ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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「『エテーネルキューブ』に構築された術式はとっても複雑で、ちょちょいと弄ってプクリポのお兄ちゃんを巻き込まないようにするのは難しいんだ」
 時間に関わる魔法は非常に不安定で、道具として安定して干渉できる存在はとても珍しい。そんな中で『エテーネルキューブ』は芸術的と言って良い、複雑な術式が組み込まれている。さらにキュルルって妖精が術式の重要部分に組み込まれている上に、エネルギーが枯渇して全ての構築式が見えない。
 危ない時間や場所に飛ばされる可能性を考えれば、迂闊に触らない方が良いだろう。
 それ以上に、プクリポのお兄ちゃんがルアム君の時間転移に巻き込まれたの理由が厄介だ。ルアム君とプクリポのお兄ちゃんは、同じ名前だからだけではない強固な魂の繋がりがある。目の前のルアム君にさっきのメラで火傷を負わせたら、村で療養しているプクリポのお兄ちゃんも火傷を負うくらい強い。距離を置いた程度では、ルアム君の時間転移に引っ張られないとは言い切れないんだ。
 この理由を排除する為には魂の繋がりを切断する必要があるんだけど、他人の冒険の書の損壊は大罪だ。絶対にできない。
「そうなると、自衛するしかない」
「自衛、ですか?」
 プクリポのお兄ちゃんの命が掛かっているからか、ルアム君が前のめりになって訊いてくる。
 幼い頃に写本した始まりの大賢者シフィル様の書を収めた鞄。その横に吊るした白い巾着袋は、お世辞でも綺麗ではない魔法陣が金の糸で刺繍してある。口を絞る為の紐には、魔法の効果を高める水晶の玉を通してる。巾着袋を逆さに振って、中身を手のひらに落とし込んだ。
 覗き込んだルアム君が、首を傾げる。
「命の石?」
 子供の掌くらいの大きさの、青み掛かった透明な石。美しくカッティングして宝飾品にしたり、恋人や夫婦が一つの宝石を二つに割って共有する場合もあるけど、これは何の加工もしていない原石だ。大きい二つの結晶が下方で一つになっている形が、まるでハートみたい。
「本当は命の石じゃないんだけど、効果は命の石と一緒だよ」
 命の石には、持ち主に降りかかる厄災を引き受ける効果がある。
 横転した馬車に巻き込まれた者が、奇跡的に無傷で助かった。火災に巻き込まれ死を覚悟した者が、軽い火傷を負った程度で脱出できた。そんな運の良い人は、自分の持っていた命の石が真っ二つに割れているのを見るだろう。命の石が厄災を引き受け、持ち主を守る。この効果は生命を奪う呪文ザギにすら効果があって、誰もが一個は持っているお守りだ。
 時間とは全ての存在に平等に流れるものだけど、おそらく時間転移の際に本来なら有り得ない歪みに晒されて魂が傷ついて昏睡した。これは時間転移の際にプクリポのお兄ちゃんに降りかかる、時空の歪みを引き受ける為だけに作った石だ。
「『エテーネルキューブ』がお腹いっぱいになったら、仕上げるつもりなんだ」
 エネルギーが充填されれば、全ての構築式が見れるはずだ。きちんと『エテーネルキューブ』の時間転移に限定させないと、日常の小さい歪みで割れて、あっという間に砂になっちゃうからね。
 食い入るように石を見ていたルアム君が、深々と頭を下げた。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
 ルアム君の肩に手を置いて、顔を上げさせる。
 あたしよりも年下で、可愛い男の子だ。あどけなく丸いほっぺたに、しっかり者の凛とした光を帯びた青紫の瞳。眉毛が男の子らしく濃くて、青紫の毛髪は柔らかくて量が多い。ちょっと燻んだ緑に染めた毛皮のコートを着て、弓と短剣を装備した立派な狩人。
「言っても無駄かもしれないけど、言うね」
 プクリポのお兄ちゃんが大好きだし、相手もルアム君を大切に想ってるだろう。幸せな関係が足枷になる未来が想像できて、なんだか悲しくなってくる。
「『エテーネルキューブ』を使わないで済むなら、それが一番良いんだからね?」
 ルアム君は目を伏せて、小さく頷いた。

うっちの3賢者はシフィル様ですよー!
いのまた先生の美麗なシフィル様は本当にマジで3賢者!!あぁー!絶対地上に降りてから悟りの書とか書いてるよって思ってるから、ここでは最初の賢者なんです!厳密に最初だとニクスの兄貴とかになりそうですけどね!
あぁーー!いのまた先生がお亡くなりになったとか嘘だーーーー!ドラクエにテイルズに、稲野の青春を彩った方なのに!!!!!うわーーーん!!!!!

あわわ!久々に拍手いただきました!ありがとうございます!
DQ9小説のために篭ってたので、とても久々の拍手が沁みます!

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