ハコの厚みはここ次第!
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■ Profile ■
稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
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悪鬼と僕の間にガルードさんが躍り出る。
雄々しい気合いと共に、彼の真紅の肉体が大きく膨れ上がったのです。そのあまりに見事な造形美に、集まってきたグレンの戦士達も感嘆の声を上げました。
「ガルードさん! 貴方に怯まぬ勇気を…!」
「オレ様ノ 伝説ガ 始マルッテ時ニ、誰ガ 怯ム カヨ!」
巨大な体が真っ向からぶつかり、吹雪が衝撃に弾き返される。巨大な巌をくり抜いて造られたグレンが、大きく揺さぶられます。力は互角か。そう思った次の瞬間には、互いの拳が顔面に炸裂する。オーガ族なら首の骨があらぬ方向に折れるような衝撃ですが、屈強なシールドオーガ族の彼は踏みとどまりました。鋼のような腹筋にめり込む鉄拳が、胸板が波打つ衝撃の一撃が、彼らの間に間髪なく激しい火花となって瞬く。
あ。その声が誰の声かを認識する前に、出来事は起きていました。
ガルードさんの腕が取られ、大きく振り回されグレンの壁面に叩きつけられる。背に背負った扉も緩衝材にはならない。ガルードさんは血を吐きながら、ずるりと大きくひび割れた壁面を滑って行く。
ゾンガロンの愉快そうな口元から、ぷっと血の混じった唾液を吐き出す。
曲を変えるか。僕が脳内で膨大な量の楽譜に指を掛けた時でした。
頑張れ!
その声は吹雪の音を割って響きました。
疾走感と音階を駆け上がる音が、大陸を滅ぼす脅威に一歩も引かぬ勇気を引き出す。その音はガルードさんだけでなく、集まった兵士達をも鼓舞したのです。いつの間にか声援が響き、篝火が吹雪を退け、太鼓の音が音楽に加わる。
その様子を忌々しそうに見遣ったゾンガロンの隙を、ガルードさんは見逃しませんでした。
彼は背に背負った扉を瞬く間に引き抜きながら、ゾンガロンに体当たりしたのです。思わずよろめいたゾンガロンでしたが、ガルードさんの姿を見て怪訝な顔をする。両開きの扉なので、左右に一枚づつ。それは防御を最大に高める背面の握りではなく、まるで扇のように扉の下方を摘むように持っていたのです。
びしり! ガルードさんの指が扉に食い込む。
不敵な笑みをニッと浮かべた彼の顔に、諦めは一片も存在しない。
「ピンチヲ 乗リ越エテコソ ヒーローダッ!」
気合い一閃、鋼鉄製の扉の重量と鋭角がもたらす鈍器の衝撃がゾンガロンを滅多打ちにする! 扉が振り回されることで生まれる間合いは槍と変わらず、さらに両手に一枚づつ持たれている為に隙が生まれにくい。ゾンガロンが拳を突き出そうとすれば叩き落とされ、戸惑っている間に肩に扉の縁が突き刺さる。
まさに扉乱舞!
あんな巨大な鉄の扉を、扇代わりに使えるのなんて世界広しと言えどガルードさんくらいなものでしょう。
ゾンガロンは大きく後退り、低く唸りながら片膝を付いたのです。ぎょろりとした目は憎悪に塗れていましたが、現在の状況が信じられぬという驚嘆がちかりと瞬いたのを僕は見逃しませんでした。僕は彼の驚きが生んだ心の隙間に、するりと言葉を滑り込ます。
「思ったより力が出ないですか? それは、貴方の思い違いではありません」
心を読まれたのか? そんな心情が出た顔面に、僕は穏やかに微笑み掛けました。
「貴方は既に、戦神から見放されているのです」
怯まぬ勇気は11の曲でっす!!!!!
ガルードくんはちょっとお調子者っぽい性格ですが、実力ピカイチ。扉の持ち手を変えて扇みたいに使うので、防御の堅実、拳の実直、力押しの扇持ちのトリッキー技と隙がなさそうです。
拍手に感謝!パチパチっとありがとうございます!
