ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 かつて天翔ける雷喰いを屠り轟雷王を名乗った男は、空中を飛ぶ敵との戦い方を熟知していた。瞬く間に背に回れば、我が翼の根元に手を掛け全力で引き千切ろうとする。
 大きく口を開け迸った激痛は、先ほどの雄叫びなど比較にならぬ絶叫だ。
 あまりの激痛に視界に星が散り、一瞬意識が飛んだのか体が大きく傾ぐ。空中で姿勢制御が崩れれば、墜落は必至。しかし、轟雷王は大きく体重を掛けて我が体を傾け、最も近くの岩壁に叩きつけおった。翼は引き千切れなかったものの、激突の衝撃に折れて力なく垂れ下がる。
 翼の付け根の筋肉が肺の裏側に近かった為に、血が込み上げてごぼごぼと溢れて止まらない。そんな顎の下に轟雷王は滑り込むと、顎を盛大に打ち上げた。
 視界がドランド大滝を駆け上がり、大空洞の天井を舐め、床に沈み込む。あまりの力に体を宙に打ち上げられ、一回転して叩きつけられた体に乗り上がった偉丈夫の影が大きく被さってくる。その太い腕が激しい稲妻を這わせるのを見て、我は喉に溢れる血を一瞬で砂に変え激しい炎を吐き出して迎え撃った!
 流石、炎に耐性を持つオーガ族。轟雷王は激しい炎をその身に受けながら、我の胸に拳を叩き落とした。まるで落雷が直撃したような衝撃が、胸から背を突き抜ける! 心の臓が鼓動を止め、循環を失った体が冷え切り、魂が闇に沈み込もうとしているのを感じた。
 死ぬ。
 真っ暗な視界の中に雷の残滓が散らついていたが、それもゆっくりと闇の中に溶けていく。
 死んでなるものか。
 歯を食いしばり、星のように残る雷光に目を凝らす。
 ドランド王国の滅亡は、我が悲願。
 オーガ族の殲滅は、我が喜び。
 絶望を堪能し尽くす為に、戦火を! 雪すら溶かし灼熱の大地に変える、戦の炎を灯すのだ!
 我は粉っぽい喉を咳払いし、か細い笛のような音を漏らした。闇の中にひゅーう、ひゅーうと風が通り抜けるような音が滝の音に踏み砕かれていく。大空洞の中を反響する大滝を蹴散らし、無数の足音が地響きを伴って迫ってきた。
「えぇい! 邪魔だてするな!」
 驚きの声が、轟雷王の重量と共に我が上から退けられる。何者かに体当たりされたのか、傍に轟雷王だろう者と別の誰かが縺れ合って倒れ込み、激しい揉み合いになっている。その間にも足音は滝から流れる水のように、間断無く迫ってくる。どっしりとした大きな足に腹を踏まれ、小さい軽い体重がちょこちょこと翼の上を歩き、足を引き摺る者が足の間を跨ぎ、這いずる体が立髪を巻き込んで引っ張られる。
 その全てが轟雷王の元を目指していた。
「おのれぇ! ゾンガロン!」
 怒り狂う轟雷王の声が、口を塞がれたようにくぐもる。殴られて叩きつけられる音、蹴られて骨が折れる音、言葉を失った獣の呻き声が闇の中で響き渡る。
 次第に音が水気を帯びて独特の匂いが鼻先を掠めるようになる。敗者の王国では有り触れた、陵辱のかぎりを尽くした血と性液と汗、そして糞尿と死臭が綯い交ぜなった悪臭。生物の反応に抗えない体に絶望する呻き声が、誰のものだか想像するのは容易かった。地面に投げ出された手の上に倒れ込んだのは、まだ温もりは残るも鼓動を感じない柔らかな小さな体。それはどさりどさりと折り重なっていく。
 顔からぱきぱきと音を立ててこびり付いた血を落とし、我は大口を開けて笑った。
 獣に堕ちた轟雷王、ドランドの絶望を添えて。
 なんて美味そうなメイン料理なのだろう…!


流石の稲野もR18G++なレベルの描写はヤバいと思って、ちょっとぼかした。
轟雷王さんが生粋の戦士ならば激痛は耐えられるとして、洗脳だって割と憎しみで踏みとどまれるなら、なんなら心が折れるかって考えてこうなった。胸糞ですな!すまん!!

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