ハコの厚みはここ次第!
■ Calendar ■
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
□ search □
ガンガンガンと警鐘がグレンの岩肌を反響しました。
その音を聞いた誰もが、警鐘が取り付けられたグレン城で最も高い尖塔を見上げたでしょう。巨大な岩をくり抜き建てられた城は、大地に突き立てられた剣とも、天に突きつけた鋒とも呼ばれ、人々は空に向かって怪訝そうに目を細めたのです。そして、誰もが驚きに目を見開いたでしょう。
北のランガーオで雪として全て吐き出しカラカラに乾燥した空気は、南のグレンに滅多に雨を齎しません。雲一つない軽やかな青空が常日頃続くグレンの空が、この時は真っ黒な雲に覆われていたのです。それだけではありません。その真っ黒な雲は渦潮のように頭上を回り、その中央には巨大な繭のようなものが吊り下がっているではありませんか。
想像を超えた光景にあんぐりと口を開けて見ている者達は、ふと、空に白いものがちらついているのに気がついたのです。
雪。
グレンでは滅多に見る事のできない白く儚き存在が、はらりはらりと降り注いできます。最初は指先に点と乗った小さい粉雪が、白い息に気を取られている間に手のひらいっぱいの牡丹雪に変わっていくのです。視界は降り注ぐ雪に霞み、冷たい風が民の肌を突き刺しました。
兵士達が住民達へ室内へ戻るよう勧告する頃には、グレン城下で遭難する程の猛吹雪になってしまったのです。
ガズバラン様の祝福を授かった炎が赤々と燃える炉は、直上のグレン城をサウナに変えていました。まるで真昼のゴブル砂漠を彷彿とさせる灼熱具合。
グレンの戦士の頂点に立つバグド王は、不動の巌のように玉座に腰を下ろしておられる。冠に取り付けた真紅の鬣の内側はぐっしょりと汗にまみれ、毛皮のマントの下の素肌にぷつぷつと汗が噴き出ています。兵士達もあまりの暑さに鎧を脱いで鍛え抜かれた筋肉が剥き出しになっており、脱いだインナーで流れる汗を拭いています。僕も青いスカーフを剥ぎ、上着を脱いで半袖一枚で玉座の間の壁際に立っていました。あまりの暑さに耐えきれず、外の吹雪に飛び出していく者もいます。
そんな中を暑さに慣れているのか、普段と変わらぬ装いの武器鍛治ギルドのマスターが進み出ます。腰に吊るしたハンマーを一つ大きく響かせて足を止めると、胸を叩き精悍な顔を軽く伏せる。
「バグド王。武器鍛治ギルドの炉の熱が、グレン城下の全世帯へ行き渡りました」
グレンは過去に襲われし偽りの太陽の対策で、地下深くに流れる水脈の冷気を行き渡らせる通風口が全世帯に繋がっています。今でも熱波が酷い時に活用する天然の冷房装置ですが、今回は武器鍛治ギルドの炉の熱を行き渡らせる手段として用いているのでしょう。グレンは一年を通して乾燥した温暖な気候なので、この寒さに慣れぬ者は体調を崩してしまうでしょうからね。
通してください! オーグリードでは政務に人間が関わる。小柄な中年の男性は、林のようなオーガをかき分けて進んでいました。
王の前に到着したタコメットのような大臣は、水の入ったグラスを渡されて一息に煽ったのです。はぁー。肺の中身を絞り出すような溜息をこぼすと、ぴしっと背筋を伸ばします。胸と腹の贅肉がふるりと揺れる様を見て、絞り甲斐があると幾人かのオーガの目が光ったのを見ぬふりをします。
「大地の箱舟の最終便が出ました。希望した住民及び、冒険者はほぼ乗り込めたでしょう。グロズナー陛下とディオーレ女王陛下への書状も共に運ぶよう、手配済みです」
ご苦労。王がチグリ大臣を労い、傍へ据える。
王が立ち上がると、戦士達が姿勢を正した。玉座の間に集まった頼もしい精鋭達を、武器鍛治ギルドの床が見えぬ程に集まった勇敢なオーガの戦士達を、開け放たれた扉を抜け逃げる選択肢を捨てて留まった冒険者達を、王はひとりひとり確認するように見回した。
「グレンに残りし勇敢な戦士達よ! 先ずは我と共に戦う決意を固めてくれた事、心から感謝する!」
拳を突き上げ、闘気が迸る王の声が反響した。
「我らの上空に現れた事を、後悔させてやろうぞ! 全力を持って、敵を粉砕せよ!」
戦士達が武器を掲げ雄叫びを上げる。その声は堅牢なグレンの巌を突き抜けて響いた。
中編の視点が誰かは、次の話で明らかにする予定です。
現実的には無理ゲーなランガーオとグレンの天候事情なのだが(本来なら山にぶつかって降雪するので、オーグリード大陸の真ん中の川あたりで水を吸い上げて北上する場合、グレンもある程度湿潤な空気であるべきなのだが、公式では割と乾燥して荒涼とした土地。その為、東に向かう偏西風で、ランガーオ山地に海水の蒸気を吸い上げた雲が当たり降雪するという説明しかできなくなる。ラギが一番雪深いだろう地なので、理にかなってるっちゃあかなってる。くやしいのぉ)、適当になってしまいました。敗北である。
拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
