ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 ヒストリカ博士。椅子に座った頃合いに声を掛け、ふわりと金髪が揺れてこちらを向く。
「手記が捏造と言われた原因は、なんなの?」
「主な争点になったのは、エテーネ王国が存在するかだった」
 そう言いながら、ヒストリカは立ち上がり資料を探しながら説明する。
 レンダーシアは一千年から数千年の間隔で大魔王の襲撃があり、文献が残りにくい環境となっている。それに加え五千年前なら遺跡が存在するか否か、現代までに伝承なり痕跡があるかが重要になるという。しかし当時世界屈指の大都市リンジャハルと同等かそれ以上の大国の痕跡が何一つ発見できず、捏造と言われるに至った。エテーネという言葉に限れば、この手記と内海の島の奥地にある村以外に存在しないとヒストリカは断言する。
 テーブルの上に広げられたのは、レンダーシア全土の地図。真新しい紙に書かれているけれど、地図というよりも絵画ね。地図の端に描かれたペガサスが、角を北へ向けている。
「これが、考古学学会でも最も古いとされるレンダーシア全土の地図の模写だ。三千年前に大魔王と激戦を繰り広げた勇者の盟友が、大陸全土を把握する目的で作らせたらしい」
 広大な内海は、中央に少し大きな島が一つあるだけ。
 その島の南側に、ほっそりと白いヒストリカの指が置かれた。
「ここにエンジュの友人の故郷である、エテーネ村がある」
 ルアムがエテーネ村の出身と聞いて、運命を感じた。
 どんな大国も永遠に繁栄する事は出来ない。時を操る力で未来を知り、錬金術で生活が向上した、世界に類を見ない大国エテーネ王国もいずれは衰退し滅亡する覚悟はあった。勿論、私や私の子供の時代にそうならないよう手を尽くしし、未来の王も存続の為の努力を惜しまないだろう。それでもリンジャハルの滅亡を目の前にした私は、エテーネ王国が永遠に繁栄するとは思えなくなっていたの。
 だからこそ、村であれエテーネが今に残っている事は、なんだか嬉しい事だったの。時を渡る少年が未来を予言する巫女が村にいたと話せば、エテーネ王国との縁が続いているって確信したわ。
「もし何らかの理由で逃げ延びて作られた村だとするならば、彼らの故郷が内海に存在すると予測した。さらに出身地の民と名乗っていたのが、自然と村の名前として定着した可能性が高い」
 ヒストリカの聡明さに唸っちゃう。
 もし、エテーネ王国が崩壊するなら、最も近いこの島が避難先として選ばれるわ。さらにリンジャハルが都市機能を失い、陸への玄関口を失ったのがこの選択の優先度を上げている。
 メレアーデ嬢。ヒストリカが震える手で一口飲んだ茶器を置くと、恐る恐る訊ねた。
「こ、心苦しい質問なのだが、エテーネ王国はどこに…?」
 私はにっこりと笑って、ヒストリカが指差した島の西側を指差した。
 何もない、ただの海。
 分かっていた。リンジャハルに来て、海を見て、私は既に知っていたの。
 エテーネ王国は領土である大エテーネ島すら、消え去ってしまっていた事に…。

きっと邪馬台国はどこにあるのか、現代にタイムスリップした当時の人物に聞く心境だろうな。

アストルティアの星ではエテーネ王国は知られていない事になってます。
公式ではしれっとアンルシアちゃんが『綺麗な王国だったのよね』とか、フィロソロス先生がエテーネ王国について言及しているが、ヒストリカちゃんの手帳捏造疑惑とか全く晴らされていないの遺憾の極み。
なので、アストルティアの星ではエテーネおよびリンジャハルという五千年前をよく知る人物としてヒストリカが上がります。成り上がってざまぁして欲しが、人が良い彼女はそうならないだろうね。

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