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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
DQ11小説アンソロジー主催を勢いでしている傍ら、switch購入してバケツを愛でるイカであり、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコがあれば生きて行ける!
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 グランゼドーラはレンダーシア最大の都ですが、特に貴族が暮らす一角は重厚な伝統と繁栄の象徴たる贅が尽くされています。私達が掛けている椅子のクッションは身が沈むほどに柔らかく、天鵞絨の滑らかさは子猫のよう。香り立つ紅茶は胸の中まで香りづけされてしまいそうで、王国御用達の一級品だろう。純白の角砂糖を掴むシュガートングは純銀製で、花を持つ妖精の彫刻が施されています。グラスの切子は虹色の光をシルクのテーブルクロスに投げかけている。
 どうしよう。こんな素敵な空間、素敵すぎて、クラクラしちゃう。
 私とラチックさんの向かいに座っている殿方も、この空間にこれ以上もない程に似つかわしい男性です。年齢は壮年に差し掛かる前、顎髭は長く伸ばしているが口元は綺麗に整えていらっしゃいます。金糸の刺繍が前面に施された白いブラウスの胸元ははだけていますが、その下は褐色で英雄の石像にすら負けぬ引き締まった肉体美が覗いています。深紅のゆったりとしたズボンは一見派手に見えるが、渋いワインレッドで全体の華美さを落ち着かせているのです。
 背後いん控えているゼルドラドさんは、いつもの部下への威勢はどこへやら。まるで調度品の騎士像のように微動だにしません。
「ピペ君。こうやって、書き手の顔と作品が繋がり、余は君への作品の魅力を再発見することだろう。先日もルネデリコ君に会ったのだが、彼もまた芸術家として斗出した理念と才能を披露してくれた。余はなんと幸運な時代に生きているのだろう」
 この方こそ、私の依頼人 マデサゴーラ様その人! いつもは手紙のやり取りだけなので、実際にお会いすることは初めてです! 低い美声が私の名前を呼んでくれると、思わずぶるりと体が震えてしまいます。
「余は今、別荘の建築しているのだよ。余が支援した有望なる芸術家達の作品が一堂に会する、レンダーシアでも最大にして最高の美術館といわれるような館になるだろう! そうだ、完成したら是非来て欲しい。君達の作品が一流の額と空間にいかにして飾られているか、見に来たまえ!」
 なんかもう、すっごく嬉しいことしか言われてない。ここは昇天の梯を登った先なんじゃないかってくらい、幸せで満たされてくる。私は本当に幸せ者だ。この方の言葉を一文字一句違わずに書き記して額に飾りたい。
「もちろん、ラチック君。君もだ。ピペ君の表現は君の補佐があってこそ体現される。遠慮することはないぞ」
 ラチックさんは短く感謝の言葉を言って頭を下げていました。
 それから怒涛のようにマデサゴーラ様は喋り続けます。彼は私がお渡しした絵一枚一枚に感想をお寄せになってくださり、逆に私がそんな絵を描いたことを思い出すほどでした。新進気鋭の芸術家達のお話。過去に活躍した王家の血を引く彫刻家エルノーラの話。私は筆談でしたが、それを気にさせないほどに話が弾んでしまいます。
 窓からの光が赤みを帯びて来た頃、ゼルドラドさんがマデサゴーラ様に耳打ちをされた。
「おぉ、もうそんな時間か。そろそろ、御開きとしよう」
『貴重な お時間をありがとうございます』
 私の筆を見て、マデサゴーラ様は柔らかな笑みを浮かべました。
「そういえば、君はアンルシア姫の肖像画を描く画家の選考会のために、グランゼドーラを目指していたそうだね」
 私はこくりと頷きました。
「こんなご時世だ。選考会は中止となったが、余も君が描くアンルシア姫の肖像画に興味がある。余の口添えがあれば、アンルシア姫の肖像画を描くことができるだろう。出来次第では購入も視野に入れよう。どうだね?」
 あぁ!なんてことでしょう! あの、アンルシア姫の肖像画が描ける! そんな名誉ある機会をいただけるなんて!
 返事はもちろん『はい』一択です。
「ゼルドラド、文を」
 マデサゴーラ様は書面を認めると、二つの便箋にそれぞれ入れました。蜜蝋で封をしたものは、グランゼドーラ王国へ渡すようにおっしゃいます。もう一つの封がされていない便箋を示し、マデサゴーラ様は言いました。
「封がしていない便箋には、私書箱の宛先が記されている。何か困ったことがあったら、連絡をしなさい」
 マデサゴーラ様は、私が祖母と暮らし、日銭を稼ぐために小さい風景画を書いていた時に声をかけてくださった方です。今、芸術家ピペとしての私は、マデサゴーラ様の支援なしにはあり得ないのです。両親の行方は知れず、祖母と死に別れた私にとって、親に代わるような存在かもしれません。
 私は最大限の感謝を伝えようと、深々と頭を下げたのでした。


アストルティア最大にして公式最大手、マデサゴーラ陛下ですよ!彼が手掛けたリィンとラウルの結婚式の話に、萌え転がり屍累々だったエイプリルイベントを忘れない! あぁ!尊い!!

拍手に感謝!ぱちぱちっとありがとうございます!
うわああああ!ほんっっとうに、前回コメントいただいたのどれくらい前だろう! 数ヶ月ぶりのコメント、たいっっっへん嬉しいです! もう、このコメントのおかげで、私はグランゼドーラ編頑張っちゃうヨーーーー!!!
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