ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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さて、巷で話題のユアストを見てきましたので、雑感を述べさせていただきます。
これは、稲野個人の感想でありますことを、ご了承ください。ネタバレを多分に含みます。

最初にSFCDQ5の映像が流れるんです。私はこの段階でとっても冷めた感情を抱いてしまいました。なんというか、扱い方が雑。最後の最後に私が自分の貯めたお金で購入した思い出が具現化したSFCDQ5のカートリッジが出てくるんですが、それを含めた当時からのプレイヤーへのファンサービスとしては雑としか言いようがない。全部見終わって今思うと、その画像はいらない。パパスとその息子は母を探して世界中を旅していました。だけでスタートしてよかった。
もし、SFC版の映像を使うなら、そのドットの世界が映画のハイクオリティなCGにせり上がってくるくらいの演出であって欲しかった。そうすればドットの世界が今はこれだけ進化した的な表現になれただろう。本当にこの雑な扱いぶりに怒りすら湧き、ネタバレで事前学習していた私はこの作品への期待をマイナスにまで貶めた。いや、当然このSFC版の画像が出たことで色々と感情の動くファンは多いはずだ。でも、それはファンの思い出補正だけ。知らない人には華麗なグラフィックを期待してたのになにこのドット?って嘲笑されても良い。そうされないのはDQ5が国民的なゲームだから。国民的ゲームって言っちゃうのは私としても躊躇いますが、これだけ大炎上してるんじゃあ国民的ゲームだったんだと思う。

映像の秀美さが本当に素晴らしい。ぎゅっと詰め込まれたファンタジー。ちょっとDQっぽくはないけれど、私が好きな幻想が描かれた美しさは本当に素敵だった。
サンチョがめっちゃサンチョ。鳥山先生の絵でなくても、彼だけはとってもサンチョしてた。本当にサンチョがもっとも原作を忠実に再現した。かわいい。
パパスさんの頭身が微妙に違和感を感じて、ちょっと集中できなかった。でも僕の大好きな世界一強いおとうさんしてて凄く好き。小説版の死に様がゲマの卑劣さ大炸裂も相まってもう輝く宝石だったので、それと比較するとどうにも映画パパスは鈍くなっちゃう。でも、それは小説版パパスが素晴らしすぎる話であるだけなので、映画版も十分にパパスとして素晴らしいです。
リュカ。なんかもう、リュカって顔じゃないんだけどどうしよう。アベル。マイク。ケイン。いや、なんだろう。もう少し、逞しい響きを持つ名前にするべきだった。小説版のリュカはとっても優しいという内面も勇者の父としてヨソヨソしくしてしまう不器用さもあって、リュカの優しさや弱さが適合するんですよ。ベストマッチなの。でも、彼は前向きで出来ない言いながらもやってみるかって大胆さもあって、映画の演出上しかたがないけどコミカルな動きでも無難に困難乗り越えるの。うーん。これ。結局『リュケイロム・エル・ケル・グランバニア』って名前使いたかっただけでリュカにしたんじゃね?とか思ってしまうんだけど、監督がこの名前はふと浮かんだんだよ的なことを言ってるという噂もあるしもう久美先生が浮かばれなくて本当に可哀想。辛い。
ビアンカもフローラも好き。二人ともかわいいし、二人と出会った瞬間にSFCの画像で流したくだりをCGの一枚絵をフラッシュとして差し込むだけで全然よかったと思う。
大神殿脱出はよかった。しかし、念には念をって体に肥溜め塗りたくらなくても、お前ら風呂には10年くらい入ってないから臭いし大丈夫だよって言いたかった。念を入れるなら滝から落ちる前にスカラ掛けても良いんじゃないすか?この樽によるスタイリッシュアクション大脱走劇だけでユアストを見た甲斐があった。
ヘンリー無精髭。お前らは髭剃ってられる程に優雅な奴隷生活だったのかよ。
受け止めたおっさんグッジョブと思ったらプサンさんなんか。まぁ胡散臭いかんじよりも仙人っぽい方が説明楽ですものね。
ブオーン戦。あのですね、私はDQ10プレイ済みなのでいうんですけど、ブオーン小さくって本当に末弟との感想会でマイナス100点ぶち込むレベルの残念ポイントでした。知らない人なら十分に大きいでしょうけれど、こちとらナドラガとの大怪獣大戦における最高に漢で最高にアストルティアを守る盾を張った誇り高きブオーン見てるのでね、小さくってブチ切れもんなんですよ。苔むした体は加点100万点です。苔大事。しかし、フオーンくらいのサイズ。もう本当に残念だった。戦いはアクションも速度もノリノリで、とっても引き込まれる作画でした。この戦いだけでユアストを見た甲斐があった。
グランバニア設定はなしなのは良い。だからこそ『ビアンカ・なんとか・アルカパ』ってところで「マサラタウンのサトシ」みたいな意味合いでフルネーム使ってるんだなって感じてしまう。そりゃあ久美先生怒っちゃうよね、って思った。私もグランバニアの設定がなくてもいいけど、結婚の格式ばった特別感を演出するためだけに、突然のフルネームは大草原なみに草生やしちゃうよって思いましたとも。
ねぇ。娘は?娘はどこに行ったんですかね?ねぇ?え?これはスクエニに抗議のお電話入れて良い案件ですよね?掛けちゃうよ?
息子が全然アルスって顔じゃないんですけど、どうしよう。どっちかっていうとティミーって顔で、ずっとどうしようって思ってた。天空の剣を抜く瞬間の演出はガチで心震えました。ユアスト見た甲斐があった。良い子なんです。声から滲み出る可愛らしさ純朴な精神。しかしアルスって名前じゃない顔なのでもうどうしよう。あと8周くらい映画見ないとアルスって定着できない。きっとしない。
ポワン様10のデザインめっちゃ汲んでるんですけど、なんかもう、あぁ、うん、言葉にするのが面倒くなった。
いやぁーーーーーーマスドラはキャラバンハート仕様じゃないですかカッコイーーーーー!!!やっぱ暴力で殴ってくる最強のモンスターマスタードラゴンだったあの時代が最高に輝いていた。強いなーーー!好きだゼーーーー!見た甲斐があったーーー!!
からの、ビアンカのメラゾーマ連発めっちゃ冷める。あのね、私はDQ10やってるから言うんだけど、メラとメラゾーマでは詠唱して発動するまでの時間が違うの。メラガイアーレベルになると一発撃った後に次打つまでにチャージタイムが必要なの。それなのにメラとメラゾーマの差が大して変わらないとか何事なの?そんなメラミみたいな火球をメラゾーマっていうの?ふざけないでくれる?プクリポ一飲みするレベルの火球を上からあえてのスローで落としてくる10のメラゾーマを見てきてほしい。メラみたいに安売りしないでください。あれですか?メラゾーマじゃないメラだのオマージュですか?要らないですよ。ここで娘の存在があればもう少しチャージやら詠唱時間の概念がもう少しマシになったのに。
ヘンリー三國無双から出てきたような格好で吹く。嫌いじゃない。むしろ、映画ヘンリーだから似合う。
続々と集う縁。エンディングに向かって高められていくテンション。こちらも手に汗握っていきます。
そしてあの瞬間。
流石にネタバレ自習してきて覚悟してたけど、ひぇってなりましたね。うわーーーって今まで積み重ねてきたこの映画ドラゴンクエストユアストーリの興奮と感動が全てフラットになる感じ。すごい。ここで全てをゼロにする。
からのスラリン最大の見せ場。もう自分でもびっくりするぐらい、笑いの感情が込み上げて堪えられなかった。この監督が伝えたいメッセージを、役者のシリアスが叩き潰してくれます。もう感動とか感想とかを、笑いがブルドーザーで全てなぎ倒して均して更地にしていく。もう監督が伝えたかったことは何もわからないままに映画が終わる。ギャグとしては最高のタイミングでのスラリンの見せ場だった。

結論はあの瞬間までは最高だった。
監督のメッセージは全くわからなかったので、映像作品としてはよかったかもしれないですが、映画作品としては全く意味のないものでした。だって、映画って何か伝えたいことがあるじゃないですか。それを主軸にストーリー作るじゃないですか。それが全く伝わらない。もう笑いがあの瞬間から後のことを全てなぎ払った後で、ぺったんこの地面から芽吹くメッセージはありません。ある意味すごい映画でした。映像を見に行くのならオススメするけれど、映画を見に行くならオススメしない。そんな映画でした。

最後に結婚のワルツも流さないとか、電話突撃案件ですよね?

なんかまだ色々言いたいことがあった気がしますけれど、結局、DQ5の映画だから私は文句を言ってるんだろうなって思った。なんという残念。

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