ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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エテーネ村の入り口から少し奥まった場所広がる畑の先に、ルアム君の家がある。
元々、彼と兄のテンレスが暮らしていた家がその辺りにあったからじゃろう。斜面を利用して三つの家が段違いに接続した形になっており、最も下は台所を兼ねた熱源であり共有スペースじゃ。共有スペースの上にある二つの家は男女別にルアム君の友人達の部屋として割り当てられており、真上の男子部屋は天井から無造作に吊るされたハンモックやら床に置かれた荷物で雑然としておったの。
広めに作られた共有スペースであるが、集まった人数でやや手狭に感じる。家の真ん中を支える大黒柱を囲むように設られたテーブルからは溢れんばかりに御馳走が乗っておる。ハツラツ豆と米を炊き込んだご飯は接妙な塩加減のおむすびになって並び、山盛りの川魚のフライの隣で、ミートグラタンがぐつぐつと音を立てる。新鮮な牛乳と野菜達を煮込んだシチューが木製のお皿で目の前に並び、スライスされたびっくりトマトとチーズがテーブルを華やかに彩る。果物がふんだんに使われたタルトが、さまざまな大陸の酒がキラキラと魅惑的な輝きを放った。
それぞれに席に座れば、どうぞどうぞとグラスに飲み物が注がれる。
「ではではー! エテーネ村復興事業がひと段落記念にかんぱーい!」
料理を作ったイサーク君が冷めて不味くなる前にと、先手で乾杯の音頭をとってしまいおった。一斉に乾杯とグラスが打ち合い、ご馳走に舌鼓を打つ。はじまった賑やかな宴会の合間に、復興のよもやま話が溢れ出す。
『湿度が多いからウェナ風の建築が良い』『気候が似ているからエルトナ式だ』とか『夜は冷えるからオーグリード式が良い』『いや、そこはドワチャッカだろう』とか『陰鬱な空気をちょっとでも明るくしたいじゃん!プクランド建築一択!』『人の規格に最も適しているのはレンダーシア方式です』とか大喧嘩した棟梁達が、木工ギルドから派遣されたエルフの親方の一喝で山の向こうに吹き飛ばされた話。やや脚色が過ぎると思ったが、ツバクロの一喝ならそれくらい吹き飛びそうじゃな。
「まさか、エルフの裏社会を牛耳るという燕組の親方が、家を作りにくると思いませんでしたわ。しかもその腕前は城お抱えの宮大工に匹敵するものですのよ」
見事なものでしたわ。そう唸る横で、エールを仰いだドワーフが頷いた。
「この村の環境に合わせて、それぞれの大陸の技術のいいとこ取りの家を建ててしまいおった。まさに職人冥利に尽きるというもの。技術者としても羨ましい限りじゃったわい」
村の周囲を取り囲むように石垣を築く大変さは、強靭なオーガでさえ音を上げる。以前の村は石垣がなく獣や魔物が入り込んで作物を荒らしていたが、村が広いが故に木の柵がせいぜいだった。オーガの腰くらいの高さの石垣であれば、猪やスライムといった小型の魔物の侵入は妨げられるだろうと石垣の設置が始まった。幸いにも材料の石は村の瓦礫を利用できたが、運んだり魔物に襲われたり大変であったことをしみじみと語る。
「ダズニフが来て一気に仕上げてくれなければ、ギルが家出してしまうところだった」
「いっそ腰をやったら村で療養出来るって企んだけど、エステラがベホマ唱えてくるしさぁ」
ようやく村人が飢えることなく生活できる基盤が整い、外貨獲得の為に商人達が息を荒げているという。大量に収穫できるハツラツ豆を、特産品として売り出す話が進んでいるらしい。イサーク君や勇者の盟友であるピペちゃんが商品開発に勤しんでいるそうじゃ。
「ヤクウさんは僕がいない間の留守を守って、ナルビアとの調整もしてくれています。商人の方々は、テンレス兄さんに命を救われた縁で村に来てくれたんです」
そう言いながら、ルアム君はワシのグラスに酒を注ぐ。
「本当に色んな人に助けられて、今のエテーネ村があるんです」
「そりゃ、そーだけどさー」
ルアム君の隣に座った、同じ名前のプクリポがあざとく首を傾げて言う。
「相棒がやるって言ったからだよ。どんなイベントも『やる!』って言う奴がいねーと、始まりもしねーもん」
「やる 言うだけ 誰でも できる。やり遂げる 難しい。すごい こと」
その場の誰もが深々と頷くのを、主役の少年は照れ臭そうに笑う。少年は果実を絞ったジュースで満たされたコップを置くと、ワシの隣に座った孫の後ろに回り込んだ。シンイさん。決意を秘めた声が、周囲の賑やかさを押しつぶす。
「僕、テンレス兄さんを探しに旅に出たいんです」
想像以上に順序よく進んでいます。
そうだよねー。村のことひと段落しなきゃ、旅に出ようなんて思えない。ナドラガンド編は仲間の大事な人が誘拐されて、それに兄が関わってたから形振り構わなかった。しかし、この世界のどこかにいる兄を探すというぼんやりとした目的のために旅立つなら、しっかりもののルアム君ならキリの良い状態で引き継げる環境にしてからいきそう。偉いなぁ。
元旦に地震があり、二日目は羽田で飛行機事故とか痛ましいことが続いております。
自分も二日目は風邪で完全に伏せっており、三日目はどうにか治して家人の入浴介助と散髪を行なっております。四日目は職場の有給が消化終了になるので返却物と退職時の書類一式をいただく予定となっているのですが、急遽友人の手伝いが連続三日で発生します。
…………なんだか、仕事してるより忙しい。
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