ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 勇ましく立ち上がり敵の元へ向かう王の後を追って、僕も城の外へ出る。
 外はラギ雪原でも滅多に見られぬ猛吹雪です。グレン城の大階段でも三段先はもう白く霞んで見えないのに、頭上の繭だけは暗雲から浮き出たように明瞭に見えて覆いかぶさっています。階段を降り切った広場では篝火が焚かれ、白い中に赤い点が穿たれていました。
 兵士達が一匹の獣を取り囲んでいます。
 大きさは馬くらいの大きさでしょう。後ろの長い尾でバランスをとっている為に、前傾姿勢になりがちな体を長い手が支えている。銀色だが金属とは異なり甲殻を思わせる外装が体を覆い、顔の部分には巨大な黄色い宝石のようなものが嵌まっている。『異形獣』の名が確かに相応しい、どんな魔物にも当てはまらない特徴を持った魔物でした。
 金属同士を引っ掻いたような声に、兵士達はたまらず耳を塞いだのです。
「耳障りな鳴き声だ」
 吹雪の轟音の中に混じった感情のない声。ラギ雪原で稀に聞こえる幻聴かと思う場違いな声の出どころを探る兵士達の顔は、一様に上を向いたのです。
 黒い外套、黒い鎧、黒づくめの剣士の姿は、白い吹雪の中で異様さを放っていました。立っているのもやっとの吹雪の中でありながら、剣士の肩に掛かる茶色い直毛も踝まである外套も、微風に撫でられているかのように穏やかに揺れているのです。最も肌に近い服は濡れているのか張り付く皺を刻んでいるのに、この寒さに凍りついてもいない。
 ジダン兵士長がバグド王に耳打ちします。
「王。グランゼドーラより通達された襲撃者と、格好が一致します。繭の出現と共に現れているなら、同一の人物と断定して問題ないかと」
 階段を降りていく王を見て、囲んでいた兵士達が道を開けていきます。グレンの国章が縫い付けられた毛皮のマントを脱いで兵士に手渡すと、異形獣の前に進み出たバグド王はごきごきと音を立てて首を回しました。
「行け原獣プレゴーグ! 本能のままに暴れるが良い!」
 金切り声を上げて爪を振りかざす異形獣を前に、バグド王は不敵に笑って見せたのです。
 その強さは流石グレン最強。
 鋭い爪を振り上げ襲う異形獣の腕を取ると、瞬く間に背をとり腕を捻り上げる。耳障りな悲鳴をあげ、首を捻って苦しむ異形獣に王は失笑を漏らした。
「異形獣とやらの強さを我直々に見定めてやろうと思ったが、赤子のように素直な奴よ!」
 激昂して強引に身を捩った異形獣の一撃を半身をずらして避けると、その太い腕で異形獣の首根っこを捉える。次の瞬間バグド王の背中の筋肉が一回りと大きく膨らみ、異形獣が逆さに持ち上げられてしまったのです。瞬く間に異形獣は首から大地へ墜落する。ばきりと、何かが折れる音が吹雪を退けて響き渡りました。
 振り回された尾を上半身を捻って避けると、その大きな手が尾の付け根をむんずと引っ掴みます。両手でしっかり掴んだ異形獣を、円を描くように回す。最初はグレンの岩に体を擦り付けていた異形獣の体が、速度と共に浮き上がる。ついに水平にまで上がり速度が増すと、バグド王は『上手く避けるのだぞ!』と笑いながら手を離すのです。異形獣が投げられた方向にいた兵士達は慌てて逃げ出し、異形獣はグレンの石壁に叩きつけられる。
 剣や槍では硬い装甲で阻まれたでしょうが、体に直接ダメージを叩き込まれては異形獣もたまったものではないのでしょう。それでも耐久力はあるのか、ずるずると体を引きずり迫ってくる。
「屈せぬとは大した根性! さぁ、貴様の渾身の一撃を見せてみろ!」
 バグド王の声と、異形獣の雄叫びと、今日三度目になる警鐘が同時に響いたのです。


レスリングは対異形獣に有効すぎるな。バグド王がとっても強くてニコニコしちゃうね。

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