ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 ゴミの出し方には個性が出る。
 捨てるのだから個性なんかある訳がないと思うだろうが、案外、そうではないのだ。
 私の常識では生ゴミは小さいポリ袋に入れる。惣菜を買った時に店員さんが気を利かせて入れてくれる、あの小さい袋だ。あの袋に生ゴミを入れておけば、臭いも漏れないし小蝿も集らない。同じ捨てるなら有効活用されるべきだ。
 しかし、世の中にはポリ袋に入れず、他の燃えるゴミと一緒くたに出す人もいる。衣類や書類に野菜屑やドリップコーヒーの残り滓、何かの汁が、ぐちゃりと混ざり合った様は見ていて気持ちが良いものではない。これが回収日じゃない日に出され回収されなかった結果、蛆が湧いた事もあるそうだから眩暈がする。
 缶・瓶・ペットボトルの日は、さらに個性が出る。ラベルとキャップを外し綺麗に洗って出す人がいれば、洗わずに袋の中に入れてゴミ袋の底に悍ましい色の水が溜まっているものもある。40リットルの袋いっぱいにビール缶ばかりが詰まっているのを見ると、ストレス溜まってるんだろうなと思う。
 そんな出されたゴミで、特別すごいと思う出し方がある。
(何度見ても凄いなぁ…)
 それはプラスチックゴミの日に現れる。
 洗って干してある一般常識は当然クリアしているが、そのゴミ袋はさらに上をいく。
 プラスチックトレーやカップラーメンの器は綺麗に重ねられ、細々としたプラスチックごみはちょっと大きめのパンの袋などの中にきちっと収められる。梱包が過剰な現代において膨張しがちなプラスチックゴミだが、驚くほど小さくコンパクトにまとめられているのだ。適切なサイズのゴミ袋に整理整頓されて収められたプラスチックゴミは、ちょっとした芸術にすら見えた。
(相当、几帳面な人なんだろうなぁ…)
 その横には洗ってはあるがトレーやカップを突っ込んだだけで、ごちゃごちゃと膨らんだゴミ袋がある。大は小を兼ねるというが、大きな袋の半分程度しか入っていなくて、ちょっともったいない気がしてしまう。
 でも、他人のゴミの出し方にとやかく言ったりはしない。この後、数時間もすれば収集車が現れて回収されるのだから。
 私はそう思うと、芸術的なゴミ袋の上に自分の家のゴミを置いた。


最近、ご近所さんのゴミ屋敷で色々ありましてねぇ…(ちょっと周辺住民がざわついて、注意が飛んだレベル)

推しの一次創作に想いを馳せて書きました。
(でも、創作主が二次創作に寛容かわからず、どうとでも受け止められるように書いた)
しかも舞台のゴミ出し状況がわからないので、適当になってしまう。
(自分の住んでいる隣の区は、ゴミ袋が有料指定だし、出す場所もそれぞれの家の前だったりする。色々あるんですよ)

拍手に感謝!全然、お話書いてなくて申し訳ない!!!!
拍手嬉しいです、ありがとうございます!!!

 ドミネウス様には、メレアーデ様とクオード様という二人のお子様がおられる。ドミネウス様が王冠を返還し、我が主であり第二王位継承者であるパドレ様が帰還なさらぬ場合、メレアーデ様とクオード様の順で王位が譲り渡される事になる。残る王位継承者はパドレ様とマローネ様のお子様が挙げられるが、まだ乳飲み子で継承権が発生していなかったはずだ。
 メレアーデ様もクオード様も心根の真っ直ぐなお方。父親の狼藉に衝撃を受けるであろうが、毅然とした態度で事態を直視できる強さを持っておられる。お二人ならば、この証拠を手にドミネウス様の間違いを正そうと立ち上がってくださるだろう。
 特にエテーネ王国軍軍団長を担うクオード様は、異形獣の問題に奔走しておられる。この証拠に書かれた、魔力を抜かれた者へ魔力を戻す方法は多くの被害者を助けるに違いない。クオード様ならこの証拠を確実に守り抜いてくださるはずだ。
 導き出された結論に大きく頷くと、自分は少年の肩に手を置いた。
「礼を言う、ルアム。其方のお陰でこの証拠が、研究者達の死が無駄にならずにすみそうだ」
 少年が柔らかく微笑むのにつられ、自分も頬が緩んだ。
 肩に置いた手を離すと、自分は部屋の隅に置かれた大きな硝子の筒の前に立つ。異形獣ことヘルゲゴーグの資料にあった、角の宝石に蓄えた魔力を抽出する装置だ。硝子の筒の蓋の部分に専用の器具を付ける事で、抽出した魔力を人の体に戻したり、時渡りの力を精製する事ができるらしい。専用の器具は硝子を傷つけぬようヨンゲのものだろうローブで包み、筒の中に入れておく。証拠も散らからぬよう箱に収めて紐で縛って放り込む。硝子が割れぬ為に付けられた金属の格子に手を掛けて担ぐと、少年に向き直った。
「兄さんが所長室に繋がる転送装置を見つけています。そこから所長室の秘密の通路を渡って、脱出しましょう」
 自分達が証拠を捜索している間に、周囲を探索し、異形獣が扉を打ち破ってきた際に即座に知らせる為に、部屋の外に待機してくれていたのだろう。プクリポらしい明るい剽軽な態度だが、細やかな心遣いがありがたい。
 自分が頷いて研究室の扉を開けると、少年に名を呼ばれる。
「国王陛下は、どうしてこんな事をしたんでしょう?」
 兄上は、なぜ、こんな事をしたのだろう?
 主の声と少年の声が、悲痛な響きを重ねた。
 この世界で最も発展し、栄華を誇るエテーネ王国の玉座。そこに座って手に入らぬものなど、何一つない。王の資質を持つ二人の子供は賢く、類い稀な才能で父王を支えておられる。王弟であるパドレ様は王位に関心はなく、ドミネウス様を強く支持していた。堅実なドミネウス様の治世が続けられれば、エテーネ王国の輝かしい歴史に名を刻み賢王と評価されたに違いない。
 それがどうして異形獣を使役し、民を苦しめているのか?
 何かしら理由が存在しなければ、こんな悪行に手を染めはしない。
 ドミネウス様に直に問いただしたとて、納得する答えは帰ってこないだろう。そう正直に返せば、この少年も、己が想定する主の反応も悲しみに沈ませてしまう。だが、このファラス、偽りを申す訳にはいかぬ。だから、こう答えるしかなかった。
「わからぬ」
 頭降った脳裏に浮かんだのは、『時の指針書』に書かれた時渡りの力という言葉。このエテーネ王国の栄華の象徴であり、王族の証と言える力。それが、脳裏を離れない。
 時渡りの力は、人々を幸せにする為のものではないのか?
 その疑問に己は『わからぬ』と答えた。


王立研究所惨殺事件編終了!おつかれさまでした!
パドレさん全力でわからないなーって思ってるだろうから罪深い男よ。

「ファラスさん」
 怒りに白く灼き切れそうな意識に、少年の声が響いた。はっとヨンゲの『時の指針書』から顔を上げると、利発そうな青紫の瞳を瞬かせ自分を見上げる少年の顔がある。少年に向き直ると、手に持った紙の束が差し出された。
「ヨンゲさんが研究していた『ヘルゲゴーグ』の資料です」
 少年が両手で持たねばならぬ程の厚みのある資料を繰れば、見慣れた異形獣の成長過程が絵付きで記されている。細やかな研究者らしい線画は、戦いで関わった者にはできない忠実さだ。爪や甲殻の強度を出す為の素材配分、魔力収集回路の計算式などは、製作者のみが知る情報だ。さらに収集した魔力をヘルゲゴーグの集積回路から回収し、時渡りの力を抽出する装置にまで言及されている。
 見覚えのある形に視線を向ければ、部屋の隅に置かれた大きな硝子の筒が見える。
 ヨンゲが研究していたヘルゲゴーグが、自分達が異形獣と呼ぶ魔法生物であると立証する重要な証拠となるだろう。多くの資料に押された王立アルケミアの印章とヨンゲのサインが、この証拠を保証するようだ。
 しかし。自分はヨンゲの『時の指針書』に視線を落とす。
 この中には魔法生物と記述はあれ、ヘルゲゴールと記載はない。国王陛下がヘルゲゴールの開発を指示したとは断言できない。しかし、この資料が王宮に提出されていなければ、この研究は隠蔽されていた事になる。監査をすり抜け隠蔽できたなら、国王陛下が関わっている事は間違い無いだろう。
 異形獣の被害は噂で聞いている。魔力を一気に多量に失えば命の危機があり、決して少なく無い人数が命を落としたと聞く。ヨンゲは製造に関わった。しかし異形獣を使役しエテーネの民を襲わせているのは、この王立アルケミアで錬金術師達を殺害したのは、国王陛下という事になる。
 この証拠を手に告発すれは、エテーネ王国は大きく揺らぐ。
 激しい心臓の音と共に視界が明滅する。縋りたいお姿は、探せど見つからない。
 あぁ、リンジャハルの大災害の時、どうしてお側を離れてしまったのか…。主の一大事に、従者の責務を果たせなかった後悔が胸を締め付ける。
「これを訴えても、揉み消されてしまうと思います」
 少年の声が暗闇の中に差し込んだ。視線を向ければ人々を蹂躙する国王の身勝手さに怒れる瞳が、明けの明星が輝く夜明け前の空のように美しい。
「このアルケミアの人々を殺した相手なら、訴えた途端に僕達も口封じの為に危険に晒されます。まずは、この事実を冷静に受け止めてくれる人を探す必要があります」
 なるほど。自分は少年の言葉に、冷静さを取り戻していくのを感じた。
 顎に手を当て、視線を宙に泳がせて思案する。
 ドミネウス陛下に直訴しても、この証拠は信用ならぬと言われてしまえば意味がない。最終的にドミネウス様は玉座を追われ、新しい王が即位する事態に発展するだろう。少年の言う通り、この証拠を見て冷静に事態を分析できる人物の協力が必要だ。
 この事実を捨て置く訳ではないが、慎重に物事を進めなくてはならない。

証拠を得て、たどり着いた事実。
ヨンゲさんは命を狙われてるから速攻で訴える姿勢だったろうが、もみ消しされるのは確定でしょうからねぇ。存命だったら自由人の集落に降るかして身を隠して、主人公に証拠を託すのがベストでしょうが託してくれたかはわかりませんね。
ヨンゲさんが死んだからこそ、明らかになる事実かもしれません。

うわぁああ!拍手が沁みます!ありがてぇ!
実は先週末に求人応募した介護施設、不採用にされちゃいましてねぇ。今、ようやく、気持ちが上向いてきたところです。正直、自分もここまで凹むとは思いませんでした。
だから、久々の拍手、とっっっても嬉しいです!
この拍手を噛み締めて、今日を乗り越えます。

 その日、先代国王陛下はお戯れにも、王位継承権を入れ替え主を次期国王に任命しようと仰られたのです。唐突の発言に、春の穏やかな昼下がりの空気は凍りついた。
 その理由を先代国王陛下は明言しなかった。
 先代陛下には二人の男児がいた。現国王のドミネウス様と、我が主であり王弟のパドレ様だ。共に優劣つけ難い優秀な方々であったが、強いて差を挙げるなら時渡りの力であろう。パドレ様は特に強いお力を持っており、その力で自分の剣先を読み、民に降りかかる災害を事前に言い当てる程であられた。
 パドレ様も驚きに目を見開き開いた口が塞がらなかったが、パドレ様の兄であるドミネウス王子の驚愕の顔は今でも忘れられぬ。見開かれた目は見る見るうちに充血し、厳しい顔のこめかみに血管が浮き上がって脈打っていた。真一文字に閉じられた口の中で、歯を噛み締めていると分かり、ぶるぶると体が小刻みに震えておられた。
 縁起でもない。パドレ様は兄君の様子に気が付かれぬまま、父王の発言を笑い飛ばされた。
『父上には、まだまだお元気でいてもらわなければなりません』
 その一言に家臣達は『御隠居を考えられるとは、王もついにご年齢を実感されましたか』と笑って濁すことに成功した。この時の先代陛下のお言葉が、どこまで本気であったかはついぞ知れなかった。
 しかし、父王のお言葉はご兄弟に暗い影を落とされた。
 主の苦悩は深くあられた。
『時渡りの力とは、それほどに優れたものなのか?』
 兄であるドミネウス様を、パドレ様は弟という贔屓目を抜いて尊敬しておられた。ドミネウス様は幼くして神童と呼ばれる知識と、聡明さをもっておられた。恵まれた体格は武勇に優れ、魔法も剣も一流であられる。地上に住まう民の暮らしに、王族の誰よりも親身に寄り添われていた。それらを正しく使う為に、並々ならぬ努力を重ねておられる事をパドレ様は父である先代陛下よりも理解しておられたのだ。
 時渡りの力などなくても、良き統治が行われる国はいくらでもある。
 だからこそ、時渡りの力の優劣で王位継承順位が変動する事に、ドミネウス様よりも憤りを感じておられた。
 ドミネウス様の御即位を知っておられれば、間違いなくパドレ様は王国で最も喜ばれただろう。
 即位前より兄がこの王国をより良く統治してくださると、自分が嫉妬するほどの信頼を寄せておられた。黄金の王冠を戴き世界で最も偉大なる王の姿を体現せしめたドミネウス新国王は、パドレ様が望んだ未来であった。
 将来は兄の傍に立ち、王国を支え、愛する妻と子と穏やかな日々を過ごす事を望んでおられた。それは行方不明な現在、叶わずにいる。しかしドミネウス様は弟であるパドレ様の願いに報いる為、王政に励んでおられると思った。
「なんということだ…」
 怒りが込められた指先に、ヨンゲの『時の指針書』がみしりと音を立てる。
 パドレ様の信頼を、こんな早くから裏切っておられたとは…!


ファラスさんの主はこれくらい思うやろってことで。
名前を隠しても別段今後には影響ないかなということで、パドレさんのお名前も解禁です。このエピソードはジェリナンから聞かされるのですが、噂や憶測でものを発言しているように見えなかったので意外と多くの人の間でぺろっと出た発言なのかなぁと思います。
リンジャーラさんが狂う程に良い人らしいですが、まぁ、たぶんうちはそうなりません。残念な主になる予定です。

 足早にルアム達の脇を抜け奥を目指す。金属を仕込んだ靴底と床がカンカンと早鐘のように音を立て、培養液の中で微睡む異形獣が目を覚ますのではと思う程に響いてしまっていた。プクリポがヨンゲの首からスカーフを外して作った花と交換した、金色の王立アルケミアの紋章が刻まれたマスターキーを取り出しながら奥の光を目指す。
 奥の扉を開け放つと、闇に沈んだ空間が薄暗く照らされる。
 王立アルケミアなら何処にでもあるような、ごく普通の研究室だ。正面には立派で大きな机が置かれ、机が見えぬ程の紙と本に埋もれている。壁一面に作り付けられた本棚には、隙間という隙間に本や書類を束ねた冊子が押し込まれ、溢れたものは堆く積み上げられていた。壁際にはどう使用するか見当もつかない、様々な器具が転がっている。中には自分でさえ担ぎ上げる必要がある大きな硝子の筒も存在した。
 部屋の中を見回し、鮮烈な青に目を留める。
 革張りの椅子に座れば手の届くような場所に、金の箔押しがきらりと光った。青い重厚な装丁にはタイトルはないが、エテーネ王国の民ならば即座に『時の指針書』であると分かるだろう。ずしりと重い本を手に取り表紙を捲れば、ヨンゲの名前が書き込まれている。
 既に数冊目に突入した『時の指針書』であったらしく、ページを繰ってすぐにその言葉があった。
 『ドミネウス王子より、魔力収集能力を備えた魔法生物の錬金指示が下る。謹んで受けるべし』
 王子。その言葉に自分は目を眇める。
 現国王ドミネウスが即位したのは、つい最近だ。この魔法生物が異形獣かは断言できないが、ヨンゲとドミネウス陛下は王子の時代から既に繋がりがあったのだろう。異形獣を製造する期間が長く必要であると考えれば、当然と言える。
 ヨンゲの『時の指針書』には、ドミネウス王子の指示に従えという内容が頻繁に書き込まれていた。魔法生物の強化、量産、提出と指示の内容が推移していく。読み進めると、ドミネウス王子という記述はドミネウス国王陛下へと変わっていく。
 『収集した魔力より時渡りの力を抽出する装置を錬金せよ。ドミネウス国王陛下の意向に沿うべし』
 時渡りの力。
 その言葉に、自分は主の苦々しい顔を思い出していた。

プクリポなので手向けの花は欠かさない。なければ作る。
前半で触れてる部分なのでさっくり。
ちょっと次と一つで繋げちゃうと長すぎるので、ここで分けます。

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