ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 この未来がメレアーデが導く『正しき未来』なのキュル?
 人間の価値観では、血縁者は尊ばれる。テンレスが弟のルアムを大切にしていたように、メレアーデにとってドミネウスは守る対象となるはずキュ。しかし、ドミネウスは心臓を貫かれ、ルアムの矢がトドメの一撃となって生命活動を停止したところキュル。
 生命活動が停止したドミネウスという個体が、ずるりと重力に引かれて崩れ落ちていキュ。背後に立つ個体が力尽きた巨体に引き摺られて剣を下ろせば、黄金の光を反射する水面に顔面から落ちていったキュル。夕焼けのような赤銅色が、円が広がる毎に濃くなっていキュ。
 傍に立っていたテンレスの弟が、驚きに掠れた声で『誰?』と囁いたキュ。
 ボクが博識な時の妖精キュルル様でも、流石に知らないキュルねぇ。
 その個体は成人した男性。手に持った両刃の長剣が物語る通り、怪しく照る黒塗りの鎧に身を固めているキュ。外套から肩から首元を覆う毛皮まで真っ黒な装いで、健康的な肌色が真っ白に見えるキュル。服からはぽたりぽたりと黒い液体が滴り、これが男の服を黒く染めているようキュル。
 ルアム達は得体の知れない剣士に見えるキュルけど、ボクには非常に強い時渡りの資質を持つ者であると察する事ができるキュ。突如現れたのも、異なる時代からこの瞬間に跳躍してきたんだキュル。
 黒い服の剣士は何気なく『箱』と呼ばれた、時間演算装置を見上げるキュ。
 頭上に輝く『箱』と呼ばれた立方体群は、この時間軸では最高峰の時間制御装置に違いないキュル。一際巨大な立方体を中心に、小型の演算装置と連動し大規模な時間制御を行うと思われるキュル。大規模と断言できるのも、立方体が巨大であればあるほど時渡りの力の貯蓄量と比例して行使できる力の規模が増すからであるキュ。
 次々と力を注ぎ尽くし、ヘルゲゴーグ達が前のめりに崩れ落ちていく。その度に、ぴしりと床から嫌な音が響いたキュル。それに反応した赤毛玉が、神経質そうに周囲を見回すキュ。
「な、なぁ。逃げていーなら、姫様達を担いで逃げよーぜ?」
 黒服の剣士を警戒していたレナートが、赤毛玉の言葉に頷く。突如現れた剣士にこちらを攻撃する意図がないと判断したのか、剣を構え目を離す事なくルアム達に急ぐよう手を振った。ルアム達が視線を交わして踵を返し、意識を失っているクオードとメレアーデの元に行こうとした時。
 びしっ。
 がくりとルアムが足を踏み外したように、体が傾く。びしっ。ばきっ。ばりん。音が足元から次々と湧き上がり、溜まっていた水が流れ出していく。三人は激しく揺れる床に立っていられず、膝をついてしまったキュ。

キーマンこと黒衣の剣士様いらっしゃいませー!
あーごめんなさい。一話にしては長くなりすぎちゃって分割するんだけど、そうすると一話にしては短くなるんですよねー。しおしお。

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