ハコの厚みはここ次第!
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稲野 巧実
『ハコの開き』の管理人。
様々なゲームに浮気しつつ、アストルティアに度々出没する駄目社会人。ルアム【XI881-625】で冒険中。エンジョイ プクリポ 愛Deライフ! 貴方の旅に光あれ!
行動してから後悔しろが信条の体育会系思考。珈琲とチョコと芋けんぴがあれば生きて行ける!
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 リーバルが二匹目の鯛を捕まえた後、雛鳥達を引き連れて兄弟岩に戻ってきた。
 リト族の狩人は、鎧の下にさまざまな荷物を潜ませる。荷物として体に括り付けて重心が変わってしまうと空が飛びにくい為に、鎧の下に限界まで軽量化した荷物を忍ばせるのだ。リーバルが鎧の下から手品のように荷物を出していく様を、雛鳥達は目を輝かせて見ている。
 取り出したのは携帯の調理器具だ。薄く頑丈な一人前のフライパンと蓋を兼ねた皿を重ね合わせ、その間に調理用のナイフや火打ち石、調味料の小袋が入っている。食材は現地調達が基本なので、熟練のリト族の狩人はこれだけの装備でへブラの山から生還してしまうのだ。
 鯛の鱗をナイフで剥がすと、小さい鱗が翼の中に入って雛鳥達は大騒ぎだ。きらきらしてる! とれない! はいりこんじゃった! 雛鳥達が騒ぐのを横目に見ながら、リーバルは鯛の腑を取り輪切りにして、岩塩を砕いたものを鯛にまぶしていく。
 雛鳥達にキノコを裂かせている間に、焚き火の用意もする。乾燥した木の枝を組み合わせ、風よけの石を積み重ねる。火種にする松ぼっくりに綿毛を仕込み、そこに火打ち石から迸った火花を引火させる。火種から木の枝に火が移り安定したところで、フライパンを乗せて温める。
 雛鳥達に砕いた木の実を切り身にまぶさせ、切り分けたバターを温まったフライパンの上に乗せさせる。フライパンからむわっと立ち上る熱気に、おっかなびっくり切り身を乗せる雛達の様子をリーバルは真剣に見守っている。
 わぁ!
 じゅわっといい音といい香りが一気に広がって、雛鳥達がフライパンを覗き込む。
 リーバルは鯛の切り身をソテーし、付け合わせのキノコにもたっぷりとバターを染み込ませた。
「あの おさかなだ!」
 雛鳥達の嬉しそうな声に、リーバルの嘴も嬉しげに持ち上がる。
 蓋を兼ねた皿に盛り付ければ、女神様への感謝の祈りもそこそこに嘴を突っ込む。焼き立てだから、雛鳥達はあまりの熱さに大慌てだ。
「こんな おいしいの はじめて!」
 ぺろりと平らげ口々に囀る感想に、リーバルも悪くないねと味見をする。
「こんどは おにいちゃんに つくってあげるね!」
 雛鳥達が声をそろえると、リーバルは『そのうちね』と笑って頭を撫でた。まだまだ学ぶ事がいっぱいの雛鳥達だ。彼らがリーバルに作ってあげられる日は、当分先のことだろう。
 陽が傾いて夕暮れがやってくる。親が迎えに来れば、雛鳥達は興奮気味に今日あったことを囀るのだ。雛鳥達の『おにいちゃん』の話は、眠くなるまで続くだろう。


リーバルが若いってことで、子供達からは憧れのお兄ちゃんだったのかなと妄想を膨らませております。努力家であったことと、同じ努力タイプのゼルダを気に入っていたことから、結構子供にも優しいんでないかとかおもったりなんたり。(リンクは紹介文章では努力を怠らないとか書いてあるが、天才の資質を維持するための努力だと思っている)

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