ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 足早にルアム達の脇を抜け奥を目指す。金属を仕込んだ靴底と床がカンカンと早鐘のように音を立て、培養液の中で微睡む異形獣が目を覚ますのではと思う程に響いてしまっていた。プクリポがヨンゲの首からスカーフを外して作った花と交換した、金色の王立アルケミアの紋章が刻まれたマスターキーを取り出しながら奥の光を目指す。
 奥の扉を開け放つと、闇に沈んだ空間が薄暗く照らされる。
 王立アルケミアなら何処にでもあるような、ごく普通の研究室だ。正面には立派で大きな机が置かれ、机が見えぬ程の紙と本に埋もれている。壁一面に作り付けられた本棚には、隙間という隙間に本や書類を束ねた冊子が押し込まれ、溢れたものは堆く積み上げられていた。壁際にはどう使用するか見当もつかない、様々な器具が転がっている。中には自分でさえ担ぎ上げる必要がある大きな硝子の筒も存在した。
 部屋の中を見回し、鮮烈な青に目を留める。
 革張りの椅子に座れば手の届くような場所に、金の箔押しがきらりと光った。青い重厚な装丁にはタイトルはないが、エテーネ王国の民ならば即座に『時の指針書』であると分かるだろう。ずしりと重い本を手に取り表紙を捲れば、ヨンゲの名前が書き込まれている。
 既に数冊目に突入した『時の指針書』であったらしく、ページを繰ってすぐにその言葉があった。
 『ドミネウス王子より、魔力収集能力を備えた魔法生物の錬金指示が下る。謹んで受けるべし』
 王子。その言葉に自分は目を眇める。
 現国王ドミネウスが即位したのは、つい最近だ。この魔法生物が異形獣かは断言できないが、ヨンゲとドミネウス陛下は王子の時代から既に繋がりがあったのだろう。異形獣を製造する期間が長く必要であると考えれば、当然と言える。
 ヨンゲの『時の指針書』には、ドミネウス王子の指示に従えという内容が頻繁に書き込まれていた。魔法生物の強化、量産、提出と指示の内容が推移していく。読み進めると、ドミネウス王子という記述はドミネウス国王陛下へと変わっていく。
 『収集した魔力より時渡りの力を抽出する装置を錬金せよ。ドミネウス国王陛下の意向に沿うべし』
 時渡りの力。
 その言葉に、自分は主の苦々しい顔を思い出していた。

プクリポなので手向けの花は欠かさない。なければ作る。
前半で触れてる部分なのでさっくり。
ちょっと次と一つで繋げちゃうと長すぎるので、ここで分けます。

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