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ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 居候が錬金術で作った薬は瞬く間に評判になった。俺が引退した錬金術師から引き継いだレシピを見れば、様々なものを作れるようになった。魔道士の杖に必要不可欠な、メラの力を秘めた紅玉。話し声をそっくりそのまま返すオウムの縫いぐるみ。入った物が見えなくなる、マジック用の箱を作ったこともあったな。入れた物を全て黄金に変える液体を作り出し、大金を稼ごうと目論んだがうっかり命の石を入れてしまってゴールドマンが出来上がり家が半壊したこともあった。居候は錬金術の才能があった。俺は嫉妬どころか、なんかもう呆れちまったよ。
 居候は稼いだ金でボロくなった家を修繕した。立て直した方が安くできると大工は言ったが、居候は修繕に拘った。俺達家族の思い出をどうしても残してやりたいと、俺やリリオル以上に執着した。修繕した家はボロ家の間取りのまま綺麗になった。だが、そこに居候のスペースはない。ここが、居候の居場所じゃねぇと言いたげだった。
「おい」
 居候は顔を上げた。紙には複雑な計算が乱雑に書き込まれていて、もう、俺には理解できなかった。
「もう、俺達のために生きなくて良いんだぞ」
 肩がびくりと跳ねた。
「お前、俺に助けてもらった時、本当は死ぬつもりだったんだろう? 助けて貰った善意も無下にできねぇで、手伝えって言ったから手伝ったんだ。死にそうなリリオルを助けることを生きる理由にして過ごして、俺達に恩を返すために頑張ったんだろう。良い加減、お前の生きる理由に俺達を使うな。迷惑なんだよ」
「はは。イッショウさん、酷いなぁ」
 居候はそう俯いて呟いた。
「迷惑か。ごめん。イッショウさんの言う通りだ。俺、俺の為に生きられなくって…さ」
 居候はぽつぽつと語り出した。
 俺の故郷はエテーネ村って、小さくて長閑な村だったんだ。森に囲まれててさ、小川が流れてて、小さくても畑があって、動物も少し飼っててさ。遠くの山に綺麗な神殿が見えるんだ。ここに来て思ったけど、カメ様ってどこにでもいる訳じゃないんだな。大きな亀の守神様がうとうと寝ててさ…。
 村の人達はみんな良い人だった。村を長く離れなきゃいけなくなった親を持つ俺と弟にとって、村は大きな家族だった。錬金術を失敗したって、『あーあ。またテンレスがやらかしたよ』って呆れるだけでさ。何も不自由もなくて平和で、俺はこのまま大人になって弟が嫁をもらって結婚して、みんなが幸せに生きていくんだろうって思ってたんだ。
 みんな、そう思ってた。ずっと、ずっと、平和な日々が続くと思ってた。
 ある日、突然、魔物が村を襲ったんだ。村の人間を一人残らず殺すって、おっかねぇ魔族の男が月夜の下に浮かんで言ったんだ。みんな、みんな殺されちまった。村は燃えて、跡形もないはずだ。
 俺は弟に助けられて、一人村の外に逃げる事ができたんだ。
 居候はぐいっと目元を擦った。
「俺、兄ちゃんだからさ、弟を守ってやらなきゃならなかったんだ。それなのに、俺だけ生き延びて…」
 呼吸するように後悔してるんだろう。生きてる事が毒薬のように居候の心を蝕んでいて、それで死ねりゃあ良かったんだろう。居候の寝言は酷く煩いからな。いつもルアムとか、シンイとか、死にそうな声出しやがって。
 俺は居候の首根っこを掴むと、乱暴に家の外に追い出した。居候の上に旅の荷物を放ると、俺は呼んでいた旅人達に声をかけた。親子連れだろう二人組はびっくりしていたが、それ以上に元居候が驚いた様子で俺を見上げていた。
「いつまでもぐずぐず泣きやがって。お前の目で故郷を見てこい」
 子供が元居候に歩み寄ると、蹲み込んで顔を覗き込んだ。
「ぼくヤクウ! 迷子のおにいちゃん、エテーネ村の人なんだってね! 一緒に帰ろう!」
 ほらほら行った行った! そう追い立てて3つの影が路地を曲がり見えなくなるまで、とんでもなく長く感じた。テンレスの言っていたエテーネ村は滅んじゃいねぇ。現にあの親子はエテーネという南の村の出身で、平和で良い村ですよと笑っていた。滅んでいるとはとても思えない。
 悪い夢でも見ていたんだろう。俺はテンレスの悪夢が晴れることを祈って、そっと玄関の戸を閉めた。


現在はサービス終了になってしまったオフライン編ですが、リリオルちゃんを助けてイッショウさんの家に居候するようになったら、様々な祠をめぐって錬金術の腕前を上げていく的な物語になります。
当然、それはだるい。ので簡略しています。
そして突然のヤクウさんですが、エテーネ村の外に出て旅をする人は村の中でも一定数いたらしいので(ホーローさんとかな)そう言う人を見つけて一緒に帰っていくという流れが妥当だと思いました。
いや、オフライン編のボスも相当にでかい伏線だったと思いますが、ちょっと未だに彼を出して良いのか迷っています。まだ4が書き終わってないって所もありますが、奴だったらクローンくらい作ってそうだから解決楽勝だと思いますが、それでもねーって所です。なのでオフライン編はまるっと端折りしております。
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