ハコの厚みはここ次第!
■ Calendar ■
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 14 | 15 | 16 | |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
□ search □
孫は弟同然の幼馴染の言葉を噛み締め、ゆっくりと静寂の中に声を送り出した。
「ルアム君の旅は想像も出来ぬ程に、大変なものとなるでしょう。再会出来る未来はありますが、それは不穏に満ちた濃い霧の向こう側にあるのです」
振り返った孫は眼鏡の奥で円な瞳を瞬き、固く握った幼馴染の手を掬い上げて包み込む。
「僕はこれ以上、君が大変な思いをする必要はないと思うんです。きっと、テンレスさんも同じ気持ちだと思います」
それは労わりに満ちた言葉であった。
こんな幼子が故郷を滅ぼされ、滅ぼした原因に追われるなど悪夢に他ならぬ。縁に恵まれても冥王から逃れられぬ運命を背負わされ、生き延びる為には討たねばならない。ワシや孫のシンイは村の場所を知っておったが、村の出身者でなければ所在の分からぬ辺境の地。この子がこの地に辿り着く事は大変な事であったろう。ナドラガンドの出来事も孫から一通り聞いてはおるが、兄に矢を射掛け、仲間達が無惨にも殺されるワイルドかつデンジャラスな冒険だったそうではないか。こんな幼子が背負う運命にしては、酷過ぎやせんじゃろうか。
君は十分に頑張った。休みなさい。暗に含まれた意味に少年は頭振る。
「僕は兄さんに『見つける』って言ったんです」
互いに視線をぶつけ合っていたが、一つ息を吐いて目を伏せたのは孫の方だった。孫は少年の拳を包み込んでいた手を片方外し、胸元に掛けられた指輪に触れる。
「この指輪をお祖母様はエテーネルリングと呼んでいました。『エテーネの縁が永遠に続くように…』そう願いが込められた指輪だそうです」
驚いて目を見開いた少年は、胸元の指輪に視線を落とす。
「君が瓦礫の中から指輪を見つけたのは、運命なのでしょう。その指輪に込められた願いが、君をテンレスさんの元へ導く。それを止める事は出来ないでしょう」
孫は立ち上がって少年の手を固く握ると、詰め寄るように迫った。
「約束してください。決して、無茶をしてはいけません。困った事があったら、遠慮なく私を頼ってください。君は私にとって血を分けた弟と同じなのですから」
切迫した声。孫にとって目の前の少年は、滅びし村を生き延びた数少ない幼馴染であり、言葉の通り弟同然の存在じゃ。守り、慈しみたい存在が、過酷な運命に飛び込むのを見送らなくてはならぬなど我慢ならぬに違いない。
本当なら共に行きたい所じゃろう。しかし、先の見えない旅路に孫を巻き込む事はできないという、ルアム君の思い遣りを感じ取ってしまったのじゃ。だからこそ、困った時は頼れと言い含めた。帰る場所は、復興させた故郷は守る決意を声色に乗せたのだ。
少年は孫の想いを受け止めて、唇を引き結んでしっかりと頷いた。
「はい」
話が纏まり引き締まった空気が弛緩すると、ウェディの背鰭に引っかかっておったトンブレロソンブレロがパカパカと動き出した。
『しかし、ルアムの兄はどこぞへ消えてしまったんだろう? どう探すつもりなんだい?』
その問いに一同が隣り合った者達と顔を見合わせる。エテーネ村を捜索する為に様々な手段を模索し尽くした者達が、身を捻るように首を傾げる。そんな仲間達に少年は手を上げて『あの!』と声を上げた。集まる視線の先に、ルアム君が銀の小箱を掲げて見せた。
「テンレス兄さんが消えてしまう直前に、この小箱を託されたんです。この小箱を手掛かりに探そうと思います」
登場人物紹介の絵にもすでに描かれています、エテーネルリング。
実はこのリングに関わるサブクエを未だにプレイしておらず、ウィキを見てびっくりしてる。そんな凄い代物だったんかお前。
Comment