ハコの厚みはここ次第!
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
□ search □
元々明るかった氷穴の風景が、真っ白に溶けた。針で体を貫かれるような凍てついた風が、ぬるりと温まり体を撫で上げる。ざざん、ざばんと岸壁に叩きつける波の音が、下から突き上げてきた。
氷穴を抜けた! 外の光に目が慣れていけば、そこは巨大な戦場の最後尾でした。
怪我を負った者が運ばれて回復呪文や応急処置が施され、積み上げた物資の向こうでは矢を番えた戦士達が弓を引き絞っている。母の治療でオルセコに滞在していた事のあるゴルガーレンさんが、怪我人から顔を上げて『グリエ様!』と驚いた声を上げた。
レナートさんが短くセーニャさんへ目配せすれば、セーニャさんは竪琴を爪弾き美しい讃美歌を歌い出す。その声に織り交ぜた回復呪文の祝詞が、ベホマラーとなって戦士達に降り注いだのです。
戦士達が驚いている間に、人波をステップで掻き分けるのはシルビアさん。あら、ごめんなさい。なんてウインクをしながら割った道を、レナートさんと僕が続く。
「グリエ様! これ以上先は行っちゃ駄目だ!」
静止する為に飛び出したムニュ大臣に、レナートさんが迫る。ちらりと振り返った翠の瞳が、僕に先へ進めと言っていた。
ありがとう!
言うべき言葉が、全て駆け出す為の呼吸に使われて言葉を紡ぐ事ができない。
心臓が脈打ち、全身を打ち付ける程に強く血液を送り出す。鼓動の音は轟音の炎のようで、口を開ければ炎が噴き出すように体が燃えたぎっている。
鬼人になって首と胴体が離れた遺体を飛び越え、どうにか下がる戦士達とすれ違い、岬の先端へ走る。潮風を切り裂いて、ギルガランの戦斧の音が響くんだ。
ゾンガロンの不快な笑い声が、風下に木霊した。
「追い詰められたスライムは竜をも噛む! ようやく我が獲物に相応しくなったな!」
白い空に白い太陽。迫り来る潮騒と、鼻から脳裏に抜ける強烈な磯の香り。
夢に何度も見た光景だった。
蜂蜜のように重い空気の中でもがきながら進む僕の前で、ギルガランが殺されてしまう夢。その夢を見始めた頃は当然の報いと眺めていた僕だったが、今は違う。
胸から溢れる炎が背を押す。
僕の命を燃やして、炎が僕を前へ突き動かす。
僕と同じ新雪の髪の下に輝く瞳が、僕らの国の紋章を背負う背中が、どっしりと踏み締めた両足が、彼が生きているのを告げる。ゾンガロンの光と、ギルガランが手にした鏡が反射した光がその場の全てを溶かした。
真っ白い世界で岬は溶け、誰もが思わず何もない空間で身を硬らせた。ただ一人 光から最も遠い邪神の加護を受けた者だけが、好奇とばかりに爪を振り上げる。
間に合え。僕は駆ける。
奪うな! 僕は叫ぶ。
その子は、僕の王様だ!
僕はギルガランの前へ躍り出る。背中に感じたギルガランのさらりとした服に、彼が無傷であるのを感じる。間に合った。僕は間に合ったんだ。
そう思った瞬間、胸を衝撃が貫く。僕の体は見えない壁に吹き飛ばされたように、背後のギルガランの腹に当たり、衝撃が抜け切らない体を逞しい腕が抱き止める。
グリエ! 聞いたことのない驚きに掠れたギルガランの声に被さるように、ゾンガロンの高笑いが降り注ぐ。雨粒のように降る涎の向こうで、悍ましい笑みを満面に浮かべた悪鬼の顔がある。瞳は三日月のように細められ、笑みを浮かべた口からは滑る長い舌が見え隠れする。
「ギルガラン! グリエが倒れたぞ! さぁ、どうす…」
両手を叩きはしゃぐ子供のようなゾンガロンの顔が、凍りついた。
グリエくん間に合った!!!頑張った!!!!
好きか、嫌いか。二択で問うならば、嫌いと即答するだろう。
ギルガランがいなければ。そう思った回数など星の数に匹敵するに違いない。父ゾルトグリンから受け継いだオーガでも類稀な肉体は、巨大な魔物に引けを取らぬ剛力と、風をも追い抜く俊足を持ち、全てを引き離す持久力を持っている。戦う才能はオルセコ最強であった父でさえ舌を巻き、幼くしてオルセコの未来は明るいと讃えられた。整った目鼻立ちは女性の美的感覚的に物足りなくはあったが、母譲りの顔立ちを父は愛していた。現代のオーガが求める全てを手に入れた、種族神に最も近い男だったろう。
同じ両親から生まれれば、比べられない訳がない。
血縁者でもない赤の他人が比べるなら、まだ我慢できただろう。だが、僕とギルガランを比べたのは他でもない父だった。幼くとも頑強で健康なギルガランが王に相応しいとは思っていたが、僕が遠い親戚に預けられると決まれば理解せざる得ない。母は僕と共にオルセコを離れると父に直訴したそうだが、母を溺愛する父はそれを許さなかった。
母とギルガランは必要で、僕は要らない子供。
父にそう突きつけられた時、僕の心にべったりと絶望と憎悪が塗りたくられた。
母が死に、僕の知識と聡明さに利用価値を見出した父の都合でオルセコに戻った時、どれだけ腑が煮え繰り返った事だろう。ギルガランの弟は病弱でオーガの出来損ないと、オルセコの国民から揶揄われる日々。父は価値がなければ再び捨てるだけだろうと思えば、僕は石に齧り付いてでも耐え忍び価値を示さなくてはならなかった。
我儘で自由なギルガランが、羨ましくてたまらなかった。
健康で強いギルガランが、憎くてたまらなかった。
同じ父、同じ母の元に産まれておきながら、この差は一体なんなんだろう? こんな惨めな想いをするのなら、産まれて間も無く死ねればよかったのにとガズバラン様を恨みもした。
戦士達に囲まれ、己の弱さを突きつけられる日々。僕を見下ろし、嘲笑を浴びせる者達。全てを知っても表沙汰に出来ず、悔しげに目を伏せ顔を背ける者。価値しか求めぬ王。全てが恵まれ順風満帆な兄弟。
憎かった。
何も出来ない僕も含めて、全てが。
そんな真っ暗な日々をギルガランが蹴散らした。
僕を弱いと揶揄う戦士達を降参するまで殴り倒し、僕を笑う者を睨んで黙らせる。僕と相手の間に立ちはだかる、オルセコの紋章を縫い付けた真紅の外套から浮かび上がる肩甲骨の大きなこと!
「誰かを守る事を躊躇わぬギルガランに、僕は王の器を見ました」
僕はオーガ族にとって必要のない者のはずだった。そんな僕に、ギルガランは言ったんだ。
『お前の思慮深さは俺にはないものだ』
座り込んだ僕に差し出された手は、初めて出会った時とは比べようもなく大きくなっていた。
『俺にしか出来ない事があるように、お前にしか出来ないことがある』
なんて、眩い言葉なんだろう。
真っ黒い感情に、火を投げ込まれたようだった。
「僕はギルガランを、立派な王に育てると決めたのです」
ふふっ。セーニャさんの笑い声が小さく漏れた。休憩が終わるのか立ち上がると、人間族のほっそりとした白い手が差し出された。
「そんな大変な事、好きじゃなきゃ出来ないですよ」
手をとって立ち上がったとほぼ同時に、戦いが始まったとわかる衝撃が氷穴を揺らした。休憩を挟んだお陰で復活した足取りだったけれど、激しさを増す戦いの気配は、一秒が一年に感じるもどかしさを生んだ。
あまりにも長い道。あまりにも遠いギルガランの背。
僕は胸元に仕舞ったギルガランの手紙が、くしゃりと音を立てたのを感じていた。俺は王の器ではなかったなどと、殊勝な事を書いた手紙。あの粗暴さとは裏腹に美しい文字で、僕ならどれほど良い国が作れただろうとか書いてあるんだ。オルセコを任すだなんて、自信しか口から出ないからって手紙で書くなんて明日はもこもこ獣の猛吹雪だ。
ギルガランの大馬鹿野郎! 僕は胸を掴んで手紙をぐしゃぐしゃにした。
僕は、君を絶対に死なせたりしない!
なんなんだろう。滅茶苦茶濃密で滅茶苦茶足早なんだけど、大丈夫?
スピード違反で逮捕されねぇ?????
肺の奥から燃え上がるような荒い息が湧き上がり、僕は短い息をどうにか継いで水を泳ぐように進んでいた。
ゾンガロンのねぐらへ繋がるとされる岬への氷穴は、吹き込む海水によって岩が満遍なく凍りつき、潮が結晶化して世界に二つとない美しい光景だった。自身より大きな正方形の結晶が複雑に組み合わさって、氷穴の中に迷い込んだ僅かな光を真昼の陽光さながらに増幅させる。輝きの奥に潜む夜よりも濃厚な闇が、今にも膝が折れそうな視界の中でぐらぐらと揺すられていた。
潮風に撫で上げられ海水に飛び込んだような濃厚な磯の匂いの洞穴だが、時折顔を顰めたくなるほどの血の匂いがする。先発隊によって露払いされた魔物達が、まだ生暖かいのだろう。
ずるりと、足首があらぬ方向へ曲がった。
滑る血溜まりに足を取られたと気がついた時には、体は横転して空中にある。氷の粒が空気中に漂う静寂の中で、僕の体が氷筍に突き刺さる角度で倒れていくのを冷静に見る。
あ。声が漏れたのは死を認識したからじゃない。
腕を強引に引っ張られ、胸から空気が押し出された。そのまま、肩をがっしりと掴まれ、紫の衣が包む硬い胸に頬が押しつけられた。どっどっと早鐘を打つ心臓は、僕のものか相手のものか。
「グリエ様。少しだけ休みましょう」
魅力的な提案に頷きそうになった頭を押し付け、僕はレナートさんの胸に手を当てる。思いっきり押して体を離そうとしたけれど、それ以上の力でがっしりと掴まれてびくともしない。
ぽんぽんと大きな掌が背を叩いた。
「駄目よ。足元が覚束ないじゃない」
セーニャ。シルビアさんに声を掛けられ、セーニャさんが素早く傍に膝をつく。僕の胸の上に手を添え、讃美歌のような神々しい声でリホイミを唱える。新緑の光が僕を包み込むと、あんなに苦しく閊えていた息がすっと通り抜けるようになる。
自然治癒力を高めるだけのリホイミは、筋肉痛のような外傷に至らない小さな損傷や疲労に効果がある。僕のように体力が元々少ない者にホイミを施せば、たちまち寝込んでしまうほどに体力を消耗させられてしまうだろう。
自分の体が想像以上に消耗していたのを悟って、僕は美しい紫水晶の瞳を見て礼を言う。セーニャさんの柔らかく嬉しさを滲ませた笑みが、僕の焦燥を溶かしてくれた。
「まだ戦いの音は聞こえていないから、大丈夫ですよ」
「ゾンガロンを待ち構えてるか、仕掛ける機を窺って慎重になってるか。どっちかしらね?」
誰かが落としたのだろう毛皮の外套を敷き、押されるように座らされる。見上げる二人が話す内容が雑談に変わっていき、暖かくて甘いお茶を渡され、味が濃縮された干し魚を解した物を食んでいると高鳴る鼓動が落ち着いてくる。
「グリエ様はお兄様が大好きなんですね」
そんな言葉に横を向けば、セーニャさんの優しい横顔がある。
彼女には姉が居ると聞いている。そんなセーニャさんの姉という存在に、誰もが辛い過去に触れるように悲しい顔をした。恐らくは存命している人物ではないのだろう。この魔物が闊歩する世界を旅するならば、死に別れは珍しい事ではない。
セーニャさんは『妹』だから、ギルガランの『弟』である僕に親近感を持っているようだった。僕は申し訳なく思いながら、親近感を振り払うように首を振った。
「僕は『好き』とは違うんです」
古のオルセコ最終章!!ゾンガロンとの対決に向かいます!!!
突然の先生の声がやまびこして、オイラ達はびっくり目がまんまる。そんなオイラ達の反応なんかどこ吹く風で、先生は手を広げ腹の底から声を響かせた。
「神話はオーガ族の誕生をこう語っています」
ガズバランは凶悪な獣達と戦い続け、その鼓動の音を、その胸に燃える炎のような意志に耳を傾け続けた。獣の音に合わせるように舞い、戦い、獣に喜びと闘争心を芽生えさせ、最後に心を授けた。ガズバランは心を持った獣を、我が子であると母である女神ルティアナに報告した。
朗々と響いた声が闇に消える前に、興奮した声が弾ける。
「神話に語られる『舞い』の部分が、たった今、『戦の舞』であると確定したのです!」
早口の加減が完璧にガノのじっちゃんだ。エリガン先生、めっちゃ嬉しくて楽しいんだろーな。
「獣が心を得る為には、『舞い』だけではいけません。それが現状の『戦の舞』を知っていても、鬼人化してしまう状況となっています!」
た、確かに、なんだか筋が通ってる気が、しなくも、無い。
オイラと並んで先生の剣幕に圧されているダズ兄が、おずおずと言った。
「…ってこたぁ『音』も必要って事か?」
鼻先にびしっと人差し指が突きつけられ、『その通りです!』と興奮した声が貫いてダズ兄は悶絶した。魔物が出るかもって警戒と、予想できない動きと炸裂音に身構える緊張で鱗の隙間からぷつぷつ脂汗が滲んでる。仲間なら盲目のダズ兄を慮ってやれるけど、まだ出会って数時間の先生にそんな配慮は期待できねーのな。震えるダズ兄の背中を、さすさす摩ってやる。
「しかし、それは『戦の舞』の際に拍子を取る太鼓の『音』だけではありません。心臓の音、胸に燃える炎のような意志、そこに鍵がある!」
エリガン先生は仰け反って天を仰いだ。その大きな喉仏が、レバーかってくらい大きく上下した。
「神話を再現するのです!」
へ? オイラ、ちょっとバカだからわかんない。
オイラ達、ゾンガロンって悪い奴を倒す方法探しにきたんだよね? 神話の再現って、どういうこと? 頭の中が疑問符でいっぱいになってるんだけど?
「ゾルトグリン王の心を再び芽生えさせる事ができれば、ゾンガロンを止められる!」
えぇー? オイラは腹の中の空気を全部 声無き疑問に変えながら、ダズ兄を見た。ダズ兄も目元は隠れてるけど、困惑しきりなのが仲間だからわかる顔してる。
悪い奴を倒す手掛かりが見つかりませんなら、まだ落胆でどうにかなったと思う。全員死ぬつもりで突撃すればやっつけられるって、覚悟を決めて戦いに挑んだんじゃねーかな。
でもさ、手掛かり見つかって立てた作戦が『神話の再現』だって?
その作戦、大丈夫なの?
相棒のハの字眉の呆れ顔が、瞼の裏にありありと浮かんだ。
かああーーーーーー!!!!!
一応、炎の領界で蒔いた布石をここでも再利用ですぞ!何度も擦るのが稲野です!
まだガズバランさんはストーリー上で誕生してないんだろうけど、このオーガ誕生の経緯今の段階で十分にアチアチなんだよな!!!たのしみ!!!!!!
というわけで、前半しゅうりょう!!!!
おぉ! 先生が感嘆の声を上げた。
「伝承の通り、ガズバラン様のお言葉は炎によってもたらされる!」
石から出る光は鋭く伸びて、松明の届かない闇に色んな形を結んだ。ナイフで刻んで描いた棒人間だけど、頭や肩に角があって、尻尾の房まであるんだから棒人間はオーガ族みてーだな。炎が揺らめくように光ったり消えたりを繰り返して、棒人間は踊るように動いて見える。
「なんだか、踊ってるみてーだな!」
プクリポって踊りを見ると体がむずむずして、動いちまうんだよ。二人集まりゃ踊り出すなんて言うけど、一人でだって踊っちゃうんだもんね! オイラは棒人間の動きを真似て、もぞもぞと動いてる。そんな難しーやつじゃ無いから、すぐ覚えられそう!
なぁ。ルアム。ダズ兄がオイラに声を掛けてきた。
目が見えないダズ兄は、闇に映し出された棒人間が見えてない。先生が驚いて、おいらがちょろちょろ動いてるのが、石からばーんって出た光のせいなんだよって説明しねーとな!
「お前も戦の舞を教えてもらってたのか?」
ふぇ? オイラがくりんと首を傾げてる後ろで、興奮した声が空間を跳ね回った。
「確かに、戦の舞だ!」
エリガン先生がきびきびした動きで、棒人間の動きを再現して見せる。
ダズ兄の袖を引っ張って『戦の舞ってなーに?』って聞けば、ルミラ姐さんの故郷の祭りで夜通し踊られる伝統的な踊りなんだそうだ。踊り自体はランガーオ村独自のものって訳じゃなくて、オーグリード全土で広く知られる伝統的な踊りなんだそう。
「…なるほど! この明滅の間隔は太鼓の拍子か!」
きらきらとダイアモンドダスト並みに輝かせながら、簡略化されたオーガ達の舞へ熱視線が注がれる。興奮する先生に水を差しちゃいけねー。オイラは『なぁなぁ、ダズ兄』と囁く。
「この踊りを覚えたら、悪い奴の攻撃防げるのか?」
しゅっと伸びる銀の鼻先が横に振られた。
「数年前にはジーガンフというルミラの友人が、先日の復活の際にはランガーオの戦士が二人ほどやられてる。全員、踊りの習得者だろう」
どうにも姐さんの故郷では、戦の舞を儀式で踊る名誉に預かる為に村人全員が踊れるらしい。その動きは体で覚えているほどだろうし、武術の基礎にも応用できるだろうから戦いの動作にも影響しているんだろう。そんな彼らが悪い奴の術で正気を奪われたのなら、踊りは一番厄介な術を防ぐ為の手段じゃないんだろうなってダズ兄は唸った。
戦の舞を踊れたからと言って、悪鬼の正気を奪う術を防げない。
「え? え? どーすんだ? わりーやつを倒せる方法は、解らねーってか?」
オイラは目の前が真っ暗になりそうなくらいの焦りを感じてた。
本当はガズバランの印から分かった情報は、魂が繋がってるオイラと相棒で共有され、グレンで迎え撃つ姐さん達に伝えられるはずだった。結局何もわからないって事は、相棒達が悪い奴相手に無駄死にしちまうかもしれないんだ。
いいえ! 先生の断言が、光が消えて密度を増した闇を切り裂いた。
「それは違います!」
今回の話のキモ。え? 結局、踊りが復活しても意味ないってコトォ!!!!?????
これをやる最高のタイミングのために、話がぐるんぐるん入れ替わってる。