ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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今のご時世、喫煙者の肩身は狭い。
 副流煙は肺癌のリスクがあるからと、喫煙スペースはアクリルの壁で囲われている。文句も言えまいと、煙草税はかけ放題だ。正直、人権もないのでは?と思う。
「電子タバコの喫煙者が増えているけれど、やっぱり昔に比べれば吸う人は減ったね」
 隣で紙巻きに火を付けた佐々木さんは、軽く吸って赤い熱を煙草に染み込ませる。佐々木さんは一本を随分と長く保たせる。煙草がよっぽど好きなんだろう。口の中で煙を転がして、肺の奥まで吸い込んで、喉から鼻へ抜ける香りを感じる。それをじっくりと味わうようで、煙草を吸っていると遠くでぼやける街灯を細めた目がぼんやりと眺めている。
「喫煙所に来る人が減って、寂しいね」
 眉尻しょんぼり下げて言う横顔に、赤マルボックスを手に弄びながらあたしは言う。
「あたしはいつもおひとり様なので、寂しいって思った事もないのですが」
「そうかぁ。このお店は喫煙者が田山さんだけなんだね」
 そう年上の草臥れた男性は、ありがとうと頭を下げた。あたしは指に挟んだ煙草を吸いながら、白髪混じりの旋毛が上がるのを待ってから訊ねる。
「お礼言われる事、何かしたっけ?」
 佐々木さんは『してるよ』と笑って、節くれだった手で灰皿を指差した。
「だって、田山さんが吸い殻を片付けてくれるんでしょ?」
 思わず目を見開いた。
 煙草を吸う者が灰皿の吸い殻を片付けるのは常識だ。煙草を吸わない人は、喫煙者よりも煙草の匂いをキツく感じると言う。あまり仕事中に煙草が吸いたくなる質ではないが、煙草休憩をさせてもらっている手前、喫煙所の清掃は自分の仕事と思っていた。
 にっと口元が上がる。当たり前だと思った事に感謝されて、柄にもなく心が浮き立った。
「じゃあ、今度は佐々木さんに片付けてもらおうかな」
 えぇ! 露骨に驚いた中年に、声を出して笑う。
 二本の煙草から出る煙が、あたし達の頭の上で絡み合っていった。

まだ6話目くらいし読んだだけで本の購入はまだ悩んでるんですが、結構好感触です。
なんか書きたくなって一本上げてみたが、どんなもんでしょうなぁ。
いや、稲野は煙草吸わないんですが、生まれた時から親が吸ってたんで煙草に関しては結構理解ある方。煙草休憩行って来て良いですよって送り出すし、愛煙家キャラ書くだけあって喫煙を肯定的に捉えています。吸い殻掃除も業務に組み込まれてれば、普通にします。電子タバコはわかんないけど、紙巻きの知識はちょっとだけある。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
現在、DQ9紙媒体は現在フィオーネの乱編(笑)で170頁を超え、200頁確定なのでは?と恐れ慄いています。こわい。200頁とか怖すぎる。

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