ハコの厚みはここ次第!
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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ラチック。わしの声に盟友の保護者は、ゴーグル越しに視線を合わせてくる。
「盟友の保護者として、共に魂を捧げてはくれぬか?」
「もちろん」
厳つい黒々とした顔が笑みで綻び、白い歯が三日月のように浮かび上がった。低い夜の声が、喜びを滲ませて『ピぺとアン 守る』と答えてくれる。そんなラチックの傍から、警備部長の赤髪がひょっこりと覗いた。
「俺も参加しとくよ。俺が闇に穢れてバケモンになった瞬間に、俺の天使様が殺してくれるだろうからよ」
私も。俺も! わしも! 残った家臣達が次々と声を上げる。
一人一人が勇者の国に仕える者として、世界の平和に貢献している自負のある者達だ。力ある者も、非力で戦闘とは無縁であった者も、勇者の勝利に貢献できるなら命を捧げることも厭わぬ決意を秘めている。それらが顕になった目の前の光景を、わしはグランゼドーラの王として万感の思いで見ていた。この国の王である事に、目が眩むような誇らしさが募る。
わしは娘を抱き寄せ、忠臣達を正面に見る。
それでも、勇者である娘は申し訳なさそうな困った顔をしていた。勇者として守るべき者達に助けられなければ、目の前の危機を乗り越えられぬことが、勇者の力量不足と感じているのだろう。
そんな勇者の心を見透かすように、声が響いた。
「甘えていいんだよ、勇者様」
ロトの紫色の外套が忠臣達の合間を割って進み、城の門を開け放った。
白濁した外の光が城内の闇を切り裂くように差し込み、ごうごうと豪雨の音が流れ込んでくる。勇者の橋の上に浮かんだ、賢者達が生み出した四重の空封は大きな亀裂が今まさに走ったところであった。
亀裂は瞬く間に広がり、豪雨の中で魔法陣が描かれた巨大な球が砕け散る。瀑布のような雨の向こうに、魔獣の巨大な影がのそりと身を起こした。
それを見届けて、明るい声が導きの旗のように翻る。
「世界は、皆で守るもんなんだからね!」
そうだ! 誰もが同意した言葉が、高々と掲げられた輝きと重なる。
「さぁ! 宝玉に心を向けて! 繋げるよ!」
燦然と輝く宝玉へ意識を向けると、光が己の胸を貫く。まるで心臓に杭を打たれたような痛みに体を折り曲げたが、不思議と新しい力が痛む心臓から広がるのを感じでいた。
まるで普段使い慣れた呪文のように、邪魂の鎖と聖魂の剣の使い方が分かる。
そして、まるで自分自身のように宝玉と繋がった魂の存在を感じていた。作ったことのない料理が上手く作れるような、知らない知識が何故か当たり前のように理解できるような、己と他人の力が混ざり合う感覚。忠臣達と一つになったような連帯感が、わしの心をこれ以上もなく昂らせる。
わしは剣を抜き放ち、高らかに宣言した。
「征くぞ!」
世界の命運を賭けた戦いの第二幕は、我らの雄叫びによって幕を開けた!
前半完了!!!!!
拍手に感謝!反応遅くなってすみません!ぱちぱちっとありがとうございます!
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