、顔に大きな火傷を負わされたチコの憎悪の描写はゾクゾクとさせられ、相容れぬことを感じさせる。ロトシリーズは特に魔王を倒し世界を平和にする旅の意味合いが強く、旅先で困り事を解決するようなイベントは3くらいから多く用意されています。その為に肉付けされた高屋敷先生の設定は、見事に魅力的にドラゴンクエストの世界を描いたのです。
小説ドラゴンクエストは世に先駆けたゲームのノベライズ。開幕から自由度振り切れた公式二次創作がぶち上がった訳です。
今も多くゲームだけでなく様々な作品をノベライズした小説はありますが、エニックスと双璧をなすだろう電撃系はシナリオをなぞるような小説を執筆の印象です。これは筆者がどうのではなく、会社の方針なのでしょう。星のカービィ系はゲームとは異なる独自の話を展開しているように見えます(絵本は世界観を抜いたものと見受けますが、つばさ系はちょっと勉強不足です申し訳ない)

この高屋敷氏の切り開いた道は、現在のドラゴンクエストの二次創作をするファンの中に受け継がれてることでしょう。物語に沿えば、内容は問わない。そんな自由度をファンが謳歌しているのです。

拍手に感謝!複数の人にぱちぱちいただいて、ど、どうしたんだ!!??って狼狽える稲野です。
もしかして、たいっつーの更新報告タイーツで来てくれている人がいるのか? Twitterでしてこなかったのは、更新が恥ずかしいことと書いても来ないだろうなって思ってたからなんですよね。タイツでは更新報告しとこうと軽い気持ちでできるの強い。
いやいや、それよりも拍手ありがとうございます!ぱちぱち嬉しいです!

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