ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
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グリエ様は獅子門の賑わいに目を向けます。
干した魚や木の実でいっぱいになった籠を持って、楽しげにおしゃべりする女性達。ソリをひっくり返して直す、皺だらけの手の職人。武器を手に巡回する屈強な男達の合間を、子供達が駆け抜けていく。遠くから太鼓の音や機織りの歌が聞こえ、多くの人々が生み出す雑踏や生活音が雪の静寂を退けて満ちています。
「ゾンガロンの正体を知らぬとはいえ、オーガがオーガを殺し、オーガがオーガへ憎しみを向けています。悪鬼が唆す前から、同族同士で殺し合っていました」
強い者同士が戦い、弱者を討ち、国を大きくする。
ムニュ大臣から聞く敗者の末路は、私でさえ涙ぐむ程に悲惨なものでした。お姉様が隣にいれば『あんたは泣き虫ね』って笑われるでしょうが、その表情は苦々しく歪んでいたでしょう。
悪鬼が現れる前までは、ギルガラン様は先王の意志を次いでドランド王国を討とうとお考えであったそうです。しかし、グリエ様は同盟を結ぼうと書状を何度も送っていて、それを軟弱だと国民から非難されていたそうです。
強き者が弱き者を殺す。それはいつの間にか魔物からオーガという同族へ移っていった。彼らオーガという種が創造神より作られた時から続いていた事を思えば、ギルガラン様がお父様を討とうという考えは普通なのです。
「この獅子門の光景は、ゾンガロンという共通の敵が存在するからあるのです」
今にも爆発しそうな憎悪と殺意。それがゾンガロンへ向いているだけで、この平和は薄氷の上の危うきものなのだと背筋に冷たいものが走ります。
「ゾンガロンは確かにオーガ族を滅亡へ追い立てました。しかしゾンガロンが討たれれば、再びオーガ族同士の戦いが始まるのです」
ゾンガロンが討たれた後。
今は想像できない事ですが、ここにいる者達はそれぞれに故郷へ帰っていくのでしょう。そして故郷を復興したいと考えているでしょう。生き残った者達で寄り添い、小さな集落から始まって、子供が産まれて規模が大きくなっていく。
そこまでは、微笑ましい復興の道でした。
もしかしたら、近隣の集落同士で小さな諍いがあるかもしれない。その時、彼らは話し合いで落とし所を見つけ、諍いを鎮める事が出来るのでしょうか?
戦って勝った者が正しいという、今までのオーガ族のやり方が罷り通りのではないか。そうなれば、ゾンガロン打倒のために一致団結した共存の芽が潰えるのではないか。
グリエ様はオーガ族の誰もが見ていない、遥か未来を見据えておいででした。
「僕達が強さを求める本能に逆らうことは難しく、滅亡の未来は避けられないかもしれません」
そんな予言を、グリエ様は切なそうに告げたのです。
「しかしもう一つ、僕達の中で揺るぐ事がない事実があるのです」
オーガにしては細く、人間なら無骨な手が、自身の胸を叩いた。
「僕が種族神ガズバラン様のお子であること」
種族の誇りが青い炎のように、薄氷の瞳を冴え冴えと輝かせていました。自らの命を燃やすように、見ている者の心に炎を灯すように、未来を明るく照らそうと輝いている。
「ガズバラン様が与えてくださった御印が、オーガ族の心を束ね真の平和を齎してくれると願って止まないのです」
言葉尻が冷えた空気に消えた頃合いを見計らい、拍手が空気を叩きました。
もうね。どうして公式、この熱い部分に触れないの??????
ギルガランは確かに強いしかっこいいよ。でもそれだけなんです。もっと、オーガの根底に触れて、それに挑むグリエの力強さに焦点を当てて良かったと思う。ここが掘り下げられたら、グリエ王子もう少し人気出たよ??????
そして強い者も弱い者も共に生きる未来が、きちんと現代のオーグリードにあることに感極まってう。
