ハコの厚みはここ次第!
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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うっわ。露骨に顔に出ちゃったオイラの後ろで、ダズ兄が呆れた声でぽそり。
「…良くオーガ族が滅ばなかったな」
「アストルティアが滅びの危機を迎えている今に、百年掛かる封印は得策ではありません。何より、もう一人の王子が求めた方法は試す価値があります」
先生が困ったように微笑むと、前を向いて指を差す。
「目的地が見えてきましたよ」
そこは闇にぽっかりと浮かんだお皿みたいだった。大きな岩を真ん中に据えた丸い舞台には、砂浜みたいに不揃いの白っぽい砂が敷き詰められてる。その砂には沢山の武器が突き立てられてたんだ。錆びてボロボロのもの、真新しい綺麗なもの、大剣、短剣、斧や槍、爪が揃えて並べられたりして武器の見本市みたいだ。じゃりじゃりと真ん中の岩に向かって進むオイラ達の重みに押されて、舞台の端の砂や武器が奈落の底にざざっと落ちていく。
膝を折り地面の砂を撫でたダズ兄は、手を組んで小さく祈りを捧げる。
真ん中の大岩は角がない滑らかな岩で、ダズ兄が手足を大の字にしてもはみ出ない大きさだ。平ったくてテーブルに丁度良さそうだけど、焦げた後なのか真っ黒い煤がこびり付いてる。
「今も戦士達が亡骸を弔う場所として、埋葬に来る者が後を絶たぬのです」
ここって、現役の墓場なのか!
エリガン先生に習って、オイラは慌てて埋葬された戦士達の冥福を祈る。
先生が松明を掲げれば、奥の大岩には種族神ガズバランが剣を手に祈りを捧げるような石像がオイラ達を見下ろしている。とても大きくて真っ暗で死が傍にある世界を切り取ったように、生きる者が祈りを捧げる神聖さをオイラも感じていた。
「すでにオルセコ王家の墓としての価値は失われています。しかし死後の拠り所として敬意が払われる限り、この地は聖地として生き続けるのです」
先生はオイラに松明を預けると、空間の真ん中の祭壇に歩み寄った。オルセコ王族はこの祭壇の上に亡骸を横たえ、聖なる炎で荼毘に伏していたんですよ。そんな説明をしながら、先生は懐からガズバランの印を包んだ綺麗な布を取り出した。
布を開いて現れた石を手に取って、祭壇の上にごとりと乗せる。
種族神ガズバラン様から授かったオーガ族の起源が記されたものらしーんだけど、オイラの拳二個分のごつごつした石にナイフで紋様が刻まれただけ。別に宝石キラキラしてなきゃダメって訳じゃねーけど、子供がお遊びで作りましたって言われたら納得しちゃう代物だ。
先生は腰に穿いた護身用の短剣を抜くと、片手を首の後ろに伸ばした。一房、尻尾のように伸びた新雪の髪を掴むと、短剣で切り落としてしまう。先生はオイラが持っている松明へ手を伸ばすと、銀色の髪にそっと火を移した。
先生は火が着いた髪を両手で掲げると、祭壇の上に置かれた石の前に畏まった。
「私はオルセコ王の末裔、エリガン。種族神ガズバラン様、貴方様が私達に与えてくださった御印に私の炎を捧げます。我らが先祖グリエが求めた答えを、どうかお示しください」
言葉を紡ぐ吐息に膨らむ火に深々と一礼し、先生は石の上に燃える髪を落とす。髪は石を覆い深呼吸一回分くらいの間に燃え尽きちゃったけれど、石はまるで火を含んだ炭のように赤々と燃え続けてる。刻まれた紋章から小さなヒビが刻まれるように、真紅の火が石全体に広がっていった。
ぴしっ。
小さな音を立て、石から赤い光が溢れ出した!
場所が場所なので、墓場には火葬した遺骨とかを撒いて剣を墓標がわりに突き立てる感じです。遺体を持ち込んで火葬できるのは、オルセコの国力の表れだと思ってる。
ガズバランの印!こういう使い方なら古代文明が失われた現代でもいけるやろ!!!!
聖鳥編で出した、自らの体の一部を炎に焚べる事で特別な炎になる的なハコひら設定も投入でっす!いい雰囲気ですね!!!!
拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
