ハコの厚みはここ次第!
■ Calendar ■
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 14 | 15 | 16 | |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
□ search □
あたしは頬を指で押しながら、うーんと唸った。
ルアム君は世界中を冒険して色んな経験をしたから、普通の人よりも想像力も理解もある。きっと、プクリポのお兄ちゃんが意識不明になった原因が、『エテーネルキューブ』を作動させた自分にあるんだろうって思ってるんだろう。その予想は正しくて、どう説明すれば正しく傷つけずに伝えられるか言葉を選ぶ。
指先にほっぺたの弾力を感じながら、目をくるりと回して部屋の中を眺める。
「防御力が無かったって感じかな?」
ぼうぎょりょく?
よっぽど予想外の事だったみたいで、ルアム君が目を白黒させて呟いた。
ほーら。こんな顔させちゃうの、分かってたんだよ。みーんな、あたしの説明聞くと微妙な顔するんだよね。あたし、説明下手っぴなの。ガライさんがいてくれれば、もっと上手に伝えられるのになー。
あたしは一本立てた人差し指の先に、蝋燭の火程度のメラを灯して見せた。
「このメラはとっても弱いけれど、触れば誰もが火傷しちゃうね」
意味不明な防御力について説明していると分かっているからか、ルアム君は黙って頷いた。
ふいっと指先のメラを消して、頭上に照らしたレミーラを指差した。あたしのレミーラは、真っ暗い部屋を日差しが燦々と差し込む空間に変えている。地面にはくっきりと黒い影が落ちていた。
「もしこの光が太陽の光なら、肌の弱い人は日焼けしちゃう。日焼けも火傷の一種なんだよ」
このアストルティアは人間以外の多様な種族がいる。
その多種多様な種族でも、呪文などの強い力に晒されれば怪我をする。
しかし怪我に至らなくとも、人によっては厳しい環境は存在する。
砂漠が広がる大地に暮らすドワーフという種族は、強い日差しをものともしない。逆に海が広がる島国に暮らすウェディや、大森林に抱かれて暮らすエルフには、大砂漠の日差しは命を奪う脅威だ。
「世界は穏やかそうに見えて、色んな魔力が渦巻いておっかないんだよ。おっかないのを感じない程度の防御力を持って生まれるから、皆は普通に暮らせるの。でも防御力は種族や出身で、どうしても個人差が出ちゃうんだ」
ここら辺はちょっと難しいかも。
いくつかの世界を渡るモンスターマスター達には常識なんだけれど、冒険の経験からかルアム君の瞳に理解の光が灯った。納得したように深々と頷く。
「つまり、僕が無事で兄さんが昏睡した違いは、耐性の個人差によるものなのですね」
「その通り! ルアム君は賢いね!」
ぱちぱちと拍手をすると、頬を染めて照れる。かわいいね!
しかし、次の瞬間には照れた笑みを拭うように消した。
「ということは、また『エテーネルキューブ』の転送に巻き込まれれば、兄さんは再び意識を失ってしまうんですね?」
真剣な問いかけに、あたしは正直に頷くしかなかった。
彼女は誰だろうねー(棒)
まぁ、レナート君が誰だかわかって、彼女も誰だかわかる人は、不穏な予感がするね。大丈夫、その予感は正しい。
Comment