ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 士気の高い戦士達が一斉に動き出しました。武器鍛治ギルドは戦士達に供給する武器を作る為に槌を振るい、大砲や武器の点検をする者、襲い来る『異形獣』という魔物の特徴を復習する者、それぞれが己にできる事をする為に散っていったのです。
 それらを見送り玉座に座った王は眉間に皺を寄せ、僕へ視線を向けた。
「エリガン。どうやら、最悪の事態が起こり得る可能性が出てきた」
 僕は静かに頷きました。
 バグド王の署名が書かれた召集令状には、オルセコ王国史の第一人者である考古学者の知恵を貸してほしい旨が書かれていました。オルセコ王国史は詳細な文献が多く残っています。今更、王の直筆の署名付きで何を知りたがっているのか、首を傾げたものです。
 しかし、疑惑は予想外の方向に向かっていました。
 このアストルティアが滅亡の危機に瀕しているというのです。
 グランゼドーラの真上に繭が出現し、賢者様方が四重の封空にて脅威を抑えている間に、詳細は世界中の王国へ伝達されていきました。六種族の祭典でグランゼドーラの姫君とメギストリスの王子様が誘拐され、各国の王族が標的やもしれぬという協力体制が築かれた故の迅速さであったとの事ですが、この伝達は世界に大いなる利益を齎しました。
 一つは各国が迅速に国防を固める事ができた事です。
 そしてもう一つは、各国の識者が状況を分析し一つの推論が導き出された事です。
『異形獣が不死の魔王ネロドスの力を有しているのであれば、今後出現する異形獣も過去の厄災の力が関わる可能性が高い』
 各国は己が大陸を見舞った厄災を調べ上げる作業を始めたのです。グレンであれば、かつてオーグリードの数多の王国を滅亡へ追いやった悪鬼ゾンガロン。南のガートランドならば大地の竜バウギアが上げられます。共同で偽りの太陽の調査も検討されていたはずです。
 そこで、僕に白羽の矢が立ったのです。
「ランガーオへ使者を向けたが、この吹雪では獅子門に到着したかも怪しい。仮にゾンガロンが復活したとして、どのような対処ができる?」
 数え切れぬ王国が乱立し絶え間ない戦乱の歴史を繰り返すオーグリードですが、その歴史でも抜きん出た勢力を誇ったのがオルセコ王国です。定期的に開催される武術大会は、千年前に不死の魔王を討伐した勇者アルヴァンすら招待しており、その繁栄振りが伺えます。
 悪鬼が猛威を振るい封印された時代は、千三百年前に栄しオルセコ王国の時代。オルセコ王国史の研究者である僕が、ゾンガロンへの対策を最も熟知しているとされたのです。
「悪鬼ゾンガロンはその圧倒的強さから、討伐を諦め封印へ切り替えた過去があります。しかし、封印は王族の命を犠牲にして成立したものであったそうです」
「禁術か…」
 バグド王が吐き捨てるように言いました。
 禁術は魔術に関わりが深いと思われがちですが、己が実力と努力以外の方法で力を得る方法として武術においても外道の扱いを受けるのです。犠牲になった王族の死は大いに悼まれましたが、禁術を使用した為か詳細は闇の中へ葬られてしまいました。今も、千三百年前にゾンガロンを封印した方法は判明していません。
 しかし。そう、僕は言葉を継ぎました。
「残された王族がゾンガロン復活を見越し、禁術を使わぬ封印の方法を模索しています」
「その方法とは…」
 ガンガンガン。頭上から力一杯警鐘が鳴り響き、バグド王のお言葉を掻き消してしまわれた。『敵襲! 敵襲!』声と共にバタバタと兵士達が駆けずり、グレンが揺れる。

中編は今回のオルセコ編の現代でのキーマン、エリガンくん視点です。
ゾンガロンは既にオーガ開始の最初の話で封印されているというのは判明しているので、この段階でゾンガロンは討伐できず封印されたは情報として出して大丈夫としました。

 ガンガンガンと警鐘がグレンの岩肌を反響しました。
 その音を聞いた誰もが、警鐘が取り付けられたグレン城で最も高い尖塔を見上げたでしょう。巨大な岩をくり抜き建てられた城は、大地に突き立てられた剣とも、天に突きつけた鋒とも呼ばれ、人々は空に向かって怪訝そうに目を細めたのです。そして、誰もが驚きに目を見開いたでしょう。
 北のランガーオで雪として全て吐き出しカラカラに乾燥した空気は、南のグレンに滅多に雨を齎しません。雲一つない軽やかな青空が常日頃続くグレンの空が、この時は真っ黒な雲に覆われていたのです。それだけではありません。その真っ黒な雲は渦潮のように頭上を回り、その中央には巨大な繭のようなものが吊り下がっているではありませんか。
 想像を超えた光景にあんぐりと口を開けて見ている者達は、ふと、空に白いものがちらついているのに気がついたのです。
 雪。
 グレンでは滅多に見る事のできない白く儚き存在が、はらりはらりと降り注いできます。最初は指先に点と乗った小さい粉雪が、白い息に気を取られている間に手のひらいっぱいの牡丹雪に変わっていくのです。視界は降り注ぐ雪に霞み、冷たい風が民の肌を突き刺しました。
 兵士達が住民達へ室内へ戻るよう勧告する頃には、グレン城下で遭難する程の猛吹雪になってしまったのです。
 ガズバラン様の祝福を授かった炎が赤々と燃える炉は、直上のグレン城をサウナに変えていました。まるで真昼のゴブル砂漠を彷彿とさせる灼熱具合。
 グレンの戦士の頂点に立つバグド王は、不動の巌のように玉座に腰を下ろしておられる。冠に取り付けた真紅の鬣の内側はぐっしょりと汗にまみれ、毛皮のマントの下の素肌にぷつぷつと汗が噴き出ています。兵士達もあまりの暑さに鎧を脱いで鍛え抜かれた筋肉が剥き出しになっており、脱いだインナーで流れる汗を拭いています。僕も青いスカーフを剥ぎ、上着を脱いで半袖一枚で玉座の間の壁際に立っていました。あまりの暑さに耐えきれず、外の吹雪に飛び出していく者もいます。
 そんな中を暑さに慣れているのか、普段と変わらぬ装いの武器鍛治ギルドのマスターが進み出ます。腰に吊るしたハンマーを一つ大きく響かせて足を止めると、胸を叩き精悍な顔を軽く伏せる。
「バグド王。武器鍛治ギルドの炉の熱が、グレン城下の全世帯へ行き渡りました」
 グレンは過去に襲われし偽りの太陽の対策で、地下深くに流れる水脈の冷気を行き渡らせる通風口が全世帯に繋がっています。今でも熱波が酷い時に活用する天然の冷房装置ですが、今回は武器鍛治ギルドの炉の熱を行き渡らせる手段として用いているのでしょう。グレンは一年を通して乾燥した温暖な気候なので、この寒さに慣れぬ者は体調を崩してしまうでしょうからね。
 通してください! オーグリードでは政務に人間が関わる。小柄な中年の男性は、林のようなオーガをかき分けて進んでいました。
 王の前に到着したタコメットのような大臣は、水の入ったグラスを渡されて一息に煽ったのです。はぁー。肺の中身を絞り出すような溜息をこぼすと、ぴしっと背筋を伸ばします。胸と腹の贅肉がふるりと揺れる様を見て、絞り甲斐があると幾人かのオーガの目が光ったのを見ぬふりをします。
「大地の箱舟の最終便が出ました。希望した住民及び、冒険者はほぼ乗り込めたでしょう。グロズナー陛下とディオーレ女王陛下への書状も共に運ぶよう、手配済みです」
 ご苦労。王がチグリ大臣を労い、傍へ据える。
 王が立ち上がると、戦士達が姿勢を正した。玉座の間に集まった頼もしい精鋭達を、武器鍛治ギルドの床が見えぬ程に集まった勇敢なオーガの戦士達を、開け放たれた扉を抜け逃げる選択肢を捨てて留まった冒険者達を、王はひとりひとり確認するように見回した。
「グレンに残りし勇敢な戦士達よ! 先ずは我と共に戦う決意を固めてくれた事、心から感謝する!」
 拳を突き上げ、闘気が迸る王の声が反響した。
「我らの上空に現れた事を、後悔させてやろうぞ! 全力を持って、敵を粉砕せよ!」
 戦士達が武器を掲げ雄叫びを上げる。その声は堅牢なグレンの巌を突き抜けて響いた。


中編の視点が誰かは、次の話で明らかにする予定です。
現実的には無理ゲーなランガーオとグレンの天候事情なのだが(本来なら山にぶつかって降雪するので、オーグリード大陸の真ん中の川あたりで水を吸い上げて北上する場合、グレンもある程度湿潤な空気であるべきなのだが、公式では割と乾燥して荒涼とした土地。その為、東に向かう偏西風で、ランガーオ山地に海水の蒸気を吸い上げた雲が当たり降雪するという説明しかできなくなる。ラギが一番雪深いだろう地なので、理にかなってるっちゃあかなってる。くやしいのぉ)、適当になってしまいました。敗北である。

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!

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2/28 11:20の方へのお返事が長くなってしまったので、追記にて書いてあります。
(ちなみにスマフォでの閲覧では追記が発動しないので、普通に下に表示されちゃいました。申し訳ない)





実に数年ぶりに入間くん小説です。
わざわざこのサイトにまで足を運んでいただく方に報いる為!!!!!!とか思って、『もらったバレンタインのチョコを、ケルベロスに食わせる鬼畜』という1行メモから書き始めました。ひどい内容でお応えするお前は、なんなんだとか思わなくはない。さすがにバレンタインは宗教色強い為に魔界にはないだろうし、穏便にカルエゴ卿にお菓子をお渡しする機会を模索した結果です。カカオとか肉食の危険種みたいな雰囲気漂うフォルムしてるので、カカオ豆手に入れるのが命懸けなら血のバレンタインもいいネタになりそうです。
モモノキ先生には頑張ってほしいが、相手が厳粛すぎて恋愛に感ける質じゃないのが不憫すぎる。でも、期待の新人として喜んでいたので、脈はあって欲しい!!!!!(とても強い願望)
個人的には敬語なカルエゴ卿と、卿が大好きなモモノキ先生という構図が好きです。
久々に入間小説を書いたので、もう少し書きたい気持ちが湧いてきました!話が増えたらこのサイトに足を運んでくださる熱意ある方のおかげです。足向けて寝られませんね!!!ありがとうございます!

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!

お太鼓結びとは『着物といえば!』と一番に浮かぶ知られた帯結びだと思います。フォーマルカジュアルを選ばない普遍性もあり、作画コストも低め、帯の柄が見える的な演出、この結びと着物合わせておけば間違い無いだろうという思惑も理解はできる。
しかし、お太鼓結びは難しい。
知られているからと言って難易度は最低ではなく、どちらかといえば高めな方では無いかと思います。文庫結びができるようになり、次は貝口とか徐々に結べる帯の幅を増やそうと思ったら、名古屋帯を買って着物初めて二ヶ月でお太鼓結びます!!!ってどんだけハイスピード!!??
DQで例えればラダトーム出て即座に竜王の城目指しちゃうとか、ゼルダBotWでいえば高台から降りて真っ直ぐハイラル行っちゃう感じ。待って。レベル上げしてる時間がない。
まぁ、名古屋帯買っちゃったの自分だしぃ。
名古屋帯はお太鼓特化帯らしいので、お太鼓結べないとせっかく買った帯が無駄になってしまう。それはケチ性の稲野にとって許されることではない。

しのごの言ってないで、お太鼓いずれ結ぶんだかから結ぼうねぇ!!!!!!

帯枕も購入し、帯揚げは恐らく稲野が七五三で使ってた総絞り、三分紐に、前回縫った襷が補助として参戦し、お太鼓結びに挑むための装備は整いました。
今回は2月末に友人と一緒に足利に山姥切国広さんと長義さんを見に行こうと言うことで、推しカラー的に青い帯ということで最初に買った兵児帯です。

文庫結びとは違い、後ろで形を作るお太鼓結び。動画を見るとそれぞれに結び方が 全 く 違う。もう、折り紙で四角折るのと三角折るのと違うくらい全然違う。え? 着物の着方は差異は細かくありますが全体的に同じだったのに、全く違うよ????どうする????
一応、きものやまとさんで個人レッスンお願いしているので、きものやまとさんの動画と方法で練習します。

まって
腕が
まわらない

練習一日目。二回お太鼓結びやって形になった気がするが、背後で形を作るというのがすごく難しい。腕の稼働範囲が、普段使いの範囲を圧倒的に外れてて死にました。一週間くらい休んで湿布貼って復活した。

休みをして個人レッスン前に二回は練習したが、うしろの『垂れ』と呼ばれる部分がいい具合の長さにならない。『手』の長さをもっと長くするにも限度があるし、一回多く回せば圧倒的に足りず、少なくすれば長すぎる。端が適度な長さになるよう調整するのに、後ろで収める動作がすごく難しい。爛漫ドレスコードレスで柔らかくて結びにくそうとか言った理由がよくわかる。名古屋帯がカチコチに硬いのも結びやすさがあるのでしょう。
ただ、結ばないで折り込むような形なんですが、意外に崩れない。お太鼓強いです。
個人レッスン当日もお太鼓結びをして行こうと思ったら、全くできる気配がしない。

お太鼓結びできそうな予感がしない。

練習すればできるだろうとか楽観的な思惑が、こなっごなに砕けてくんだけど、普通に絶望です。

まぁ、Youtube先生でもどうにもならないので、個人レッスンです。
枕と帯揚げを輪ゴムで止めちゃうとか、便利な方法も教えてもらいました。
やはり『垂れ』が長くなるというのは兵児帯の特性的に帯が長いので、『袋帯の結び方でやりましょう!』となりました。袋帯。なんかすごく格調高い帯ですよね。噂だけは聞いたことはあります。脇で背中の形をある程度作って、背中に持ってくる方法ですね。その後、枕帯をぎゅっと背中に密着させてとやってお太鼓結びができました!!!!!
うおおおおおおお!!!!できたぁあああああ!!!!

結べはしましたが、背中に持ってきて垂れを格納したりとか、兵児帯は柔らかいので整えたりとかなかなか一人では仕上げるのはまだ難しい感じですが、それでもできたのでよし!!!
もう少し、兵児帯で練習していけばお太鼓の勘が培われていくでしょう。


拍手に感謝!ぱちぱちっとみなさんありがとうございます!!!
今月イベントが多くて、反応が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

2/17 16:53 カルエゴ先生のお誕生日なのできてくださった方!>>
コメントありがとうございます!本当に反応遅くなって申し訳ありませんでした!カルエゴ卿好きの方に好きって言っていただけると思うと、来年には新しいお話をお目にかけられるよう頑張りたいなって思いました!わざわざ、足をお運びいただきありがとうございました!!!

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