ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 ジョッキを受け取り席を薦めると、ジーガンフは毛皮と敷き布を重ねた宴席に腰を下ろす。引き締まり隆起する立派な肉体を持つオーガの戦士でも、一際体格に恵まれた男だ。精悍を通り過ぎ岩のような愛嬌のない顔に、短く切り揃えた黒髪はよく似合っている。
「ジーガンフ殿。貴殿のような素晴らしい実力者の隣で、舞を踊れてとても楽しかった」
 熱い酒を片手に朗らかに賞賛するダズニフに、ジーガンフの表情筋はぴくりとも動かない。初対面の相手であれば戸惑うだろう反応だが、目が見えないので気にもしない。
「敬称は要らん。ダズニフ殿のような武人と出会えた事が、俺にとって何よりの収穫だ」
 じゃあ、俺もダズニフって呼んでくれ。気さくな声に『うむ』と、ダズニフだから聞き取れる唸り声が返る。
 毎年、ランガーオ村の武術大会の優勝者が儀式の中央で舞手を務めるが、今年は飛竜の襲撃で大会が中止されている。村王は傷の深さに日常生活に支障はないが、時折、内臓が引き攣るのか動作にぎこちなさが生じる。村王の娘婿も、一命を脱したばかりで日常生活が精々。そんな父と婚約者の世話を甲斐甲斐しくする村王の娘。
 村の中核を担う存在が舞手を担えない状況の中、呼び戻されたのがジーガンフだった。マイユと並び神童と呼ばれる才能を見せていたが、修行の旅に出てから更に磨きが掛かったといえる。
「旅立つ前に一戦交えたい」
 喜んで。赤い岩のようなオーガの手と、鱗が覆う竜族の手ががっちりと握られる。暇乞いをして離れていくジーガンフを見送り、ダズニフは『ルミラ』と随分深刻そうな声で囁いた。
「ジーガンフはお前に好意を持ってるのか?」
 想像だにしなかった言葉に、思わず吹き出してしまった。
 あぁ、勿体無い。溢れ出た声が可笑しさに弾む。口元を拭いながら、自分はジーガンフの消えていった方角へ視線を向けた。
「姉はジーガンフに『大人になったら、ジーのお嫁さんになりたい』と告白したことがあるのだ。姉と自分は瓜二つだったから、大人になった姉を想って意識してしまうのだろう」
 ジーガンフと自分達はランガーオで子供時代を過ごした幼馴染。しかし、病弱な姉は家のベッドにいることが殆どで、健康で武術の才能に溢れたジーガンフに憧れるのも当然の成り行きだったろう。南のガートランド王国へ旅立つ日、姉は両親や妹の自分の目を盗んでジーガンフに告白したのだ。
 叶う事のない告白だと、誰もが分かっていただろう。
 姉はもう二度とランガーオに戻れず、長く生きられない事を悟っていた。
 ジーガンフとて、姉が大人になれるとは思っていなかったろう。そしてまるで枯れ木のように細い手足の病弱な姉に、何の魅力も感じていなかったに違いない。
 それでも、姉の想いはジーガンフに微かにでも届いたのだろう。
「死んでしまった姉を想ってくれる。これほど素敵な事はない」
 力を尊ぶオーガ族において結婚を申し出る女子も引く手数多な男が、未だに修行にのめり込む朴念仁。愛も快楽も知らず武術を極める人生を、人は寂しいと言うのかもしれない。
 それでもジーガンフの最も近い場所にいる娘は、今は亡き姉に違いない。
 あの男は、あぁ見えて情の深い男なのだ。

アストルティアの星では初登場ジーガンフ君です!
ver7で活躍していましたが、本当はここで登場させないなんてどうなってんの???って案件だったのでここで登場していただきます。

 ロンダ岬に積もった処女雪が、故郷に本格的な冬の到来を告げる。
 強烈な潮風が生み出すダイアモンドダストが散る体感温度の中で、村の戦士達が夜通し舞を踊る。戦士達の燃える肉体は白い湯気を発し、屈強な男達が叩く太鼓はランガーオ山地に響き渡り、老人は篝火の火を絶やさぬよう番を務め、女子供問わず参加者達が踏み鳴らす音がロンダ岬の洞穴の氷柱を震わせる。
 ランガーオ村にとって、最も大事な儀式だった。
 腕を突き、四股を踏み、腹の底から気合を発する奉納の舞は、太鼓の音と合わさって原始的な踊りと言えるだろう。しかし、太鼓のリズムは心の臓を震わし、体の奥に炎となって燃え盛る。寒さも疲れも一切感じることなく朝日が昇るまで踊り抜ける、不思議な活力。オーガの種族神ガズバラン様の恩恵を、全身で感じられる機会だった。
 ランガーオの高い山を越えて太陽の光が届いたのは、昼頃だった。村王の合図で太鼓の音と舞手の高らかな気合いが大きく響き、盛大な拍手と歓声で儀式は終わりを告げる。村の女達が炊き出してくれた暖かい食事や酒が行き渡り、参加者達は熱る体をロンダ岬に吹き込む潮風で冷ましていく。
 自分も二人分の食事を手に、友人達の元へ向かった。
「美味そうな匂いだな! ルミラ。ありがとう」
 虹を帯びた銀の鱗が肌を覆い首から上は竜の頭を持つダズニフは、待ちに待った様子で自分を迎えた。黒曜石を彷彿とさせる黒々とした角と同色の柔らかい髪は目元に厚く落ち、強風に吹き上げられると固く閉ざした瞼が覗いた。白と紫の布を合わせて帯で締める原始的な装いだが、光の加減で模様が浮かび上がる一目で最高級と言える布だ。引き締まった肉体が布地から浮き上がり、種族神の長子の子供らしい威厳を漂わせている。
 鼻の穴を膨らませたダズニフは、嬉しそうに皿を受け取った。
「グランゼドーラの方が騒がしいってのに、こんな貴重な儀式に参加させてもらって飯まで貰えるだなんて、申し訳ねぇな」
 アストルティアが滅ぶ未来が迫っていると、ルアム達は自分達へ手紙を出していた。
 実際にグランゼドーラ上空に巨大な繭が出現し、その周辺の天候が嵐の続く異常気象にさらされている。不死の力を持つという異形の魔獣が出現し、勇者アンルシア姫と盟友のピペ、仲間であるラチックとケネスとで討伐する予定だと手紙には綴られている。仲間の危機に駆けつけたい所だが、これだけ歴戦の猛者が集っているのなら問題ないだろうという信頼がある。
「この儀式はオーグリードの安寧に、必要不可欠な重要性を持つと伝えられている。村王たっての参加要求に応じてくれて感謝しているよ」
 ギルに繭の偵察をさせるか返事を書いた時、その嵐の苛烈さから危険だと断られた。ダズニフなら可能だったかもしれないが、ランガーオの儀式を優先してくれた心遣いはありがたい。
 この祭りに参加した他種族の者は、一千年以上の歴史の中でも数える程度しかいない。それだけこの儀式は重要であり、その儀式の参加を許された者はランガーオに深い縁を持つということ。見学を申し出た吟遊詩人だという人間の男は勿論、自分達の友人としてついてきたギダも、ロンダ岬に立ち入る事を認められなかったしな。
「ランガーオ村を守った英雄だなんて、こそばゆいよ」
 複雑な顔をした横顔に、自分は気にするなと笑う。
 神の器を狙ったアンテロが飛竜を嗾け、ランガーオ村は襲撃を受けた。建物の損壊は酷かったが、死者が一人も出なかったのはダズニフのお陰だ。同族の尻拭いをしただけと笑うが、村の為に死力を尽くしたダズニフに恩義を感じる村人達は多い。
 ダズニフが顔を上げると、こちらに向かってくる一際大きな影がぬっと落ちた。木をくり抜いたジョッキに注がれた熱い酒の湯気で顔は見えないが、挨拶もせずに硬い雰囲気を醸す朴念仁を自分はよく知っていた。
「飲み物を取りに行こうと思っていたのだ。ありがとう、ジーガンフ」

オルセコ編開幕です!
最初はver3でもちょっと触れてた、ルミラが年一で里帰りする理由であるお祭りから!
何気にギダさん連れ出されてるけど、私的に彼を優遇したいんだ。

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ぱちぱちっとありがとうございます!

 わっと湧きあがった兵士達の歓声は、瞬く間に尻窄んだ。
 乳白色の光を放つ繭からゆっくりと降りてくる黒い影に、気が付かぬ者などいなかったからだ。その黒い影は魔獣ではなく人間の男性だった。真っ黒の衣とマントが繭の光に沈んでいるが、闇の中に浮かび上がる片手剣の鞘に剣士であろうと推測できる。黒衣の剣士は二階相当の高さに浮いて、眉間に皺を刻んだ険しい表情で私達を睥睨した。
「早過ぎるな。何故このような事に…」
 顎に当てていた手を息絶えた魔獣へ向けると、繭から糸が解れて魔獣へ掛かっていく。不死の魔獣だけではない。勇者の橋で兵士達に討たれた異形獣達も絡め取られ、繭へ引き上げられていく。まるで獣が捕食対象を食らっているような光景に、言い様のない気味悪さを感じずにはいられなかった。
 あれが、不死の魔獣の背後にいる存在?
 叡智の冠の賢者様達も、繭の中身がなんなのかは分からないといった。しかし、今ならなんとなく理解できる。世界を滅亡の危機に追い込むかも知れぬ脅威である不死の魔獣。それすらも吸収した繭の中には、アストルティアが滅ぶ程の厄災が微睡んでいる。
 あの繭を育成しているだろう黒衣の剣士が、黒幕かは不明だ。だけれど、奴を止める事ができれば…。レイピアの柄を握る手に、無意識に力が入る。
 ふと、黒衣の剣士が何かに気がついたように、鋭い目元を見開いた。
「どうやら、お前達は我が目的の障害となり得るようだ…」
 ゆっくりと剣を引き抜き、上段に構えた直刀が紫の妖気を纏わせる。それを青眼に振り下ろすと、紫の光が衝撃波となって前方へ迸った。グランゼドーラ城前の後方。そこに、黒衣の剣士が殺害を決める何があるというの?
 勇者の橋に巨大な剣撃を刻みつけながら走る衝撃波は、黄緑色の光によって遮られた。甲高い剣同士がぶつかり合う音を聞いて目を眇めた剣士は、剣を握っていない手で指を鳴らす。
 繭から再び異形獣が勇者の橋へ滴り落ちるが、異形獣達は私や兵士達に目もくれず、剣士が衝撃波を放った先へ突撃した。しかし、その異形獣達も瞬く間に切り伏せられていく。ある異形獣は胴を両断され、ある異形獣は鋭い突きに橋から転落し、頭上を取った影がまるで舞うように複数の異形獣の首を飛ばした。両手に持った双刀の剣が ぎらりと光った瞬間、二重のギガスラッシュが黒衣の剣士に襲い掛かる。
 黒衣の剣士は眉を顰め、紫の光を這わせた剣を無造作に振り下ろした。異形獣を一撃で屠る剣士の渾身だろう一撃を、黒衣の剣士は難なく相殺して見せたのだ。
 何の感慨も浮かばぬ黒衣の剣士は、一つ瞬きをした合間に、元々そこにいなかったように姿を消していた。いや、黒衣の剣士だけではない。頭上に広がる繭も、先ほどまで多量にいた異形獣達もいない。
 残されたのは戦いの跡と、ルアム君達が縋り付く気を失った剣士が一人。
 頭上には忘れかけていた青空が、美しく広がっていた。

グランゼドーラ編終了!!!!!!

 が。が。不死の魔獣が顎を大きく上げ、再生が止まった腕を光の塊へ伸ばす。
「不死なる精魂、我に、力を…!」
 光の塊から光が溢れると、光に触れた不死の魔獣の腕が再生を再開させる。その腕を踏み台にし、ケネスが不死の魔獣の上を取った。
 銀の光の河を凄まじい勢いで黒い光が逆流し、ケネスに到達する。ケネスは歯を食いしばり、真っ黒に染まった両手で黄金の不死の力を掴んだ。溢れる光がぎゅっと縮まり、不死の魔獣の腕がどろりと腐って落ちていく。
「これはお前のものじゃねぇ! ネロドスのもんなんだよ!」
 怒り狂った魔獣が尾を振り落ろし、ケネスが橋に叩きつけられる。意識を失ったのかぐったりしたケネスだったが、不死の力を胸に抱え込んで手放さない。そんなケネスを殺意を迸らせ見下ろした魔獣は、大きく尾を振り上げた。
「ケネス!」
 例えケネスであっても、不死の魔獣の渾身の一撃を受けたらタダじゃ済まない!
 仲間を助けようと駆け出した私の横を、さらに早い速度で誰かが追い抜いていく。その背を黒い光が遡り、手に持った剣が眩い光を放つ。
 グランゼドーラの紋章が刺繍された真紅のマントを翻し、光の剣を下段に構えたのはお父様。振り下ろされる尾を下から切り上げた剣は、まるで柔らかいものを斬るように難無く尾を分断した。絶叫する不死の魔獣を後目に、お父様はケネスの傍に膝をつき、抱え込んだ不死の力に手を伸ばした。がっちりと掴んだ手の間に剣の鋒を当て、お父様はまるで魔王ネロドスに向かい合ったように表情を引き締めた。
「魔王ネロドスよ。其方の宿敵の代理として、今代の勇者の父であるこのアリオス、聖魂の剣にて不死の力を打ち砕こうぞ!」
 お父様が両手に持った鞘に全体重を乗せ、ガクンと揺らいだ。まるで大地を割ったような重い音が響き、千年前にグランゼドーラを脅かし、現代において再度脅威となった不死の力が断たれたのだ。
 ざぁざぁと降り注ぐ雨の中、憎悪に塗れた咆哮が迸る。
「よくも! よくも! 我の力を…!」
 地団駄を踏む魔獣に、私は静かに剣を向けた。
 静かに闘気を漲らせレイピアにギガデインの稲妻が這うのを見て、不死の力を失った魔獣がじりじりと後ずさるのを見た。不死の力を失った魔獣は、世界を破滅に導く存在としてはあまりにも小さく見えた。
 私は魔獣に向かって駆ける。レイピアの鋒を魔獣の心臓へぴたりと向け、レイピアの刃と腕が一直線になるように肘をめいいっぱい引いて、全身の筋肉を前へ前へ走らせる。ピぺの手が置かれた部分には、バイキルトの力が込められた護符が添えられたのか。力が湧き上がった。閃光が目を焼き、ピぺの描いた暴走魔法陣の紙が白を黒く切り取る。
 狙ったように、魔獣の心臓の上。
 私の一撃が、暴走魔法陣を貫く。
 雷光一閃。暴走魔法陣によって増幅されたギガデインが、レンダーシアの外海の彼方へ走る。真っ黒に焼け焦げた魔獣の腹は大きな穴を開けて荒れ狂う海を見せていたが、ゆっくりと勇者の橋の上に倒れた。ずしんと這い上がる衝撃から立ち上がらぬ脅威を見下ろし、私は勝鬨を上げた。
「これが貴方が弱き者と侮った、人間の力よ!」

公式では『これが勇者と盟友の力よ!』って言う所なんですが、まぁ、今回は全員で挑んだ戦いなもんでこんな形になりました。

 勇者の橋が激しく揺れた。ゼルドラドが直に攻めてきた時ですら崩れた事のない堅牢な石橋が、不死の魔獣の激しい一撃にがらがらと崩れていく。ギガスラッシュの閃光が走って、不死の魔獣の加勢に集まっていた、異形獣が薙ぎ払われた。
 ラチックが低く腰を落として、盾を身構える。
「邪魂の鎖 出る!」
 ラチックと王宮の門の前で禁術の宝玉を制御するロトさんの間を、蜘蛛の糸のように細く絹糸のように煌めく銀の糸が結ぶ。ケネスやお父様といった禁術に参加した者達をも結んで、まるで光の河の中にいるような神秘的な光景を生み出した。魂の輝きは雨に濡れた冷たい体を暖かく愛撫し、不安な心に寄り添い、怖気付く気持ちを勇気で鼓舞する。
 その一つを、真っ黒い邪悪な闇が遡っていく。
 それがラチックの背に到達すると、ラチックが がくりと膝を付いた。
「いたい! いたい! 死ぬより 痛い!」
 ラチックだけじゃない。傍に立つお父様も、胸を掴み顔を苦悶の表情に歪ませる。銀の糸に結ばれた者達の殆どが動けなくなり、防衛の為にと不参加を命じられたノガートが動ける者に守るよう指示を飛ばす。
 ラチックに落とされようとした三連続ドルマドンが、二重のギガスラッシュで消し飛ぶ。残り一つをスペルガードで凌いだ大柄な弟子の頭を、助けたはずの師匠がぽかりと叩いた。
「俺も死ぬより痛ぇとは思うが、気合いで動け!」
 そんな乱暴な師匠に、ラチックは可愛らしく小首を傾げてみせた。
「ケネス 死んだ事 ある?」
「あるある! 百万回くらいあるぞ!」
 がらがらと痛んだ声で叫ぶケネスの顔にも、びっしりと脂汗が浮かんでいた。それでも、その顔は無理矢理だとしても笑っていて、意地の悪いケネスらしい表情だった。『嘘だ』『本当だって』そう互いの脇腹を突き合っているのを見ていると、突然の魂を削られる痛みの衝撃が和らいだらしい。膝を付いた兵士達も己の武器を持ち直し、戦いの邪魔にならぬよう後退を始める。
 ケネスがラチックの背を、バンと叩いた。
「行ってこい! ラチック!」
 ラチックが両手で盾を構え、全速力で不死の魔獣へ駆け出した。
 その勢いはまるで戦車のよう。阻もうとする異形獣を弾き飛ばし、叩きつけようと振り上げた不死の魔獣の腕から上がケネスの剣によって斬り飛ばされる。再生のためにボコボコと盛り上がる肉だが、ラチックが懐に入る方が早かった。魔獣の目元から三つの光が迸ったが、ラチックは盾の陰で身を屈め、うまくこれを回避した。
「鎖よ! 不死の力 封じろ!」
 不死の魔獣の懐に入り込んだラチックが、渾身の力を込め盾で突き上げた。足元の石畳が ばきりと音を立てて割れ、突き上げられた不死の魔獣の背からまるで真っ黒い大樹が生えたように、無数の鎖が貫いた。その鎖の中に引っかかるように黄金の光を放つ大きな力の塊がある。
 あれが、不死の力…!

主にアインツのせいで大袈裟じゃない、ケネスの百万回死んでる発言です。

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