ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 宴もたけなわとなり、空になった釜や篝火の台座が片付けられ撤収の雰囲気が漂ってきた頃、ダズニフが弾かれたように顔を岬の方へ向けた。自分も異様な気配に鋭く視線を向ける。
 断罪絶壁の岬の先端に打ち付ける波が、白い飛沫となり、日差しに透かされて輝く。轟々と響く波の音と裏腹に穏やかに広がる青い海に、鋒を突きつけるように伸びる黒々とした岬。
 薄明るい空に、ぽっかりと黒い点が穿たれていた。海鳥のように風に流されるでもない。まるで見えない地面に立っているように、黒い人影は外套を海風にはためかせていた。その人影はゾンガロンが封印されている石壁に、剣を抜いて鋒を向ける。
 誰だ?
 そう誰もが疑問を浮かべる前に、ダズニフが駆ける。
 振り下ろした剣から紫色の衝撃波が走り、ゾンガロンが封印された石牢が爆ぜる。放物線を描いて砕け散った岩が降り注ぎ、儀式の参加者達が逃げ惑う。その中で村王の側近を務めるギュランが大きく腕を振って、旗のようにひらめいた。
「氷穴に駆け込め! そのまま、ランガーオへ駆けろ!」
 ギュランが自分の視線に気がついて、小さく頷いた。
 ランガーオ山地に生息する魔物は強い者から腕試しで狩られてしまうので、村の周辺は魔物でも最弱と評されるスライムや一角兎くらいしか近寄れない。この儀式に参加するような者なら、老人でも返り討ちにするだろう。
 黄緑色の閃光が岩の影を貫く。
「貴様! ナドラガ様に何をした!」
 粗暴な態度でも普段は温厚なダズニフからは想像もできない、怒りに満ちた声が頭上から降ってくる。振るった拳が悉く防がれたダズニフの横から、自分は男を見上げた。村の戦士がアイスコンドルすら射落とす豪速球の石礫を放つが、甲高い音と共に生じた黄緑色の障壁に阻まれる。
「あの防壁を見た事がある。ルアムの兄テンレスが、時の力を用いた物だ」
「教団が手も足も出なかった殻か!」
 竜の顎が力一杯歯軋りし、まるで砂利を噛み砕くような音を響かせる。拳を握り込み ぶるぶると全身を震わせるダズニフの肩に、そっと手を置く。
「落ち着け、ダズニフ。らしくないぞ」
「あの男、ナドラガ様の血を被っている! しかも、ナドラグラムで魔瘴に膨れ上がった時の血の匂いだ!」

ランガーオ村周辺の魔物弱い問題。腕試しされちゃうんじゃ、強いのはいられないねぇ。
ver3の最後の展開を、ここに持ってきます。
いや、流石にナドラガンド編最終で知らない男がーってできなかったものでねぇ。

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