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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 あの昏倒から戻った直後にランドインパクトを放つだなんて、なんという無茶を…! 余がガノに駆け寄っている間に、べたりと尻餅をついてしまいおった。辛そうにハンマーに凭れ掛かったと思ったら、次の瞬間大声で笑いだしおった。
『ピピピ! ガノ アタマ ウッタ! アタマ オカシイ!』
 それは大変だ! 顔を覗き込んだ余の肩を、ガノは掴んで抱き寄せた。
「いやぁ、ビャン君! 大したものじゃ。本当に大したものじゃよ、お主は! ビャン君の成長が、こうも嬉しいとは! 笑いが止まらぬわ!」
 耳元で爆ぜ続ける笑い声に、とりあえずガノの無事を認識してホッとする。暖かい息を一つ吐けば、胸が熱くなるのを否応に感じる。
 ガノは余が目覚めて初めて出会った存在じゃった。今思い返せば世間知らずで、赤面する記憶しかない。戦えぬばかりか、歩く体力すらない。日々、疲労困憊しておった余が不満を零しても、暖かい親のような眼差しを向けていたのを覚えている。そんなガノが、賴き者を見る目で余を把えておるのが誇らしかった。彼の眼差しが、己の成長を認識させてくれる。
 嬉しかった。こうも嬉しく感じる事が出来る今が、非常に尊く感じる。
「すみませんでしたぁ。トーマ王子の墓に手を出したのは、ほんの出来心なんですぅ」
 瓦礫の隙間から、賊の長の情けない声が聞こえてくる。
「王子が死んで王家の墓に棺が移された時、確かに棺にゃあお宝がザクザクだろうって勇んで向かいましたよ。でもね、そんときゃあ、盗めるだなんて思いもしなかったんです。だって、歴代勇者すら眠る墓所ですぜ? 盗人が入れるわきゃぁないって思ったんですよ」
 完全に涙声である。先ほどの威勢はどこに行ったのやら。呆れる余の前で、弁明はまだ続く。
「でも、扉が開いていたんですよ。開いた扉からよく見えないけど、誰かが出てきてどこか行っちまいましてね」
「扉が開いてたら、入っちゃうじゃーん」
 その気持ちは分かる。そう呟いたガノの脇腹を突く。ガノは一つ咳払いして、瓦礫の下に問いかけた。
「で、トーマ王子の副葬品だけじゃなく、ご遺体にまで手を出しおったという訳か?」
「は? 遺体に手を出す訳ないでしょ! 墓荒らしても、人権荒らすなってモットーが砂漠の土竜にはあるんだからね!」
 女の甲高い否定に、ガノが『本当かね?』と念を押す。
「本当ですよ。王子の棺は最初から蓋が開いていましたし、遺体はどこにもありませんでした」
「でも棺の中はお宝はざっくざっくだったからー、かっぱらって売っちゃったんだー」
 ワンゲ、余計なことを言うんじゃねぇ! 鋭い叱責と共にぼかりと叩く音がする。
「盗掘団は解散して悔い改めますんで、どうか! どうか、見逃してくだせぇまし! おねがいします!」
 瓦礫の中から盛大な泣き声が響く。流石にこちらからは影になっておって、涙を流しておるかまでは確認できぬ。しかし、演技だとしたら相当の役者であろう真に迫った訴えだ。ガノはどうするのであろう…?
「砂漠の土竜よ。アラハギーロの独房の飯も、なかなかに美味いぞ。我輩のオススメはビッグサボテンのフライじゃ」
 ふらりと立ち上がり、来た道を歩き出す。そこで余は気がついた。複数の人間がこちらに慌ただしく向かっている足音が聞こえてきた。ピラミッドの警備を行う、アラハギーロ王国の兵であろう。あれだけ大きな音や振動を起こした為に気がついて、確認に向かっておるのだろう。
「え? 置いてっちゃうの? そりゃねーですよ! ほんと! たすけてくださいよー!!」
 助けを求める声はいつまでもいつまでも、余の背に訴え続けていた。


割とガノさんも50歩100歩な所あるけれど、彼の場合は相棒の方が盗人気質が強かったのです。若い頃のガノさんは技術は凄いけど世間知らずなところもあったので「これを売らなければガタラ豚まん一個も食べれず野垂れ死ぬぞ」とか言い包められて、遺物横流しを見過ごすしかなかったところあります。
もともと、盗掘関連の連中にも大らかな方です。
いつもなら見逃してあげちゃうんですが、トーマ王子の遺体を持って行ったのが彼らではないという証言をさせる為にアラハギーロに引き渡します。さらにその証言の重要性から、丁重に扱われるだろうということも予測済み。ただし副葬品を流したので、そこらへんのいざこざを彼らにきっちり被ってもらいます。

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 賊はこちらに完全に気がついた。巨大な魔物は賊の仲間なのか、とても落ち着いた様子でこちらを見ている。
 賊の長らしい年配の男は、身嗜みが滞った貧相な顔を歪ませた。鼻に掛かった、明らかにこちらを見下していると分かる眼差しと声を向けてくる。癪に触るが堪える。余は寛大であるからな。
「…あぁん? グランゼドーラの王家の墓を荒らしませんでしたってかぁ? あぁ! 荒らしてやりましたとも! 王子様が死んだって大声で宣伝してりゃあ、最新のお宝がココにあります取りに来てくださいって言ってるようなもんじゃねぇか!」
 これが盗賊の言い分であるのか…頭が痛くなる。
「お宝はぜーんぶ売りさばいちゃいました! もう返しませーん!」
「団長はこのピラミッドのお宝にご執心なの。邪魔立てしないで欲しいわ」
 長が長なら、手下も手下。悪事を働いたという認識すら欠如していると言わざる得ない。
「価値だ何だと言うんなら、当然見てきたんだろう? あの空中に浮かんだ部屋、がっちり閉じられた絢爛豪華な黄金の扉をよ! あの奥で、すっげえお宝が俺を待ってんのさ! 据え膳食わぬは漢の恥! 伝統だ歴史だって飾ったまんまの方が愚かだと思うぜ!」
 ガノが魔物の爪を弾き、その脇腹にハンマーを叩きつけた。魔物は飛んで衝撃を逃したらしく、巨体からは想像もつかぬ身軽さで賊の傍に飛び退る。ガノは怒り心頭とばかりに言い放った。
「実に下らぬ! あの扉が開かれる為には、いくつかの条件が満たされねばならぬ。その工程がアラハギーロの歴史にどれほど食い込み、どれほどまでに彼らの信仰において重要か勉強してから出直すがいい!」
 トンブレロにホワイトパール。盗っ人ウサギに説教。まさに諺を体現したかのように、賊の長は面倒臭そうな顔で耳穴を穿る。手下共も呆れ顔でガノを見るばかりだ。
「学者かぁ? 偉そうに。ま、扉の開け方知ってるっぽいし、その方法が話したくなるようにしてやるとするか」
 長が『クレイブディガー!』と魔物に声を掛けると、魔物は待っていましたとばかりに顔をニヤつかせた。砂でゴワゴワになった体毛が顔をより大きく見せ、わずかに開いた口からはぞろりと並んだ鋭い牙。隙間から滴る涎が、獰猛さを如実に語る。
「そいつらを痛めつけろ! 殺しちまっても良いぜ!」
「返り討ちにしてくれるわ!」
 真っ向から打つかる火花。しかし、グレイブディガーと呼ばれた魔物の手数は、なんと4本! ガノのハンマーを受けた腕が2本であったなら、残り二本が悠然と振り降ろされる。余はとっさに地面に両手を付く。
「磁界シールド、展開!」
 ガノの足元にパッと光が灯ったと思った瞬間、空間が揺らぐ。白い砂が震え、次の瞬間砂の中に埋もれていた金属が次々と飛び出した! 魔物は振り下ろそうとした攻撃を中止し、大きく下がろうとする。
「逃げるでない!」
 ガノのキャンセルショットがグレイブディガーの足に当たり、巨体は空中でバランスを崩し転倒する。例え何本も手があろうと、立て直すまでの数秒という時間はガノにとって会心の一撃を準備し叩き込むには十二分な時間であったろう。大きく振りかぶり振り下ろそうとしたガノに、手下の女がメラを放つ。
「レプリア! 賊の攻撃を妨害せよ!」
 ピピピ! レプリアから電子音が響けば、鋼鉄の鳥は流星のように闇を飛び、賊の頭上から流星群を思わせる耀く羽の雨を降らせる。妨害と命令したから殺傷能力はないが、魔物に任せてばかりで戦い慣れしていない賊は慌てふためいた。
 この隙に魔物を叩いてしまおう、そう視線を戻す。
 メラを避ける為にバランスを崩しながら地面に降りたガノの足元に、シバリアの魔法陣が展開される。グレイブディガーがバランスを崩して転倒した瞬間に設置したのか、今にも発動するまでの状態になっていた。ガノが一瞬躊躇う。その一瞬が明暗を分けたかもしれぬ。攻撃をする選択をしたガノは、グレイブディガーに振り下ろそうとした攻撃をシバリア発動で隆起した地割れに足をすくわれてしまう。それを考慮した一撃は、それなりの攻撃力を伴って繰り出されるはずだった。
「!?」
 グレイブディガーがいた場所で、シバルンバの呪文が発動した! グレイブディガーの巨体に隠れていて見えなかったのだ! ガノは魔法陣の中心で、最大威力の呪文を食らってしまいおった! 大きく振りかぶった太い腕に余の所まで吹き飛ばされる。
「ガノ!」
 倒れたガノを抱き起こすと、地面を呪文が走る。展開したシバルンバの輝き。昏倒しておるガノを『天翔るアストルティアの未来号』に乗せて逃がそうにも、余の力では持ち上げる事は出来ない。このまま呪文を食らってしまっては、戦闘不能は免れぬ…!
 余は両手を地面に付ける。他人が構築したシバルンバの術式が脳髄を貫く。歯を食いしばり、シバルンバの術式を読み取る。『良いですか、皇子。術式とは呪文という見えない力を、符号に変換したものです。正しく理解すれば、術式を無効にすることも、自分の都合の良いものに書き換えてしまうことも出来ましょう』穏やかで確信を述べる声色。あぁ、老師。貴方はいつも余を導いてくれる。全ての符号が解析できた瞬間、まるで砂嵐が去った青空のような清々しさが広がる。
「コード解析、完了! 解除!」
 消えた魔法陣の輝きに、賊が驚いている暇はない。今度は賊の足元に、シバルンバが展開したのだ。
「展開! 実行!」
 逃げる隙はレプリアが作らなかった。レプリアは搭載された魔導砲の収束をあえて行わず、雨のように放って賊を十二分に足止めしたのだ。
 決まった。そう思った瞬間、敵の前に見慣れたずんぐりとした影が躍り出た。にいっと笑った口元が、三日月のように輝いた。動揺した敵を前に、十分に溜め込まれ準備された会心の一撃。それはランドインパクトとなって、発動したシバルンバと同期した。砕ける大地と共に、敵は粉砕され、瓦礫に飲み込まれていく!


この時点で、稲野、道具使いやってません(爆)
おごごごご。だって110解放しちゃったんだもん。僧侶とかメイン攻略職業、カンストしなきゃいけないじゃん。ごふごふ。
ですけど、書いててすごくかっこよかったし、すごく使えそうな職業だなぁって思ったので魔法戦士の次くらいに育てる職業にしたい。


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 終わる事なき回廊に果てが見えた時、そこは白い砂と瓦礫が広がっていた。ピラミッド内部の大空洞の最下層からは、巨大な正八面体が浮かんで見える。黒曜石のような艶のある黒い石に、金の細工が魔法陣となって輝いている。あそこがこのピラミッドで最も神聖な場所であるのだろう。どのようにたどり着き入るのか、見当もつかぬ。
 無味乾燥した空気に、肉を焼く匂いが混ざる。焚き火の光が、この死者の眠る地の底に溜まった暗闇を焼べるように照らしている。人影が踊り、酒を飲んでいるのか上機嫌な笑い声が舞い上がる。
「ビャン君。ドルボードに乗って良いぞ。ここから先に、罠はあるまい」
 戦いになるやもしれぬ。ランプを消しボルカノハンマーを握ったガノに、余は小さく頷いて『天翔るアストルティアの未来号』に乗った。
「あの頭上の部屋にはすっげえ宝が眠っているはずなんだが…どうやって入ったもんかなぁ」
 渋い男の声に、若い男の声が『おったから! おったから! すっごくほしいなぁ!』とはしゃいだ。
「もう一度、あの部屋に呪文を放って落とせないか、試してみましょうよ。ねぇ、モルバ団長」
 思わず身を固くした。ガノが一瞬にして殺意を滲ませたからだ。頭上の正八面体は、ピラミッドの最も神聖な場所を守るだけの部屋ではない。あの存在そのものが芸術であり、ピラミッドの歴史的価値の一端を担っておる。それを呪文で撃墜するなぞ、とんでもない…!
 だが、ガノは堪えた。『そうそう! やっちまいましょうよ!』という囃しを聞き流し、じっと殺気を堪えている。それも団長と呼ばれた男が、まだ賛同しておらぬからであろう。
「そうだよな! ワンゲ! ジドラ! やらないよりは、やっちまえ! 砂漠の土竜のモットーだもんな!」
 目の前の砂の山が爆ぜた!
 ガノは一瞬にして飛び出し、そのハンマーで賊を叩き潰してしまったと思った。過去の遺産や遺跡に並々ならぬ情熱を注いているが、頭に血が上り人まで殺めてしまうのであろうか! 舞い上がった砂塵が収まれば、白い砂に鮮血や肉片が花畑のように散っておろう。余はそう覚悟した。
 しかし、砂塵が収まれば、ガノは巨大な魔物と鍔迫り合いをしておる。魔神兵を思わせる巨大な影の中で光る白刃のような爪が、ガノのハンマーを受け止めたのだ。驚いた賊の悲鳴が短く上がる。
「これほどまでに素晴らしい遺跡を損壊せしめようとするなぞ、聞き捨てならぬ! 頭上の部屋の価値すら分からぬ愚か共め! グランゼドーラの王家の墓を荒らしたか聞こうと思ったが、止めじゃ! 今すぐ砂に埋もれて死ぬがいい!」
『ピピピ! ガノ! バカ! センセイ ノ チャンス ツブシタ!』
 こればかりはレプリアの意見が正しい。


この転売ヤー精神丸出しっぽい盗賊共、一見さんじゃ可哀想だよなぁって思う今日この頃。
アストルティアの必要悪は、ツバクロ組が一番好きです。ツバクロさんが好き。出入りがあっていつも忙しいツバクロさんも、カンナさんの所には出向いてくれるので大工職人レベル上限イベントが楽しみです。

 ガノはそう高笑いをして、余が乗っていた『天翔るアストルティアの未来号』にレプリアを乗せた。小さく起動音を響かせて床から拳二つ分浮かんだ機体を見つめ、ガノは小さくうなずいた。鞭を解いで先ほど落ちた幻の床を打てば、鞭の先端が床に飲み込まれてしまった。
「ドルボードは乗らぬほうがいい。未知の場所では、こうやって先を払って罠を見破りながら先へ進むものじゃ」
「なるほど…」
 『天翔るアストルティアの未来号』を自動追尾モードに切り替え、余はガノの後について歩き出す。
 アラハギーロ大砂漠ほど、現在のドワチャッカ大陸を彷彿とさせる景観も少なくはなかろう。見渡す限りの黄金の海原、頭上を覆い尽くす蒼天。風向きによっては潮風すら感じられる風気は、ドワチャッカ大陸、とくにゴブル砂漠の西側を思わせてくれる。巨大なピラミッドは、どこかドルワーム王国に似た影を金の海に投げかける。
 ピラミッドは太陽の民アラハギーロの歴代の王の墓であるそうだ。歴代の王はこの地に、それぞれの王が誇る至宝を共に埋葬した。強大な魔を討伐した武器が、民を救いし奇跡が、世界中の民が富める程の黄金が王と共に眠っている。
 それゆえに盗掘は絶えぬのだろう。このピラミッドの内部の砂は、外の黄金でなく、白い。それらは賊の成れの果て。さらにそれが長い年月で砂になってしまったものであろう。
「しかし、グランゼドーラの王の子の墓を暴いた賊が、本当にこんな所に潜んでおるのか?」
「『こんな所』! ガテリア皇国の第一皇子ビャン・ダオが褒めて遣わしたと、彼奴等に教えてやらねばな!」
 カラカラと笑うガノだが、余は不安だ。
 グランゼドーラの賢者が特別な聖なる種火を灯したお陰で迷いの霧は薄れ、グランドタイタス号がグランゼドーラに向かうことが可能になった。その第一便に飛び乗って、余はガノに会いにやってきた。危険な地に赴いた彼を心配していたが、全くの杞憂。息災な様子で心の底から安堵したのを覚えておる。
 そんなガノは賊を追っておった。国を民を守り抜いた王子の墓を暴いた不届きものじゃ。余の用事よりも、その王子とご家族の無念を晴らすべきであろうと、共にここにやってきた。ガノはそれを『観光』と言ったが。
「『こんな所』であるからこそ、警戒が緩む。ビャン君が不安に思う事はない。全て我輩達が圧倒的に有利じゃ」
 ピッとガノの太い指が一本立った。
「暴かれたトーマ王子の墓の周囲は、砂が落ちてザラついていた。そこでアラハギーロ地方を根城にする者だろうと、見立てを立てた。流した副葬品から賊を辿り、情報屋に金を握らせて賊のアジトを特定した。もはや彼奴等は丸裸も同然。このガノから隠れ果せる裏社会の者などおらぬ」
「な、ならばアラハギーロやグランゼドーラの兵に任すべきだ。そちが動くより、筋が通るというものであろう?」
 実際に賊を追わねばならぬのは、グランゼドーラだ。賊が潜んでいるならば、捕らえるべきはアラハギーロだ。一介の旅人が負うべき責務ではないし、政治的な面では拗れかねない。余の問いにガノも、『確かにそうじゃ』と頷いた。
「じゃがなぁ、ビャン君。主なら分かる筈じゃ。墓とは、棺とは、どれだけ神聖なものか。それが暴かれぬ為に、どれだけ厳重な封印が施されるか…」
 ドワチャッカ大陸では古くから棺は、神聖な器であった。時を止め、蘇るその時まで遺体を保存する特別なもの。
 このピラミッドとてそうだ。長き歴史を誇る太陽の国の王が眠る場所として、巨大で、特別であるのだ。こうして内部を歩いているというのに、部屋一つにも入ることが出来ぬ。マヌーサの落とし穴の罠だけでなく、何かから見られている気がする。まるで巨大な生物の胃の腑にいるような気分になる。グランゼドーラの墓がどのような封印で施錠されているかは知らぬが、それでも王族等の限られた存在しか立ち入れぬようにしてあるはずだ。
 特別を守る為には、簡単に破られてはならない。
「グランゼドーラは勇者の国。勇者の遺体は強力な呪力の依代じゃ。かの王家の墓の封印が、たかが賊に破られるとは到底思えぬ。我輩が賊に問う事はただ一つ」
 ガノがゆっくりと振り返った。
「誰が、王家の墓の扉を開けたのか…じゃ」
 衝撃に頭が真っ白になった。つまり、ガノは賊を捕まえる事は二の次程度にしか思うておらぬ。グランゼドーラ王家の墓の封印を破ったかどうかを、ただ確認するだけに筋を曲げてでも最速で追いかけておる事になる。
 だが、仮に賊が封印を破っておらぬとしたら、それが意味する事は…。
「確か…王の子の遺体は無かった…」
 体が震える。もはや墓を暴いた者が何者であっても、遺体を何らかに用いる事は想像に容易かった。邪悪な事じゃろう。そうとしか思えぬ。
 肩に優しく手が置かれた。じわじわと暖かい温もりが、肩を伝って血を温め巡っていく。
「恐れるのは事実を確認してからじゃ」


しれっとアストルティアの冒険者の足!ドルボード登場です!
末弟とよく話すんです。初期のDQ10ってだいぶ修羅ですよねって話題。なんかもう、ほら、箱舟の運賃払えない問題とか。酒場の解放クエストでラッカランで買う素材が対象になった時、ラッカランで箱舟乗れなかったら詰むじゃんどうする問題を凄く真剣に話し合ってました。ちなみに、末弟、装備売り払ってマッパで方舟乗ったらしい(完全に不審者。だが、当時はいたと思う。私も帰りの運賃かなりギリだった)。売る物なく、乞食もせず、魔物がいないからデスルーラも出来ず、新しい街だからってただ一つのルーラストーンをラッカランに書き換えてしまったらどう脱出するか。私が先日出した回答は『金曜日に配給されるゴールドを運賃に当てる』です。DQ10サービス最初期からある。難易度も低いいける。だが、コンシェルジュより先に酒場解放しちゃったらこれはできない。
ルーラストーンタクシー協会は有料だったし、やっぱ頭下げて石借りるしかないだろうなぁ。

話ずれました。ドルボードなしで、よく頑張ってたよなって話!アストルティアの星は、馬車での移動が主ですけどね!
落下する感覚に、どう耐えるか。
 そんな事、リウ老師は教えてくれなかった。いや彼程の頭脳の持ち主であるなら、落下するなんて体験した事はないかもしれぬ。老師はこのような砂塵に塗れ、地べたを這うような生き方など知らぬに違いない。知識と才能はどんな金銀財宝よりも価値のあった世界で、リウ老師とは国の財産全てを引き換えにしても得難い存在だった。
 踏みしめていた地面の感覚が失せ、足の裏が空気を踏み抜いた瞬間に、言葉にしがたい恐怖が脳髄を貫いた。心の臓が縮み、体が一瞬にして冷え切る。体が強張り、視線が少し前にある床のある空間へ向けられる。それも一瞬。暗闇がそれらを上に追いやる。落ちる感覚。それを一言で表すなら、恐怖そのもの。耐えるなど、とても無理だった。
 余は肺の全ての空気を悲鳴に変えた。悲鳴を上げる事に何の意味があるのかは分からない。ただ、悲鳴を上げる事が余という一つの生命に刻まれた本能と言わんばかりに、余の意識とは別に体が実行したに過ぎぬ。
 恐ろしい。恐ろしい。叫ぶ。苦しい。天と地も失せて、ぐるぐると暗闇が笑っている。もう滅茶苦茶じゃ。
 次の瞬間、見えぬ何かにぶつかったような衝撃で、体が跳ねた。胸が押されて息が詰まる。落下する感覚が終わり、ぐらぐらと頼りなく世界が揺れている。冷たい鋼の感触が気持ちがいい。
「ビャン君。危なかったのぉ。今、引き上げるでなぁ」
 遠くから声がして、ぎしぎしと何かが軋む音がする度に体が引き上げられていく。暗闇が途切れてぐるりと世界が回れば、黄土色の土を固めた煉瓦のモザイクが余に覆いかぶさってくる。ひょこりと覗き込んだのは、ヘルメットを被ったデザートゴースト!
「ヒッ!」
「怖かったじゃろう。落とし穴の上にマヌーサの幻影が掛かっておって、床に見えておったのじゃよ。盗賊除けの罠じゃろうが、床に複雑なモザイク状に煉瓦が敷き詰められておるから気が付き難い。下まで落ちておったら、ビャン君もここの住人になっておったのぉ!」
豪快に笑うのは余の恩人であるガノだ。デザートゴーストと見間違うのも致し方ない、眉毛と髭で顔がほとんど覆われてしまっておる。砂まみれのトレジャーコートに、使い込まれた荷を背負い、余を絡め取った鞭を手慣れた様子で纏めていく。
 余が死にかけたというのに、冷静すぎて怒りが湧いてくる。
「ガ、ガノ! わ、笑い事ではないぞ!」
 余の荷物袋が動いたと思った時には、黒い影が飛び出してガノに体当たりした。ガンと音を立てて跳ね返り空中に投げ出された黒いそれは、ぱっと白い羽を広げた。ダストン殿の家に転がっていた、レプティリアと名乗る黒いメタッピーのような魔物だ。ちょっと舌を噛んでしまいそうなので、レプリアの愛称で呼ばせてもらっておる。
『ピピピ! ガノ! バカ! ビャン コロス ツモリカ!』
「痛いのぉ! 助けたのじゃから、突かんでもいいじゃろうが!」
 ががががが。痛そうな嘴を突き立てるレプリアと、逃げ惑うガノのやり取りはしばらく続いた。しかし、亀の甲より年の功なのであろう。ガノがレプリアを掴んで、瞬く間に鞭でぐるぐる巻きにしてしまいおった。
『ピピピ! ガノ! バカ! バカ! ピピピ!』
「羽も嘴も出まい! 我輩の勝ちじゃの!」

3テイク目の正直。墓泥棒編は、墓泥棒を追いかけるガノさんと、初登場のビャン君です。
ビャン君がどんな子かはガタラ外伝クエストを参照していただきたいですが、彼は外伝で止まらない重要キャラに今後なるのでここから出張っていただきます。個人的にすごい好き。彼のために最新バージョン追いかける体質になりました。
最新バージョンで遺跡探索とかやり始めた設定が出たので、最初からガノの弟子ポジションにするつもりでしたが、明確に師弟関係に近いものになってもらうことになるでしょう。実際、ガノから学ぶ事は何もないでしょうけど。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!

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