ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 長老様の促しに応じて、ルアムが訥々と語り出した。
「僕達がこの村から突然消えてしまったのは、ご存じですよね?」
 それは私達がこの村にやってくる少し前の出来事だ。ルアムの友人達やホーロー様やシンイ様の目の前で、突然息子と同じ名前のプクリポの二人が消えてしまったそうだ。直ぐにルアムの友人達は探す手がかりを求めて世界に散り、ホーロー様は勇者の王国の賢者様に相談しに旅立ち、シンイ様はひたすら無事を願って待ち続けた。
 消えるのが唐突であったように、帰還も唐突だったそうだ。ある日、ルアムとプクリポは消えた場所に倒れ伏していたのだ。
 こちらでは月が一度満ち欠けた時間が過ぎていたのに、ルアムにとっては数日間の出来事であったそうだ。何があったかは、シンイ様も未だに聞けてはいない。戻ってきたルアムは昏睡状態で、意識が戻っても同じ名前のプクリポの容体が気になってそれどころではなかったとか。
「この村に戻ってくる直前に、僕は悪夢を見たんです」
 ルアムは曇った表情で語り出した。
 空は瘴気を含んだドス黒い雲に覆われて、真夜中のような暗闇がありました。冷たく乾燥した風が、闇の中をごうごうと唸りを上げて吹き荒んでいます。暗雲の中を紫電が走って、近くに兄さんを包んでいた原始獣のコートの裾が見えました。干魃した亀裂が縦横無尽に走る地面を這う体はすごく重くて、凄い時間を掛けて兄さんの元に辿り着きました。
 微かに息のある兄さんでしたが、意識を失ったまま。
 それでも死んでいないのを確認して、僕はようやく周囲の状況を見回したのです。
 黒く分厚い雲が強風に流されて線を描いて動くのが分かるのは、何か明るいものを透かしているからでした。目を凝らしていると、雲の隙間に明るいものの正体が見えたのです。
 それは、光る繭でした。
「光る繭?」
 仲間達が互いに顔を見合わせ、首を傾げた。『しっ』と他の仲間に静かにするよう促がされ口を紡ぐと、息子は静寂の中で再び口を開いた。
 繭はそれはもう、大きなものでした。遥か上空から大地へ天へと糸を伸ばして浮かんでいる為に、その大きさは山と例えても良い位に巨大なものでしょう。繭は不気味な薄紫色の光を放ち、闇に沈んでいた世界を浮かび上がらせました。
 先ず目に入ったのは、アラハギーロのデフェル荒野に建つ天に届かんばかりの魔塔が折れている姿でした。そしてその手前に、ドラクロン山の天を突く峰が見えました。背後にグランゼドーラが見える位置にいるのだと、僕は理解して振り返ったのです。
 グランゼドーラの南は緑豊かな地域なのに、周囲には草木も生き物の姿もありません。ただただ、荒涼としたひび割れた地面があるばかり。そしてグランゼドーラ城の三対の尖塔が、ボロボロになって建っているのが見えたのです。尖塔の一つは無惨に崩れて半分になっていて、屋根がない塔、形は残っていても虫食いようにポッカリと壁に穴が開いているのです。薄紫の光に照らされた世界に、人間も、魔物も、植物も、ありとあらゆる生き物が死に絶えているのだと突きつけられました。
 光が強くなり、僕の真っ黒い影が灰色の地面に長く長く果てしなく向こうまで伸びていく。
 繭に背を向けていた僕は、その光が繭から放たれているのがわかりました。あれ程冷たかった空気が、瞬く間に温まり、熱を帯びていく。じりじりと剥き出しの肌に痛みを感じ、僕を殺そうとしているのだと思った時でした。
 テンレス兄さんの残してくれた銀の小箱が浮き上がり、反発するように光ったのです。
「気がついた時には、エテーネ村の自宅の寝床の上でした」
 ルアムが全てを語ったと口を閉ざすと、どっかりと沈黙が座り込んだ。誰もが『世界の滅亡だなんて!』と冗談めかす物言いはしない。あまりにも生々しい語りと、世界の滅びを見てきただろうルアムの絶望し切った表情に、誰もが黙り込み『滅亡の未来』という衝撃に打ち拉がれる。
「ルアムが見た光景が、未来の滅亡を迎えたレンダーシアだキュ!」
 そんな沈黙をものともせず、銀の小箱の上に座った生き物が得意げに言い放った。

崩壊した未来のびょうしゃー!
まぁ、悪夢って言って良いよね。まだ、プクリポルアムの容体も良くならないし、ナドラガンドみたいに世界規模の厄災って感じの存在もない。現実味もないんじゃあ、ルアム君も真に受けんでしょ。

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