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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000027491

ファーーーーーーー!!!!!(クリア直後の心境)

世界観の良さに買いました、インディーズゲーム。荒廃した世界をデカイ車(ゲーム紹介では船)みたいなのを運転しながら進んでいく、横スクロールの………アドベンチャー? た、探索ゲーム? なんにせよ風景と音楽がいいので、雰囲気浸りたい人はきっと好きになれます。

海外のインディーズゲームなのですが、ゲーム中に言語一切必要ないくらい説明がございません。
でかい車を動かすのも、ものは試しで体当たりの度胸が必要です。自分で切り開いていく感が凄いです。最初、燃料が分からなくて詰みましたが(ファーー!)、二回目は燃料なるものの存在も分かったので大丈夫!長い長い旅路の始まりです!動かして拡張されていったりすると、何だかいつの間にか良く分からなかった車の存在が誰よりも分かってるんだぜ俺は!って心境になれるのが良いです。
障害物を車から降りてどかしたり、時々火事を消したりしながら、何処へか主人公もプレイヤーもわからない旅が続きます。
風景がとにかく綺麗。荒廃した世界の儚さ、変わらぬ自然の美しさに感動しながら進みます。慣れてくる、もしくは二週目になると車の遅さが気になってしまうかもしれません。ぜひ一度目で全てを味わう気持ちでぶつかって欲しい。
ノーヒントの厳しい仕様ゆえに、割と攻略できないところは攻略できない(ファーーーーーー!!!)
特に大きな乗り物の大火災と、火山は何度も死にました(ファーーーー!!!!)
火災はとにかく消火で消えるので、頑張ってホース引っ張りましょう。
火山は最速で逃げ切りましょう。全ての手段を駆使して、最速の人類を目指すのです!

そして最後に行き着く先…………

まさに海外ゲーム!!!!ファーーーーーーーーーー!!!!
The First Treeも似た様なクリア感だった!もう外国人はこういうの好きなんだねって吠えちゃう!良いんだよ。ここに至るまでの美しさも冒険も素晴らしかったから、そんな終わりだって私は良いと思ってる!でも、日本と外国って違うんだなって思った!ファーーーーーーーーー!!!!!

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
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『青い鳥はさえずらない』に、以前取り下げた話を加筆して再掲載しました。今思えばそれほど悪い出来ではなかったのですが、当時はいまいちだったなぁーって思ったんですよね。
さらに今回更新した長年たどり着きたかった話を追加し、長い長いエデン編が始まるのですが、青い鳥もプロット制御をしている作品とは言い難いので、先が見通せていません。
しかし、プロット制御をしていることに、良し悪しというのがあるんですよね。
制御している話は筋が通って淡々と話を書き結果はまとまりの良い話が出来上がります。制御していない話は、書き上げると次の話がいくつも浮かんで、選んでいく楽しみがあります。結果はそこそこにいい話なのかもしれませんが、制御では閃かない話も浮かぶのかもしれないと思っています。
青い鳥は自分のために書いている話という面が強いです。出来ではなく自分の満足のために書くことができるのは、最高に娯楽していると思っています。

 そっくり。しかし、似ていない。オベリアの皇帝陛下は、そんな言葉を口の中に転がしておいでです。
 歴代の皇帝が代々執務を行ってきた机は、その長い長い年月など知らぬとばかりの真新しさ。木目の美しい天板は降り注ぐ日差しを受け、向かい合う皇帝陛下の顔を映す鏡のよう。側面を飾るオベリアの恵みを掘り込んだ彫刻には、塵一つありません。使い込んだ事がわかるのは、色白い肌が浮き上がるほどに深い飴色のせいでしょう。
 長身の男性が両手を広げればようやく端から端に手が届く、それほど広大な執務机の上は閑散としています。このオベリアの全ての訴えが寄せられる場所には、もうどのような言葉が集まっていたかも、この机に座っている主でさえ覚えてはいないでしょう。それもそのはず。クロード陛下は、大変有能なお人であらせられるからです。
 皇帝陛下は民の望みを、その望みの叶え方を良く心得ておいででした。民が声を上げる前に、その望みを察して対処してしまうほどの先見の明もお持ちであらせられる。冷徹な暴君のようなお人柄は賄賂もお世辞もお嫌いとあれば、貴族との癒着はない高潔の君。陛下の近くに寄ることもできない民は、皇帝陛下を賢王や聖人と敬っておりました。
 皇帝陛下は有能なお方。民の訴えを解決するなんて、彼にとっては造作もないことです。
 その宝石眼がひたと見れば、世界は魔力の流れを隠すことはできません。天が日照りや干魃の兆しを示せば、皇帝陛下は備蓄を命じられる。病が流行って空気が澱めば、その魔力を持って淀みを打ち払ってくださいます。恐ろしい魔物が現れたとあれば、傍に控える騎士に命じるだけで、あとは討伐を終えた報告を聞くだけです。強力な力を持った皇帝陛下の元、オベリアは発展を約束されておられるのです。あぁ、オベリアに祝福と栄光があらんことを!
 国を栄えさせる。皇帝陛下にとっては、打てば響く鐘のように、簡単で煩う必要のない問題であるのです。
 そう、皇帝陛下にとっては、国など大した問題ではないのです。
 一人娘であらせられる、アタナシア様の扱いに比べたら…。
 面倒だ。なんて面倒なんだろう。皇帝陛下がこの言葉を口の中に転がした回数の、なんと多いことでしょう。
 ここ数年という単位ではありません。この執務机にオベリアだけに留まらぬ近隣諸国の珍しい甘味の献上履歴、洋裁店のリストが乗り始めた頃合いからでしょう。チョコレートは別紙です。この書類には侍女達による採点がされていて、特に姫君がお気に召したもの、特に姫君に似合ったものが赤いインクで丸が付いておられる。まさに栄光への道へが約束された証です。そんなものは公務になんら必要ないことだと、名君たる皇帝陛下は当然ご存知。机の上に乗ったそれに、目を通すことはございません。
 しかし側近のフィリックスに、こう声が掛かれば、その店は皇宮御用達です。
 今日のアタナシアの服はどこのものだ? 今日のチョコレートはどこの店だ? 目を通す必要はございません。百聞は一見に如かずと申しまして、我らが賢王は文面や他人の評価に流されぬお人であらせられますから!
 執務室に差し込む日差しは金色です。木漏れ日ではない太陽から直にやってくる日差しは、大理石の床を白く溶かし、窓枠を漆黒に塗り替えるほどに鮮やかです。その日差しを見遣りながら陛下は口に転がす言葉を変えました。
 あんなに焦がれた女であったのに。
 声もなく、聞く者もおらず、ただ口の中で終わらす言葉。その言葉は飲み込むにも苦い意味を持っているはずなのに、皇帝陛下は眉一つ動かすことがございません。
 あの女に比べれば、安い命であったはずなのに。
 苦い言葉。苦い意味。それらを反芻した日々は、我々が想像するのも憚るほどに長い。
 なぜ、あの女よりも鮮明に目の前に浮かぶのだ。
 ぐっと口元を引き結んだ険しい陛下のお顔は、まるで世界の終わりを見るかのよう。陛下にとっては青天の霹靂のようなことでありましたでしょう。忘れる訳がない愛しい日々を忘れる為に生きてきた王様は、その通りになってしまった今に戸惑っておいでです。判断に間違いなどなく、正解しか選ばない王には在るまじき感情でありましょう。
 アタナシア。
 ついに声になった言葉を、陛下は知らず知らずのうちに、何百何千と呟いておいでです。陛下の寵愛を一身に受けた、オベリアの宝、アタナシア姫の名前です。陛下が、世界で一番彼女の名を口にしておいででしょう。
 自分が唯一思いの通りに行かぬ娘。
 王は目を閉じ、赤く染まったまぶたの裏を見ておいでだ。日を透かして視界を覆う己の血の色は、忘れかけている忘れたくない一人の女性の瞳の色によく似ているのです。面影の強く残る少女が、陛下の想う人と違うと分かるのは瞳が違うからです。宝石のような美しい瞳は、陛下が最も嫌悪したものであったからです。
 しかし、その瞳がこちらを見る。瞳を擁する全てが、愛しいものと瓜二つに微笑む。愛したものとは違うと、賢い王は分かっているからこそ、分たれた二人が並んで自分の手を取っているのを感じてしまうのです。
 あぁ。面倒だ。なんて面倒なんだろう。
 ノックが響いて、部屋の主の返事も待たずに開け放たれてしまいます。そんなことをするのは、世界広しといえど唯一人。オベリアの皇帝陛下の一人娘、アタナシア姫様です。美しい金髪の豊かな髪は可愛らしいリボンを添えてなお輝き、福与かな丸みを帯びた頬を優しく包み込んでおられます。茶の支度をした侍女達の為に、健康的な腕が勇しく扉を押さえておいでです。陛下がフィリックスと一声すれば、姫様の背後から赤髪の騎士様が扉を一緒に押さえます。
 侍女達が入室し、テーブルの上が瞬く間にティータイムの装いとなります。姫君は執務机に駆け寄ると、キラキラと宝石のような瞳を輝かせて陛下に言いました。
「パパ! 今日はアーティがお茶を入れてあげるね!」
「必要ない。侍女に入れさせろ」
 一瞥した陛下に、姫君はふくっと頬を膨らませました。机からぱっと手を離すと、まるで小鳥のように素敵なティータイムの空間に舞い降りるのです。侍女達が慌てふためくのを尻目に、お姫様は無邪気にポットを手にしました。
「大丈夫だよ! 正しい作法なら、火傷なんて絶対しないんだから! ねぇ、パパ、見てて!」
 二つ並んだカップに豊かな香りが注がれている。その様を真剣に見つめる、父親譲りの瞳のなんと愛おしいことか。皇帝陛下は姫君の姿を、じっと見つめています。こぼして火傷をしないようにと細心の注意を払い、自分のために茶を注いてくれることに満たされているのを感じてしまう。そして、顔が崩れてしまいそうになるのです。
 あぁ、面倒だ。自分の気持ちすら、ままならぬとは…。
 皇帝陛下は言葉を飲み込み、口元を引き締める。
 崩れた顔の下にどんな表情があるのかは、賢き陛下も存じ上げぬ秘密であります。


芸風。こんなもんでいいかなーって感じで、ブログに2個目。
2話セットで支部にでも上げて、雰囲気大丈夫か見ようかなーとか思ってみたりみなかったり。連載が韓国なのでファン層の反応も未知だし、連載中なので大丈夫かどうかも未知だし、みちみちでどうしようかなーって思ってる界隈であります。皆がスルーしてくれて、ステルス決め込めるならこのままサイトにも格納しちゃおうかなと思ってみたり。このお姫様になってしまった件。頑張ってるのは恋愛描写の練習ってのもあるんです。が、2話目書いて思った。果てしなく難しいと。まぁ、せっかくお題も設定したことですし、一定数は書いておきたいものです。連載中の作品だし、伸びしろあるでしょう!
いっそ刀みたいに新規は命を賭す覚悟で来たまえくらいの噂があるなら止めるんだがなぁー。

さて、電子書籍前哨戦として、漫画アプリで電子書籍の感触を確かめておりました。
そのうちブクログさんにも増えていくと思いますが、3月末くらいからチマチマと初めて色々読んでます。現在、自分がDLしているのはぴっこまさん。読みたい作品に対応しているアプリが、ここと後一つくらいしかなかったんです。いろんなツールがあるのですが、待てば無料になるという縛りが自分には合っている。あればあるだけ貪るように読んでしまうところがある稲野なので、ある意味リミッターとして機能してくれるありがたい機能です。しかも無料。じゅるり(大変嫌な客である自覚はある)

一応、読書は2作品のみ追いかけるという縛りで、1作品が読み終わったら(もしくは無理で購読やめる場合は)新しい作品を読み始めるというスタンスです。限界はまだ試していないですが、複数作品読めるみたいですね。消化不良になりそうなので、2作品追いかけで十分です。

ぴっこまさんは最新刊は無料ではないという流れが多く、最後まで無料で読みたいならそういうカテゴリー検索かけて探してくださいという感じです。人気の作品は1話以降は有料であったりと、無料の範囲は無限ではないようです。良いんです。ご商売ですもの。この作品は面白いかどうかを判断するには、十二分であります。
時間短縮アイテムもあるのですが、このアイテム、1作品に対して1日1回1時間短縮いという『時短とは』と深い疑問を投げかけてくれます。

そのうち、ついに本丸である電子書籍購入に踏み切ろうと思うのですが、どこが良いのやら…。
一応、ブックライブさんかなーって思ってるんですが、ここも良いよってお勧めあったら教えてください…!

「名前と歳はわかってるだろう? あと、何が必要なんだ? それ以外に俺を表せるものは、もう全部なくなっちまったのに」
 ルーカスはその言葉を口にして、寂しそうな顔をしたでしょうか? いいえ、ルーカスの表情は瞬きする目蓋以外は、何一つ動きませんでした。吐いた言葉を咀嚼して飲み込むように口元は引き結ばれていましたが、喉につっかえたような言葉が無事飲み込めたのでしょう。ルーカスは小さく息を吐いて、新しい空気を吸い込みました。
 そういうお前は…。少年の姿のルーカスは、吸い込んだ空気を言葉に変えます。
「最初に友達になりたい人に、なんて自己紹介するんだ?」
 可愛らしいお姫様。アタナシア姫が悩んでいるのを後目に、ルーカスは手元の歴史書に視線を落としました。ルーカスの知っている人を表現する文章は、分厚い本一冊分にも及ぶのです。小さい福与かな手では持て余す厚みと重量感に、ルーカスは自分のお腹の上に本を載せてソファーに身を預けて眺めています。とてもお姫様のお話相手には相応しくない姿勢ではありますが、お姫様はそれを咎めることはありません。
 ルーカスにとっては、お姫様はこの国の偉大なる王の娘という認識ではありません。
 どのような認識か。それを口外したならば、王の寵愛を受けている姫への不敬罪で、国王陛下直々に首を跳ね飛ばされてしまうでしょうね。こわいこわいと震え上がる暇すら、与えてくれぬかもしれません。
 当然、ルーカスはそんな失態など犯しません。
 お姫様とてお聞きでしょう。実行した事がないのでピンとこないかもしれませんが、彼はオベリアというこの国を、消してしまうほどの力を持った魔法使いなのです。実感が湧かぬかもしれませんが、誰もが治せなかったお姫様のご病気を治療した唯一の存在なのです。それだけでも、斗出した能力をお持ちだとわかってくださるはず。でも、お姫様も素直でいらっしゃらないものだから、なかなか思い至れないのでしょうね。
 小さいお姫様には広すぎるお部屋。広すぎるエメラルド宮殿。広すぎる王宮。同じ年齢にまで幼くなったルーカスにとっては、掌にくっついたクッキーの欠片のような狭い世界です。そこが、色々と便利で都合がいいからと、ルーカスはお姫様の前のソファーに座ることにしたのです。
 お姫様の部屋に立派な書見台が運び込まれた日。お姫様の本棚が新調された日。新しい本が届いて、護衛騎士と侍女達が本を本棚に収めた日。ルーカスはお姫様の横で同じものを見ています。たくさんたくさん勉強に熱意を傾けるお姫様の賢さは、溺愛する王の囲いを飛び越えて市井に知られるようになります。
 ルーカスはお姫様の隣にいる時間を少なくしましたが、長い目でみれば、そうした方が隣にいる時間が長くなるでしょう。それに隣にいる事がルーカスにとって大事なことではありません。このオベリアという国は、この世界でさえ、ルーカスにとっては掌のクッキーの欠片のように小さいからです。
 今日も年齢不相応の難しい専門書に向かい合っているお姫様に、ルーカスは久々に問うてみようと思いました。
「そういえば、お茶会するんだってな」
 うん。そうよ。お姫様は書物に集中していても、きちんと言葉を聞いています。
「最初に友達になりたい人に、なんて自己紹介するんだ?」
 ルーカスの言葉にお姫様は顔を上げました。宝石眼という、皇族だけが持ち得る美しい瞳がルーカスを見ました。どんな晴天を閉じ込めれば、どんな美しい海を閉じ込めれば、そんな瞳になるのだろうと誰もが疑問に思うほどに美しい瞳。色褪せることも曇ることも濁ることもない、まさに美しいを閉じ込めた宝石のような瞳です。その瞳を覗き込むだけで、世界一美しい空も、世界一美しい海にも訪れた気分になれるのです。
 ルーカスはそんな瞳を見つめ返して、にんまりと意地の悪い笑みを浮かべて見せました。
「あの時のお前、答えられなかったじゃん」
「誰のせいで答えられなかったと思ってんのよ」
 あの後、お姫様は散々な目にあったのです。気まぐれなルーカスによって空に放り出され、可愛らしい男の子とお話しできた喜びよりも、誰も助けてくれない環境に放り出された不安で心臓が爆ぜる思いであったでしょう。勢い余ってルーカスを殴ってしまった姫有るまじき結末を見ても、答える余裕などありはしないでしょう。
 最年少の皇宮お抱えの魔法使いであるルーカスは、気怠げにソファーに身を横たえます。あどけない柔らかさが残る頬が、枕代わりにした腕でふんにゃりと潰れます。
「でも、お茶会では必要になるんじゃないの? 自己紹介」
 う。お姫様は言葉に詰まります。
 第一、お姫様には自己紹介など必要ありません。誰もが彼女がアタナシア姫だと知っていますし、知らぬ者も瞳を見れば皇族に連なる者だと分かるでしょう。国王の寵愛を受けた、オベリアの宝と称される美しいお姫様。複数の言語を流暢に話し、難解な学術書を読破する博識ぶりは、幼少の神童という噂から事実に変えたのです。そんなお姫様に自己紹介なんて、必要なのか、彼女自身もわかりません。
 お姫様の喉に詰まった心の内など意に介さず、ルーカスは言葉を続けます。
「ま、自己紹介なんて出来ないか。一人突然発狂して枕叩いたり、船に乗ったは良いが足だか手だか滑らせて池に落ちた回数は一度じゃないんだってな。エスコートした父親やダンスを申し込んだ相手、さらには落としたリボンを拾ってくれた善良なレディーの足まで踏みつける。チョコレート好き過ぎて虫歯になったこともあったんだっけ? あとは…」
 ぺらぺらぺら。まるで頁を指先で繰るように、言葉は止め処もありません。
 そんなルーカスの柔らかな黒髪を目指して、お姫様は椅子を降り、ずんずんと淑女ならざる足取りで迫ります。白い手がぎゅっと握り拳を作ったら、塔の魔法使いを表す肩の紋様に勢い良く落とします。ぽかり。そんな気の抜けた音のするような軽い拳ですが、お姫様の全力です。
「もう! いい加減にしてよ! そんなに言うことないじゃない!」
 逃げようと体を起こしたルーカスの隣に、お姫様は飛び込むように座りました。柔らかいクッションが跳ねて、まだまだ幼さの残る二人の体がぽんと跳ねました。逃げるタイミングを逸したルーカスは、そのまま羽のようにこそばゆい拳を受け続ける羽目になりました。
「ルーカスは性格悪すぎるわ! 誕生日の深夜にレディーの部屋に入ってくるし、相変わらずクロを食べようとするじゃない。クロはルーカスが舌舐めずりするだけで、震え上がって逃げちゃうのよ。もうちょっと、可愛がってあげたっていいじゃない。世界最強の魔法使いだって自意識過剰だし、カッコイイって自分で言っちゃうし…! 今みたいに、すっごく意地悪だし! あぁ、もう! 挙げたらキリがなくなっちゃう!」
 お姫様もお姫様。ルーカスに負けない滑らかな毒舌です。
 これだけ言ったら言い返すのがルーカスという、意地悪なお姫様のお話相手。どんな嫌な気分にさせてくれる言葉を言い返してくるのやらと、どこかで身構えていたお姫様はいつまで経っても何も返ってこないことに気が付きました。大きな瞳がようやく冷静にルーカスを見たら、彼は顔を掌で軽く覆って肩を震わせています。
「なにが可笑しいの?」
 名前と、年齢。それだけが、彼に残された全てでした。彼が自慢げに誇る魔法の才能も実力も、もう、誰も覚えていません。忘れられてしまったら、覚えている者が誰もいなくなったなら、もうそれは本当か嘘か想像かすら判別できぬものなのです。それならいっそ、無いことにしてしまえば良いと思っていたのでしょう。
 でも、もう、お姫様の中のルーカスは、名前と年齢だけの存在ではありません。それだけで、満たされて温かい気持ちになるのです。
「必死すぎて顔が真っ赤で、変な顔だなぁって」
「ルーカスの馬鹿!」
 ルーカスは甘んじて拳を受ける。痛みも感じないのに、いたいいたいと戯れ合いながら。
 

さて、ピッコマというアプリを入れて現在追っかけている『ある日、お姫様になっていた件について』の二次創作ですぞ!
お題はリリギヨ様 http://8b724a.webcrow.jp/0609/rose.html
久々に三人称が合いそうな原作が来ました。今後の展開解釈で私の予想が正しければ、この三人称はハマる。

ぴっこまさんは一コマずつぶつ切りの縦読み漫画ですが、この漫画は韓国で連載しているやつらしいので左から右への流れらしく、それだけで本媒体購入を躊躇ってる作品です。この漫画、なろう系のタイトルよろしく中身も安定のなろうっぽさなのですが、まぁ、だからこそ頭空っぽにして楽しめる作品であります。漫画的技量は抜きにして、とにかくキャラクターの美麗さと、キャラクターの反応の愛らしさをひたすら浴びてく漫画。最近ようやく面白いことになりそうな転調期で、これからが大変期待できます。

少しこちらで寝かせて、この芸風(芸風って言っちゃう!)で良いなら支部にでも上げようと思います。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
お返事は直にお返ししております!届いていなかったらご連絡を!ありがとうございました!

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