ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 武とは敵を倒す為にある。
 刃は肉を斬り、血管を断ち切る。衝撃は骨を砕き、内臓を潰す。翼を裂き、足を貫き、首を切断する。そうすれば大抵の生命は身動きが取れなくなり、やがて死に至るだろう。敵意を向け合う者同士が相対すれば、弱い者が淘汰される。
 淘汰された者は弱者であり、紛れもなく敗者である。勝者によって財産を毟り取られ、獣によって血肉を喰われ、土に埋もれてゆく定めだ。オーグリード各地に存在した部族達がそれぞれに王国を名乗り戦いを繰り広げた戦乱の時代。勝者であり続ける為、今では考えられぬ程の過酷な修練の末に傑出した戦士達が輩出された。
 その時代に猛威を振るったゾンガロンは、オーガ族の戦士達が力を合わせれば勝てるような簡単な存在ではなかった。そして、蘇った現在において痛感している。
 ゾンガロンの光線を浴びて正気を失ったランガーオの戦士達は、運良く戻ってくる事ができた。村に滞在していた吟遊詩人が太陽神の祝福が成された鏡を持っており、ダズニフの友人が邪気を払う聖なる鳥の尾羽を持っていたからだ。戦士達は己を取り戻し、体内を蝕むゾンガロンの力から解き放たれた。
 しかし、この幸運に次はない。
 それを俺こそが良く分かっている。
「盗賊団を率いるレギオンは、ガートランドで指名手配中の凶悪犯だ。護衛だけでなく、商人まで皆殺しにする残忍さで知られている」
 オルセコ高地に馴染む黄土色の外套を目深に被ったルミラが、これから戦う手合いの情報を伝えてくれていた。彼女の背には使い慣れた両手剣はなく、一振りの片手剣と短剣が腰に固定されている。年に一度の儀式の時以外は顔を合わせぬ幼馴染だが、見る度に美しくなっていた。白金の髪は油で丁寧に手入れされて艶やかに背に流れ、肌は磨いた花崗岩のように滑らかだ。村の若者達が告白し、袖にされたのを何度も見た事がある。
 ルミラは村を出て儀式に参加する頃には、ガートランド騎士団の下働きとして働いていた。騎士の守りに重きを置いた技術を学んでいたが、その硬い守りを如何に抜くかを考える好戦的な性格だ。戦うのが好きだろうと思うと、数少ない同類だった。
 ルミラこそ、女である事を武器としない女だった。決して涙は見せず、泣き言を言わず、男に色目を使ったりなどしないだろう。だから不思議に思うのだ。
 どうして、武には関係のない美に気を遣っているのだろう…と。
 ジーガンフ、聞いているのか? そう訊ねる声に、俺は頷いた。
「レギオンは騎士殺しを成して一年経つ手練だ。気を引き締めてほしい」
 ガートランドは同胞殺しに対して容赦がない事で有名だ。騎士を殺したが最後、騎士達によって地の果てまで追いかけられ殺害される運命が決定する。それがオルセコというガートランドに隣接した地域を拠点にしながら死んでいないのだから、よほどの強敵なのだろう。
 俺は強敵に浮き立つ心を押さえつけ、静かに頷いた。

後半スタートのジーガンフ視点です!
この話は紙媒体を見据えてVer1の『繰り返す戦いの意味』を織り込んでおり、忘れなければ次回更新時、忘れたら思い出した時に上記のお話が消えます。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!

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