ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
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女性の握り拳程度の宝玉は硝子玉の中に白い液体と黒い液体を注ぎ込んだような不思議な球体で、二色の液体は揺れ動いても決して混ざり合うことはない。過去から持ち込まれた先代勇者が不死の力を封じる際に用いた秘術の宝玉は、相変わらず心がざわつく不気味な雰囲気を漂わせていた。
それを福与かな指先がひょいと摘むと、ぐっと指先に力を込める。宝玉に魔力が注がれて淡く光ると、弾かれたように浮かび上がった。次の瞬間、闇に沈んだ天井一面に巨大な魔法陣が浮かび上がる。白い魔法陣と不気味な紫の光を這わす黒い魔法陣が重なって広がる様に、集まった者達が一様に首を仰け反らせて魅入っている。
「伝承の通り、ありとあらゆる力を封印する禁術だよ」
白い指先が頭上に広がる魔法陣を指差して、不吉な術の内容を告げる。
「黒い魔法陣は魂を封印の術に作り替える禁術で、白いのが魂を破壊の術に変換する。魂を禁術によって魔法に変えてしまった空白部分は穢れとなり、術者の魂に致命的な損傷を与える。これは、そういう禁術だよ」
この瞬間、ヴィスタリア姫が現代に残した伝説は事実であり、誰かが犠牲にならなければ魔獣の不死の力を封じる事ができないのだというのが確定した。
わしは生唾を飲み込んだ喉仏が大きく上下したのを、他人事のように感じた。長く瞑目していた目をゆっくりと開き、娘の仲間達を割り、家臣達の間を通り、物見台から正門に至る広間を見下ろした。そこには繭の出現と魔獣の襲撃という命の危機が迫る状況下でも城に残り、勇者と王族を支えてくれた忠臣達が集まっていた。彼ら一人一人の顔を心に刻むように見つめ、わしはそっと口を開いた。
腹の底に息を送り込み、嗄れそうな喉を咳で払う。
満を時して迸った声は、見事押し寄せる雨音を薙ぎ払った。
「触れに出した通り、現在のグランゼドーラは…。いや、世界は危機に瀕しておる。不死の力を持つ魔獣を討ち果たせなかった場合は、その損害はアストルティア全土に及ぶであろう」
集まった家臣達が表情を引き締めた。
戦う力を持つ者は命を賭ける覚悟を新たにし、戦えない者も最後まで己の為すべき事をする決意を固める。間近に迫った死をも跳ね除け、使命を全うしようとする頼もしい表情に、わしは誇らしさが込み上げていた。
「不死の力を封じる方法として選べる選択は一つだけ。先代勇者アルヴァン様が用いた禁術を使う事である」
ざわりと、家臣達の顔に動揺が走った。王家が過去の勇者が禁術を用いたという汚点を、認めたという発言に他ならないからだ。
時間を掛ければ他の方法があるやも知れぬ。しかし、千年前の賢者様が勇者アルヴァン様が使った禁術以外の方法を見出せなかったからこそ、現在に不死の魔王に対して使った禁術以外の術が存在しないのだ。この瞬間に選べる方法は、アルヴァン様の禁術以外存在しない。
娘が袖を引き不安な顔でわしを見上げたが、そっと肩に触れて前を向く。
「禁術は単独で使うならば必死の術である。先代勇者であり不死の魔王を討伐したアルヴァン様でさえ、例外ではない」
しかし! 私は鋭く声を発した。
「勇者アルヴァン様だからこそ、一人の犠牲で済んだだけだ。しかし、一人の犠牲があれば完遂する術でないことも、明らかになっている!」
今回の見せ場、アリオス王の演説です。
この対策は勇者と盟友が力を合わせ禁術を発動させることで、死亡を免れる公式の流れを採用しており、稲野的に解釈を加えた展開になっています。
ざあざあと降り注ぐ豪雨の音が響く薄暗い城内を、燭台や松明の灯りが照らしている。
特に勇者アルヴァンと盟友カミルの像が建つ場所は天井が高い為に光が届かず、不死の魔王と戦った英雄達の顔は闇に溶け込んでいた。そんな二人の尊顔が見える場所に膝をつき、娘は一人祈りを捧げていた。
「先代勇者アルヴァン様。どうか私の大切な友人達を、お守り下さい…」
娘の切なる願いが叶うよう、わしも先代勇者様であり、ご先祖様であるフェリナ様の兄上に祈る。そして、先代の勇者様の悲痛な想いを噛み締めていた。
高貴なる御方と呼ばれし勇者アルヴァンの妻ヴィスタリア様が伝えた伝承と、王家の迷宮を踏破した娘達の言葉から闇に葬られた千年前の状況が明らかになった。その上で、わしは勇者アルヴァン様は己の死後を予想できていたのかもしれないと思ったのだ。
娘のアンルシアと同じく勇者として大魔王を討伐した後は、グランゼドーラの王となり為政者となる道があった先代。そんなアルヴァン様ならば、為政者としての判断に理解があったはずだ。
秘術を使い化け物と成り果てた勇者の死は、不死の魔王との名誉ある相打ちと書き換えられる。盟友カミルは勇者の死の責任を負わされて、よければ追放、最悪処刑の未来。当時のグランゼドーラ王であるジュテ王の完璧な勇者の国でありたい願望は、わしの中にも存在する。
そんな最悪の死後の世界に盟友を置き去りにする事が、どんなに残酷なことか、アルヴァン様は理解していただろう。互いの想いが通じ合っていれば、共に死ぬ事が最も幸せな道だと察していたかもしれない。
それでも盟友を死なすなんて、できなかったのだろう。
娘が盟友の死を拒んだ時の悲痛な声は、まるで生きながらに身を引き裂かれるような悲鳴だった。トーマの死に勝るだろう声が、娘と盟友の魂が結びつく程の絆を示している。盟友とは勇者にとって己の半身であり、命よりも大切なものであり、必要不可欠で、決して失いたくない存在なのだ。
娘が過去から持ち帰った秘術を使い、化け物になってでも不死の魔物を討ち、穢れた魂を王家の迷宮に封印する。勇者の使命を果たし盟友を生かしたアルヴァン様の選択を、娘がなぞる覚悟を決めていたのを知っている。
目の前で跪く娘の細い背中を見下ろす。
大魔王を倒し平和になった世界で、娘は幸せに生きていくはずだった。良き婿を迎え、わしが整えたグランゼドーラ王国を治世で穏やかな日々を過ごし、子や孫に看取られて寿命を迎える。ナドラガンドから救出されて、ようやく幸せな未来が娘に与えられるはずだった。
なぜ、神はこんな過酷な運命を我が娘に課すのか?
ぐっと拳を握っていると、人々の足音が城中から集まり闇をくすぐる。手を解いて振り返れば、娘が信頼する仲間達が準備万端で立っていた。盟友は防水のフード付き外套を羽織って、たくさんポケットがついた道具鞄を抱えるように装備しているし、そんな盟友をフードに収め要塞みたいな大盾と重厚な鎧を纏う保護者が立っている。宿屋協会の警備部長と、過去に旅立って見事禁術を入手してきた若者達も並んだ。彼らの背後にはノガート兵士長と大臣のコルシュが控えている。
そんな錚々たる面々から一歩踏み出したのは、アンルシアと変わらぬ歳に見える娘だ。光すら吸い込むような黒曜石のような剛毛は自由奔放に跳ね回り、福与かな体格が旅人が好む厚手で頑丈な服を着ていても冒険者に結びつかない。にこにこ無邪気で、どこぞの村の出身と言われたら信じてしまう素朴な娘。
そんな娘が禁術の宝玉を乗せた布を大事に捧げ持ち、頬にくっきりと笑窪を刻んで言った。
「アリオス王様とアンルシア姫様に、ご報告します!」
アリオス王視点です! いやさぁ、色々娘の幸せに関して葛藤してほしいと思ってる。
というか、公式状況的にゲームの主人公のポジションの子が男性だった場合は結ばれそうなアンルシアちゃんな訳で、婿である男性の経歴がアレすぎて思わないわけがない。色々葛藤してほしい。
拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
今回の緩く考えるシリーズはゲームのプレイ姿勢から。
まずはタイトルにある『タイパ』の前に『履修』について、軽く説明をさせていただきます。
どんなジャンルでも『不朽の名作』が存在し、その名作をオマージュとして己の創作に組み込む事があります。自分が知る中で最も古いのだと初代ゼルダの『ユウシャ ロト ココニ ネムル』あたりでしょうか。とにかく、このネタは『オマージュ元となった原作を知らないと分からないネタ』であり『オマージュ元が名作である』のです。
現在、全てのジャンルはそれなりに長く息のあるものになり、『不朽の名作』が礎となり始めています。手塚治虫先生は漫画における古典的地位があり、鳥山明先生はさまざまな漫画の礎として存在します。多くの漫画それらを読む事で、今に存在する漫画を深く理解できるのです。
逆に今のなろう転生ものは『ドラゴンクエスト』を筆頭とした和製RPGを土台にしており、これは和製RPGの常識が日本人の若者の常識として浸透しているとも読めます。
現代のさまざまなジャンルは、これらの現代の作家が愛した『不朽の名作』を知らなくても楽しめるが、知ればさらに楽しくなる。だから見るなりプレイするなりしようという行為を『履修』とここでは呼びます。私は『通っておきたい(ジャンル名)』なんて呼びますけどね。
さて、前置きが長くなりました。
私は最近ハーヴェステラというスクウェア・エニックス社のゲームをプレイしているのです。ゲームスタート時にラスボスと思われた存在をボコして、折り返し、というところまで来ています。
このゲームをプレイして思うのは
『最近のプレイヤー向けに作られたゲームだな』
ってことです。
何が『最近のプレイヤー向け』かと思うかというと…
美しいグラフィック
美麗な登場人物
王道で作り込まれた物語
良質な音楽
戦闘難易度が低い(SFC聖剣3を彷彿とさせます)(これは製作が意図した難易度です)
次にどこに進むべきか、細かに案内が出る
最近の傾向ではドットよりも美麗な映像に重きが置かれがちです。海外ではドットゲームの需要はインディーズには確実に存在しているのでゼロではないですが、どうにも没入感を求めているのかゲームがリアル指向が人気な印象を受けます。そういう意味では日本はドットやカートゥーン調といった幅広い映像にまだ市民権がありますね。
問題は最後です。
『最近のプレイヤー向け』でも『若者向け』なのが最後です。
これはどういう事か、ご説明します。
例えば『薬草を買ってきてほしい』というイベントが発生すると『道具屋にイベント進行で行くべきチェックポイントマークが付く』。そのマークを追って道具屋に行くとイベントが進行し、薬草採取に行くことになるとしましょう。すると『薬草の採取場所を教えてくれる人にチェックポイントマークが付く』のです、そのマークを追って採取場所が分かると『採取場所にチェックポイントマークが付く』。
チェックポイントマークを追いかけるだけなので、イベントもサクサク進んで楽ちん!てなります。でも、昔ながらのプレイヤーだと文面を追うと、チェックポイントマークを追いかけてるだけじゃない?ってなるでしょう。ちなみに最初のチュートリアルだけではなく、さいごまでこの配慮は続きます。
これこそが『若者向け』と稲野が思う所以です。
最近のプレイヤーはタイパ、つまりタイムパフォーマンスを非常に重視するらしい。自分も立ち食い蕎麦屋でちょっとお手伝いしていた時、たった数分蕎麦を食すのにスマートフォンの動画を見ながらの人を多く見かけたものです。若者である末弟も、スマートフォンで動画を見ながら飯を食っています。映画やアニメを倍速で見るとか、少しでも短時間で多くのものを得る。この情報が氾濫し多くの不朽の名作に溢れた世界ならではの事情でしょう。
まぁ、私も自分のペースで作品は消化したいので、アニメよりも漫画、ボイスドラマよりも小説といった具合ですので分からんでもないです。
ハーヴェステラは『若者向け』に考えられたゲームだと、プレイして熟感心しました。何のストレスもなくサクサクとプレイし、美しいグラフィック美麗な登場人物王道で作り込まれた物語良質な音楽を浴びて終わる。非常にたいぱに優れた作品でしょう。
さらにこれが『最近のプレイヤー向け』というのも、プレイヤーの年齢層が上がって、ゲームを頑張る体力がない。だからゲームシステムの難易度を下げてプレイできるようにする、介護的な意味もある。あー、おつらい。みんな、あたまつかおう? 受容ばっかしてると認知進むよ?
今後、こういう作品が溢れていくのだと、古い時間が掛かるゲームは淘汰されていくのだろうと思わされます。
同時に、ゲームが消耗品に成り下がるだろうとも思うのです。
スマホゲームでそうなってると思ってます。刀剣乱舞はブラウザ版で一年に一度燃えたらやりますが、それ以外は全く触れません。スマホでゲームをする。それだけで稲野のゲーム評価はマイナスにまで落ちます。偏見? 仕事中にゲームのことがどんなに気になっても業務が疎かになる事なく、利用者のQOLが下がるレベルの事故を絶対起こさないという自信がある奴だけ稲野を非難するといい。スマホゲーは責任など取らぬのだから、偏見くらい許してほしい。
実際に『若者向け』に作られたハーヴェステラは、物覚えの良い稲野がキャラクターの名前すら覚えていないまま中盤を折り返しております。自分の中に消化される前に物語が進んでしまうので、良いお話がぺらぺらと薄く感じております。このゲームは周回しない限り、稲野に『若者向け』を実感させた転換期のゲームとしか記憶に残らぬ事でしょう。
TwitterなどのSNSが登場してから、情報は消耗品になりました。流れるTLの情報は読めども頭の中に残らない。まさにシャワーを浴びるかのようです。
ゲームも『若者向け』に多く作られ消費されていきます。その消費に追いつく為、AIが活用されていくでしょう。ゲームクリエイターは社畜の度合いを増して、ゲームを作る志が砕ける未来が見えます。
それに抗うよう研鑽を重ねているのが任天堂だと思っています。スプラトゥーンもゼルダも非常にたいぱに抗える内容です。かの会社はたいぱの概念が生まれる前から、この状況を匂いのようなもので理解していたのかも知れません。
和製RPGはどうあるべきか
まずは古参と若者の求める度合いを、難易度として調整したら良いのではないかと思います。
元々は戦闘の苦手な人向けにテイルズ系で導入されている難易度ですが、これをシステムに導入するのです。先ほど例に出したチェックポイントを出す出さないを、プレイヤーが選択する事で難易度を調整できます。これはDQ10で既に実装済みですが、目的地が分からなかったら答えがみれるようで自分は良いシステムだと思います。
戦闘の難易度・システムの難易度、それらを調整する事で、ゲームクリアに必要な時間をプレイヤーが調整できる。システム難易度はチェックポイントを追うだけの人は最低限、全ての町の人から情報を聞く人は多くのシナリオの進行で変わるセリフを堪能して世界観に浸れる恩恵を得られる。バトル難易度調整はいわずもがなですね。
コンテンツは消失せず、これからも増え続ける。
たいぱはこれから先の未来に生きる人々を、縛っていくことでしょう。その中で、人々の中に『作品』としてプレイゲームが作られ続ける事を、稲野は願わずにはいられません。
たいぱは全てを薄くする。
創作は軽視されるでしょうが、貴重な資源であるでしょう。
多くの創作活動する方々は、消費される世界に折れる事なく、その熱意を燃やしてほしいものです。
ver6.1のネタバレバンバン入ってる、リナーシュさんの過去考察です!
ストーリークリアしただけの内容となります。
クリア前の方は、読まないことをお勧めしますよ!
リナーシェは敵国ジュレドの王と政略結婚する。そこに愛はなかったはずなのに、ジュレドの王の愛を感じて愛で応えようと思い至りました。新たなる平和の第一歩である王国が誕生し、彼女らの結婚をもって全ての争いが終わり輝かしい未来が始まるはずだった。
最も高まった期待を、最悪なタイミングで裏切ったジュレド王。まさに、モラハラ発言でセリフをすげ替えられてしまったシラナミを超える、キングオブクソ男の誕生である(あまりにも酷過ぎて伏せもしない)。私は5のカボチ、7のレブレサックに匹敵する最悪の気分を味わいました。裏切った瞬間、えーーーーーーー、って言葉しか出なかった。久々に救いのないDQを見た。
さて、憎悪に燃えるリナーシェさんなんですけど、愛憎紙一重ということで、その憎しみの分ジュレド王のことを愛していたんだと思います。
そして、ジュレド王もリナーシェさんを愛していたんだと思う。
あ、んなわけねぇだろって思いましたでしょ。私だってあんな酷い裏切りされて、ジュレド王には血も涙もない最悪最低のクソ野郎であって欲しいと思ってますよ。ただ、自分が書いているアストルティアの星は、リアルが救いのない現実ばかり見てるので自分の求める救いを書いちゃうのです。そのためにも相思相愛であって欲しいと思ってるんです。
しかし、その相思相愛はきちんと理由があるんです。
その鍵となるのが、お互いの身内。妹と弟です。特にリナーシェさんの妹はジュレド王に不信感を強く抱いているので、『本当にこの男に大事な姉を嫁がせるなんてムリ。幸せになれるわけがないから、結婚しないで欲しい』ってぶっちゃけ思ってる。だからこそ、ジュレド王が大事な姉に愛情を向けているかどうかは、本人以上に敏感に察知できるのです。姉が押し通したとしても、女性のとっての結婚は人生そのもの。姉の意思を尊重できるほどに譲歩できたのだから、姉を大事にしてくれるだろうと思い至ったのでしょう。それを最終的に認めさせたのだから、ジュレド王はリナーシェのことを愛していたと思う。
そう思い至らせたのはジュレド王の弟。彼は快活で裏表のない感じの子ですね。屈託なく兄がリナーシェさんのことを好いていること、プレゼントで悪戦苦闘したことを話していたでしょう。嘘がつけなそうなのでジュレド王が心の画策を漏らすことはなかったでしょうが、それを察知できない程度には鈍くはなさそう。兄弟だからこそ感じるものもあったでしょう。
最初は互いに愛のない政略結婚だったと思います。
リナーシェさんは育みの歌を武器に、ジュレド王は彼女の国を圧倒できる武力を武器に、互いを牽制しつつ夫婦として並びながら落とし所を探ろうとしていたんでしょう。
それでも、リナーシェさんは女性ならではの魅力を武器にしてもあまりある魅力あふれる女性で、ジュレド王も物腰柔らかで民のために辣腕を振るう為政者でした。互いが歩み寄ることこそ両国の平和の礎になると言い聞かし、腹の中を探るようでも穏やかな時間を重ねたことでしょう。そうして少しずつ結婚を意識し、リナーシェさんは贈られる愛情に応えようとしました。
おそらくジュレド王が意を翻したのは、王国の建国が語られる理想ではなく、政権発足から運営までのスケジュールを立てるまでに具現化した頃だと思います。
ジュレド王はリナーシェさんを、弱い女性だとは最初から思っていませんでした。単身で己の前に現れ、両国の平和のために己に嫁ぐと宣言した女性です。彼女の歌でどれだけ豊かになることか、彼は彼女の手をとって痛感したでしょう。ジュレド王はきっと、彼女の女らしさではなく、強さに惚れたんだと思います。もし、女らしさに惚れたなら、どこかで侮りながらも力づくで押さえつけるDV夫になっていたでしょう。彼が裏切ったのは、リナーシェが強いと誰よりも認めていたからです。
ジュレド王は新しい王国の玉座に座るものが、自分よりもリナーシェにと民が望むのを理解していたでしょう。それだけ、聡明な男性でした。それが、王として君臨していたジュレド王には、受け入れ難い嫉妬と憎悪に結びついたんだと思います。
リナーシェは殿方の剣の前には女は無力と言っていましたが、ジュレド王は剣よりも彼女の歌が勝ると理解していたのです。
丁度時代の変わり目でした。リナーシェは古い考えで物事を見て、ジュレド王は新しい時代が見えていたのです。今までの自分のやり方がいかに古く、妻となるだろうリナーシェが太陽のように輝く時代が来ると確信していたのです。だからこそ、その輝きになれぬ自分が、その輝きに影にすらなれずかき消される自分が、ありありと思い描けてしまったのです。
どうして、こんな最悪に至ったのか。
私は二人が互いの国の王であったために、会うのが年に一回程度だったことが原因だったと思います。愛を育む時間が圧倒的に足りなかったのです。
政略結婚から始まったお付き合いですから、互いの腹を探り合うようで本音も伝わりにくい。それでも互いに惹かれ合う程度には魅力的で、それは愛情に結びつくはずだったのです。言葉を交わす時間、想いを重ねる時間が、二人には圧倒的に足りなかったから至った悲劇だと思います。
互いに強く憎しみを抱いたのは、その分、愛情も同じくらい強かったからでしょう。
リナーシェさんの過去は、愛に生きるウェディらしいものだったと思います。
さーて!稲野的、愛憎夫婦感はどうでしたでしょうか?
ここまで書いたらやっぱ救われて欲しいし、自分が十年先くらいにこの話を書くとしたら救ってあげたいと思います。
恒例の語る会発言まとめ
お分かりいただけるだろうか。
『はあどすこいしょ』のおかめさんと、ver.6を語ろうかと思ったら、全く感想とは違うことばかり語っていた衝撃の展開を…!
おかめ氏が主人公とアンルシアちゃんの話を立て続けにアップしていた数ヶ月前、稲野も拍手お礼がアンちゃんの結婚事情の小咄でありました。それで考えを深めた結論。
深刻な拙宅のアンルシアちゃんの婿事情、である。
世の中はカッコいい男主人公が盟友となり、勇者であるアンルシア姫と結ばれる話がかなり多い。とてもいいと思う。王道だし、男女で勇者盟友の関係になったら普通に結婚するのは、アルヴァンカミルという先代で証明済みである。むしろ『結婚しないの?』って感じさえする。
しかし、拙宅の盟友は幼女である。しかも芸術家でベビーサタンという、伴侶には難物すぎる逸材。うちのピペはきっと一生結婚できないと思う。むしろ芸術と結婚してる。
こうなると、アンちゃんの婿候補を探さねばならない。
しかし、アストルティアには結婚に関して、鉄の掟がある。
異種族間での結婚はあり得ないのだ。
(長いので読み飛ばし推奨)
万年くらいの歴史がありそうなアストルティアの歴史の最先端である現代において、人間を含めた6種族間のハーフは一人も存在しない。ひとりも、である。ハーフが存在した、という伝承も今の所把握できていない。
とはいえ、ハーフの存在が忌むべき存在としても語り継がれていないところを見ると、個人的には異種族間では子供が成せないのではないかと思っている。もしも忌むべき子が生まれる可能性があるなら、現代の5大陸が鉄道で結ばれ様々な種族が入り乱れる環境は避けられるべきである。しかし、自由に行き来できるようになって500年は経ってる(最新情報ではミトラーさんの発言だが、昔は200年前くらいに出来たって話だった気がする。まぁ、500年前に鉄道の高架橋できてたんだし、ミトラーさん発言は都合がいいので採用したい)ので、その状況でもハーフが生まれないなら、構造的に異種族で子を成せないと思う。これはこれで重要で、交配で子が成せないというのは種のカテゴリー的に別物として証明されるらしい。オーガの元の話も3000年前の話で触れていたが、私はルティアナの7人の子供達はそれぞれ異なる世界の存在を元にしているのだと思う。だから、グランゼニスも天使もいる。うん!たった今思いついた にしては良い仮説だな!
とはいえ、異世界の存在同士で交配できないかというとそうではなく、そこら辺は種のカテゴリーが合致すれば交配できて子が成せる。これはDQMあたりからそう思ってるんだが、DQMはスライムだろうがゾンビ系だろうが???系ですら交配できるから、仮説としても上げたくない信用もない内容である。それなら11が3の前日談であり、先代勇者と賢者の子が異世界で伴侶を得て1とか2に繋がっていく方が信用性がある。しかし、稲野が11が3の前日談であることにちょっと否定的(ルビス伝説が前日談扱い)ですので保留。魔物と人間とでは交配できないから種のカテゴリーざっくりなのに、なんでアストルティアは細かいんだろう。種のカテゴリーじゃなくて、種族神あたりの呪いなんじゃね?
とにかく、アンちゃんの伴侶は人間の男である必要がある。
実際にラチックの名前が上がるのも、彼が元々ブラックチャックとはいえ人間だからである。ただ、元々ブラックチャックだったという経歴から、アンルシアの伴侶として王国側から除外されていると拙宅では設定している。
なら、他の人間の男はというと、ルアム君である。
正直、アンルシアより年下で、ミシュアの時から一方的に知ってるだけでそれほど接点がない子である。互いに想いを寄せ合うような存在になり得るかというと、実際に一緒に行動させてみないとわからない。年下でもしっかり者なので、仲間として行動すれば良い印象はもちそう。
ルアム君と行動させてから考えれば良いと思うじゃないですか。
しかし、世界が平和になった途端に誘拐されてしまったアンルシアを思えば、ナドラガンドから帰ってきたら速攻王国は縁談結婚のコンボを仕掛けてくると思っているのです。
もう魔界編始まった時には、出産しているかもしれないとすら、稲野は思っている。稲野の想定するアストルティアの星は時間が流れているので、アンちゃんの結婚適齢期が過ぎてしまうことをすごく心配している。妊娠出産という安静にしていて欲しい期間が用意できるのも、ver4くらいしかないのではとすら思う。6も双子止めに行かなきゃいかんから、4みたいに封印だけ出てきてもらうとか難しそう。
最後の選択肢に貴族の無難な男と結婚なんてのもあるんだ。
稲野は深刻にこの難題に頭を抱え、ついにおかめ氏にぶち撒けてしまったのである。
この答え、きっと数年後とかだいぶ先に明らかになるんだろうと思うと、果てしないことであります。
ちなみにおかめ氏に『お付き合いしている人達は、Xが終わったら結婚するんじゃないですか?』という発言に、『Xが終わらないと結婚しないの!!!???』と吠えた稲野である。酷い。
おかめ氏の男主人公の盟友とアンルシアちゃんの関係の話を度々引き合いに出したので、『グリーンのドレス送ったエクス君』を稲野が連呼しまくり、おかめ氏の腹筋は崩壊しました。必死過ぎて崩壊させるつもりはなかったんです。
ちなみに後半はお互いシブは詳しくないので、視察に行った話。
互いに自創作に打ち込み過ぎて、全てのカップリングが新鮮で遊園地巡るようなテンションで検索して回ってました。稲野的には『ユシュ主熱い』でした。
拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございました!