ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 父さんの誕生日の日に歌をプレゼントしたら、どんな素晴らしい錬金術の品よりも素晴らしいと抱き上げられて褒めてくれた事。酒場で歌ったらお客さんがお駄賃を渡してくれて、そのお金で姉さんと美味しいお菓子を買って帰った事。コンギスさんの三匹の赤いドラゴンの赤ちゃんに、どらどらどらと囲まれて思わず泣いちゃった事。すぐにチュラリスが駆けつけて、ドラゴンの赤ちゃん達の頭を尻尾でくすぐって笑い転がした事。姉さんが作ったコポがあまりにも可愛らしくて、ずっと抱っこして過ごしていたら姉さんがコポを取り上げて『あたしのシャンテなの!』って大泣きした事。
 記憶を失う前の、たくさんの思い出。こんな幸せな記憶を忘れているだなんて、嫌だなって思ったの。
 でも、どんなに頑張っても思い出す事ができない。
 姉さんの優しさに甘えてばかりじゃいけない。
 だから、幸せな思い出を作っていきたいって思ったの。
 記憶を失う前の私は、歌い過ぎて枯れた喉をラウラの花の蜜で癒していた。喉の調子が良くなったからって、歌が上手くなる訳じゃない。それでも、自分で選んでここに来た記憶は、今の私のものだって思うと誇らしかった。内緒でここに来ちゃった事は、後で姉さんに謝らなきゃいけないけど、それすらも楽しみに思えるくらいだった。この花をネジガラミのお茶に浮かべて飲んだら、美味しいかしら?
 小瓶の半分くらいまで溜まった蜜から視線を上げると、花畑の向こうでレナートさんが立っていた。籠の上にはボミエの魔法陣が縫い付けられた布が掛けられていて、花の鮮度が落ちないように摘んだ花を包んでいる。ふっくらと膨らんだ布の収まった籠を片手に、レナートさんは海を見ているようだった。
 私が花畑の脇を通って近づけば、彼の視線の先に何があるか分かった。
 青々とした海の果て、水平線の上に塔らしきものが浮かんでいた。ずんぐりと太くて屋根が丸い塔へ目を凝らせば、囲むように細い塔が寄り添っている。そんな塔を臨む岸壁には、一つ真新しい墓が建てられていた。
「こんな所にお墓があるのね」
 レナートさんは近づいた私に、驚いたように振り返った。

一応、レナートくんは文字読めてるということで。
たしか8あたりから、DQ独自の文字(アストルティアではレンダーシア文字)が確立してるっぽいので。

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