ハコの厚みはここ次第!
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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突然の先生の声がやまびこして、オイラ達はびっくり目がまんまる。そんなオイラ達の反応なんかどこ吹く風で、先生は手を広げ腹の底から声を響かせた。
「神話はオーガ族の誕生をこう語っています」
ガズバランは凶悪な獣達と戦い続け、その鼓動の音を、その胸に燃える炎のような意志に耳を傾け続けた。獣の音に合わせるように舞い、戦い、獣に喜びと闘争心を芽生えさせ、最後に心を授けた。ガズバランは心を持った獣を、我が子であると母である女神ルティアナに報告した。
朗々と響いた声が闇に消える前に、興奮した声が弾ける。
「神話に語られる『舞い』の部分が、たった今、『戦の舞』であると確定したのです!」
早口の加減が完璧にガノのじっちゃんだ。エリガン先生、めっちゃ嬉しくて楽しいんだろーな。
「獣が心を得る為には、『舞い』だけではいけません。それが現状の『戦の舞』を知っていても、鬼人化してしまう状況となっています!」
た、確かに、なんだか筋が通ってる気が、しなくも、無い。
オイラと並んで先生の剣幕に圧されているダズ兄が、おずおずと言った。
「…ってこたぁ『音』も必要って事か?」
鼻先にびしっと人差し指が突きつけられ、『その通りです!』と興奮した声が貫いてダズ兄は悶絶した。魔物が出るかもって警戒と、予想できない動きと炸裂音に身構える緊張で鱗の隙間からぷつぷつ脂汗が滲んでる。仲間なら盲目のダズ兄を慮ってやれるけど、まだ出会って数時間の先生にそんな配慮は期待できねーのな。震えるダズ兄の背中を、さすさす摩ってやる。
「しかし、それは『戦の舞』の際に拍子を取る太鼓の『音』だけではありません。心臓の音、胸に燃える炎のような意志、そこに鍵がある!」
エリガン先生は仰け反って天を仰いだ。その大きな喉仏が、レバーかってくらい大きく上下した。
「神話を再現するのです!」
へ? オイラ、ちょっとバカだからわかんない。
オイラ達、ゾンガロンって悪い奴を倒す方法探しにきたんだよね? 神話の再現って、どういうこと? 頭の中が疑問符でいっぱいになってるんだけど?
「ゾルトグリン王の心を再び芽生えさせる事ができれば、ゾンガロンを止められる!」
えぇー? オイラは腹の中の空気を全部 声無き疑問に変えながら、ダズ兄を見た。ダズ兄も目元は隠れてるけど、困惑しきりなのが仲間だからわかる顔してる。
悪い奴を倒す手掛かりが見つかりませんなら、まだ落胆でどうにかなったと思う。全員死ぬつもりで突撃すればやっつけられるって、覚悟を決めて戦いに挑んだんじゃねーかな。
でもさ、手掛かり見つかって立てた作戦が『神話の再現』だって?
その作戦、大丈夫なの?
相棒のハの字眉の呆れ顔が、瞼の裏にありありと浮かんだ。
かああーーーーーー!!!!!
一応、炎の領界で蒔いた布石をここでも再利用ですぞ!何度も擦るのが稲野です!
まだガズバランさんはストーリー上で誕生してないんだろうけど、このオーガ誕生の経緯今の段階で十分にアチアチなんだよな!!!たのしみ!!!!!!
というわけで、前半しゅうりょう!!!!
