ハコの厚みはここ次第!
■ Calendar ■
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
□ search □

 炸裂音が響くと、悪鬼ゾンガロンへ大砲が放たれたのです。シールドオーガすら盾ごと押しつぶす鉄球が悪鬼へ襲い掛かるが、それは肉厚な翼によって受け止められてしまいました。
「そう急くな。堪能した食事の余韻を味わっている」
 バグド王が拳を振り上げ叩きつけようとしましたが、悪鬼の体から黒い力が迸り、危険を察したバグド王は攻撃を中断して大きく間合いを開けたのです。体から黒い光を溢れさせる悪鬼は、げっぷと生臭い息を漏らしたのです。
「おぉ。昔日の力が蘇っていく…」
 それは美味しいものを、たらふく食べた満足感が溢れた声色でした。
「コイツを消化し吸収すれば封印による消耗も癒え、全盛期の力を取り戻すだろう」
 異形獣だったものはもう幾許かの骨と外装の欠片が散らばり、地面に染み込んだ血は牡丹雪に覆い隠されていく。異形獣を嗾けた黒衣の剣士の姿も、いつの間にか消え去っていたのです。
 あの黒衣の男が繭と関係があるとして、一体、何をさせたかったのか?
 グランゼドーラを襲撃した異形獣は、不死の力を封じられなければ、勇者や賢者様が死力を尽くしても勝利できない強敵だったと聞きます。アストルティアを滅亡に導く強敵として差し向けられたなら、納得の敵であったでしょう。
 しかし、グレンを襲った異形獣は、ゾンガロンの乱闘がなかったとしてもバグド王が討伐できていたに違いありません。
 まさか、悪鬼に食事を提供してやるつもりだったのでしょうか?
 悪鬼が力を取り戻せば千三百年前の続きをすると見越し、アストルティアの滅亡の一歩として悪鬼を利用しオーグリードが滅亡する未来をもたらそうとするのは分からなくはありません。
 しかし、傲慢な悪鬼がオーグリードを滅亡させた後、黒衣の剣士が望むように動くとは思えないのです。いつか、必ず悪鬼は黒衣の剣士に牙を剥く。異形獣を食らったゾンガロンを見て、分からない訳がありません。
 不死の力を持った異形獣を使役する黒衣の剣士にとって、ゾンガロンとはそんなに利用価値のある魅力的な存在なのでしょうか? 不死の力を持つ異形獣をオーグリードに放てば、ゾンガロンと同等の被害を与えることは容易いはず。どうして裏切るのが確定している存在を、復活させ、力を取り戻させてやるのでしょう?
 無料より高いものはない。
 我々では想像もつかない謀が蠢いているとしか、思えませんでした。
 ゾンガロンの体が黒い靄に包まれ、ふわりと浮かび上がったのです。
「オーガ共よ、震えて待つが良い!」
 黒い風となった悪鬼がグレンを旋回し、吹雪の彼方へ消えていく。
 しかし、それを追う者は誰もいませんでした。吹雪の中を深追いすれば、追手として向かわせた戦士の命が危ぶむだけではありません。あの悪鬼だけが脅威ではない。その事実が、頭上に繭となってのし掛かっているのです。
「頭が痛いな」
 戦って叩きのめして終わり。
 そんな簡単な問題ではないと、誰もがわかっていました。

中編終了!

Comment
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
pass

Copyright © ハコの裏側 All Rights Reserved.
Powered by Ninjya Blog