ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 おぉ! 先生が感嘆の声を上げた。
「伝承の通り、ガズバラン様のお言葉は炎によってもたらされる!」
 石から出る光は鋭く伸びて、松明の届かない闇に色んな形を結んだ。ナイフで刻んで描いた棒人間だけど、頭や肩に角があって、尻尾の房まであるんだから棒人間はオーガ族みてーだな。炎が揺らめくように光ったり消えたりを繰り返して、棒人間は踊るように動いて見える。
「なんだか、踊ってるみてーだな!」
 プクリポって踊りを見ると体がむずむずして、動いちまうんだよ。二人集まりゃ踊り出すなんて言うけど、一人でだって踊っちゃうんだもんね! オイラは棒人間の動きを真似て、もぞもぞと動いてる。そんな難しーやつじゃ無いから、すぐ覚えられそう!
 なぁ。ルアム。ダズ兄がオイラに声を掛けてきた。
 目が見えないダズ兄は、闇に映し出された棒人間が見えてない。先生が驚いて、おいらがちょろちょろ動いてるのが、石からばーんって出た光のせいなんだよって説明しねーとな!
「お前も戦の舞を教えてもらってたのか?」
 ふぇ? オイラがくりんと首を傾げてる後ろで、興奮した声が空間を跳ね回った。
「確かに、戦の舞だ!」
 エリガン先生がきびきびした動きで、棒人間の動きを再現して見せる。
 ダズ兄の袖を引っ張って『戦の舞ってなーに?』って聞けば、ルミラ姐さんの故郷の祭りで夜通し踊られる伝統的な踊りなんだそうだ。踊り自体はランガーオ村独自のものって訳じゃなくて、オーグリード全土で広く知られる伝統的な踊りなんだそう。
「…なるほど! この明滅の間隔は太鼓の拍子か!」
 きらきらとダイアモンドダスト並みに輝かせながら、簡略化されたオーガ達の舞へ熱視線が注がれる。興奮する先生に水を差しちゃいけねー。オイラは『なぁなぁ、ダズ兄』と囁く。
「この踊りを覚えたら、悪い奴の攻撃防げるのか?」
 しゅっと伸びる銀の鼻先が横に振られた。
「数年前にはジーガンフというルミラの友人が、先日の復活の際にはランガーオの戦士が二人ほどやられてる。全員、踊りの習得者だろう」
 どうにも姐さんの故郷では、戦の舞を儀式で踊る名誉に預かる為に村人全員が踊れるらしい。その動きは体で覚えているほどだろうし、武術の基礎にも応用できるだろうから戦いの動作にも影響しているんだろう。そんな彼らが悪い奴の術で正気を奪われたのなら、踊りは一番厄介な術を防ぐ為の手段じゃないんだろうなってダズ兄は唸った。
 戦の舞を踊れたからと言って、悪鬼の正気を奪う術を防げない。
「え? え? どーすんだ? わりーやつを倒せる方法は、解らねーってか?」
 オイラは目の前が真っ暗になりそうなくらいの焦りを感じてた。
 本当はガズバランの印から分かった情報は、魂が繋がってるオイラと相棒で共有され、グレンで迎え撃つ姐さん達に伝えられるはずだった。結局何もわからないって事は、相棒達が悪い奴相手に無駄死にしちまうかもしれないんだ。
 いいえ! 先生の断言が、光が消えて密度を増した闇を切り裂いた。
「それは違います!」

今回の話のキモ。え? 結局、踊りが復活しても意味ないってコトォ!!!!?????
これをやる最高のタイミングのために、話がぐるんぐるん入れ替わってる。

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