ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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「また、貴様か」
 男の唇がそっと開き、感情の篭っていない冷たい声を紡いだ。
「どうやら、貴様の存在が来るべき未来に重要な誤差を生じさせるようだ」
 澄んだ音を立てて剣を振ると、刃にこびり付いた血が白い雪に飛沫となって散る。黒いブーツがざくりと凍りついた雪を踏み締めた時、自分は剣を抜いて少年の前に立った。
 記憶を失った自分にとって、少年は灯火のような存在だった。
 命の恩人という大層な者ではない。大事な存在、と言えるほどの関わりはないらしい。守ってやらねばと思うほどの弱さは、少年にはない。しかし、自分が少年を守る事が不思議としっくりくるのだ。
 目の前に突然散る火花。
 黒い鎧の剣士が目の前に迫っていた。片手だというのに、なんと重い剣戟であろうか! 自分は交差した両手剣を握る手が、痙攣するように震えるのを堪えるので精一杯だ。ふっと相手の刃が翻り、自分の剣を相手の脇腹に叩き込もうと薙ぎ払う。接触する直前で相手に弾かれ、どんなに素早い二刀流の猛攻も眉一つ動かすことなく涼しい顔で防ぎ切る。
 深呼吸一回分の間に重ねた攻防にも関わらず、自分は不思議な気分になっていた。
 この太刀筋を体が覚えている。
 右足が踏み込んだ時の薙ぎ払いの角度。左足が引いた時の、腕を引く位置。刃を交えれば交えるほど、次の一撃がどこから来るのか、この一撃が弾かれることが、まるで決まりきった踊りの手順のように認識されていく。
 当然だ。
 自分の名前すら、守るべき女子供の存在すら忘れても、忘れられなかった存在。
 一体、貴方は何者なのだ?
「主の邪魔をするとは、従者あるまじき行動だな」
 電流のように閃く。
 アストルティアを滅亡へ導くとされる繭と共に行動し、現れる先々で混乱をもたらし、今も異形獣であれ一つの命を奪った男。自分はこの男と主従関係だった? だとしたら、自分は平和を脅かす脅威であるのか? 混乱した感情を見透かした男が、にやりと笑みを浮かべた。こんなにも知った顔なのに、その表情は記憶には一切ない。
「お前は相変わらず、詰めが甘い」
 脇腹に衝撃が走り、姿勢が崩れる。
 相手に隙を突かれ蹴られたと理解した瞬間、頭の上を一本の矢が駆け抜けていく。視線を向ければ黒衣の剣士に向け矢を放った、熟練の狩人と幼さの抜け切らぬ輪郭が同居する不思議な少年の顔がそこにある。
 自分と男が切り結んでいる間に逃げることも出来ただろうに、ずっと矢を番え、射る機会を窺っていたのか。自分は少年の肝の据わりように、感嘆のため息を漏らした。
 眉間に吸い込まれた矢が、寸前のところで黄緑色の光に触れて掻き消える。
 紫電を這わせた剣が振り上げられ、自分は腕の力で跳ね起きて少年へ手を伸ばす。この一撃をまともに受ければ、強靭な戦士でさえひとたまりもない。せめて、自分が盾となる事で、少年を守らなければ。命を失うことが惜しいとは、欠片も思わなかった。
「ルアム! 其方を死なせたりはせぬ!」
 弧を描く金属の煌めきが、自分と振り下ろされる剣の間に滑り込んむ。
「おやめください! パドレ叔父様!」

稲野は狙うの苦手なので、延々と狙ってます。
しかもSwitchのコントローラーがまーた調子悪くなってるので、狙いがぶれるぶれる。ゼルダの伝説ブレワイやティアキンなんか一分くらい狙ってる時ある。ルアムくんの狙いの正確さを少しでも分けて欲しい。

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