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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
DQ11小説アンソロジー主催を勢いでしている傍ら、switch購入してバケツを愛でるイカであり、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコがあれば生きて行ける!
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『イサーク。いつまで寝ているんだね』
 わかっているよ、レディ。
 でも、窓や扉を開けてしまえば、はっきり聞こえてしまう。それが嫌だから枕に顔を押し付ける。
 早朝から兵士の身内達が、王城の入り口で陳情しているのだろう。『夫は…』『息子は…』『父は…』『孫は…』悲壮な声が細波のように、朝の静寂から這い出して亡霊のように歩き回る。
 旅の扉を渡ってこれなかった彼らの身内が、帰ってくることは難しいだろう。先日、クドゥスの泉で遭遇した三人組は、旅の扉を埋めたと言った。実際に王国の兵士が確認しに行った所、旅の扉があった場所は何もなくなっていたそうだ。二つのアラハギーロの道を繋ぐ手段で見つかっている道は、閉ざされてしまった。それ以外にあるだろう道は、雲を掴むように曖昧だ。
 陳情の声はますます悲しみを深めるだろう。人が起きるかどうかも分からない希望に縋って生きるのは、とても苦しいことだ。ワカメ王様が帰ってきて希望を見出しても、戻ってこない日々がその希望を絶望に変えていく。想像するだけで胸が焼ける思いだ。
 ふと。竪琴の音色が空気に満ち始める。楽曲は『神に祈りを』。地に膝を折って留まる祈りが、天に吸い上げられていくような繊細で透明な音が奏でられる。演奏の技術は高く、特に階段を駆け上がるように上がっていく音の細やかさは、指の腹で撫でるような曖昧さがなく弦一つ一つを爪で引っ掛けクリアに奏でている。
 僕は起き上がり手早く身支度を済ますと、レディを引っ掛け扉を開けた。
 竪琴の音色はシャボン玉のように儚げで、自分の心臓音ですら断ち切ってしまう細い蜘蛛の糸のようにそこにある。僕は耳を澄まし、音色に集中して雑音の中から竪琴の音色を拾おうとした。部屋を出て足早に進もうとした僕に、兵士がガチャガチャと鎧の音を響かせて近寄ってきた。
「イサーク殿。ムーニス陛下がお呼びです。謁見の間までお越しください」
 一瞬、断ろうと思ったけれど、音色はもはや人々の生活の音の海の中に飲まれて見つけ出すことはできなかった。糸を引き千切り逃げた大物とは二度と巡り会えないのが釣りの定め。僕は音を諦めて謁見の間へ向かった。
「お待ちしておりました、イサーク殿」
 迎えてくれた兵士が扉を開けると、そこには既に各国の要人が集まっていた。円形のテーブルの中央にはアラハギーロの宝石と称えられるシャインメロンがたわわに実ったプランターが、花と共に飾られていて甘い匂いを振りまいている。見渡せばガノさんも既に席に着いていて、手招きに誘われて席に着く。
 全ての席が埋まると、ワカメ王様は各々の顔を見ながら話し始めた。
「遠路遥々ようこそ。ワシの帰還を祝福する為に集われたこと、心から感謝申し上げる。じゃが、皆の者は、ただ、ワシの帰還を喜ぶ為に参られた訳ではあるまい。その為に、この席を用意した」
 集った者達は表情を引き締めた。
 もう一つのレンダーシアもまた混乱の只中。どの国も何が起きているのか、何が起きようとしているのか、わからぬままに今に至っている。そんな中で、行方不明になっていたアラハギーロの王が帰ってきた。何が起きたのか知りたいと思うのは当然。ガノさんが『ワカメ殿が玉座に座っているだけで、世界中の情報が駆け寄ってくる勢いじゃろうて…!』と言った通りになったわけだ。
 ガノさんが僕の腕を突いて、にやりと悪そうな笑みを浮かべて囁いた。
「絶好の機会じゃ。この機を利用し、レンダーシアの要人達とパイプを繋いでしまおうではないか」


帰ってきましたー!
出雲レポートスルーしてアラハギーロ三巡目後半書き切ったとか、本当にバカとしか言いようがないです。
一応、ツイッターには軽めの報告あげてるので、気になる方はそちらをご覧ください。
明日は…明日は頑張ってレポ書きたい…ぐふっ。
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